グレイトパールの勝因、グレンツェントの敗因は?平安S2017結果

上がり馬が勢いのままに重賞初制覇を果たした。

5月20日に京都競馬場で行われた平安ステークス(GIII/ダート1900m)で、1番人気のキングカメハメハ産駒グレイトパール(牡4)が、6番人気のクリソライト(牡7)を押さえて勝利した。2番人気のグレンツェント(牡4)、アスカノロマン(牡6)は下位に沈んだ。

勝ち馬の勝因、敗れた馬たちの敗因は何だったのか? 振り返っていくことにしよう。


目次

結果・着順

2017年 5月20日(土) 3回京都9日 天候 : 晴  馬場状態 : 良
【11R】 第24回平安S
4歳以上・オープン・G3(別定) (国際)(指定) ダート 1900m 16頭立

馬名性齢
9グレイトパール牡41
4クリソライト牡76
1マイネルバイカ牡815
5ピオネロ牡69
16ケイティブレイブ牡44
2タガノエスプレッソ牡58
8リーゼントロック牡611
13ラストインパクト牡713
7アスカノロマン牡63
1015グレンツェント牡42
1112マイネルクロップ牡716
1211ロンドンタウン牡45
1310ロワジャルダン牡67
146クリノスターオー牡710
1514ドリームキラリ牡514
163コパノチャーリー牡512

LAP  6.9-10.6-11.1-12.5-12.1-12.1-12.4-12.5-12.6-12.9
通過 28.6-41.1-53.2-65.3
上り 74.6-62.5-50.4-38.0
平均 1F:12.18 / 3F:36.54

レース分析

まずはレースラップを見てみよう。

6.9-10.6-11.1-12.5-12.1-12.1-12.4-12.5-12.6-12.9

各場揃ったキレイなスタートからハナを切ったのはコパノチャーリーだった。淡々とした流れとなり、中盤でペースが緩むこともなかった。前に行った馬にとって、厳しい展開だったことが分かる。

3、4コーナーではケイティブレイブが前を捉えて後ろを引き離しにかかったが、楽な手応えで上がっていったのがグレイトパールだった。直線では後続を寄せ付けず、鋭い末脚で伸びてきたクリソライトに4馬身差をつける圧勝劇だった。

まさに「ダート界に新星現る」といった見出しをつけたくなるような結果となった。

出走馬勝因、敗因、次走への展望

1着 グレイトパール

長期休養明けでダートを使って以来、これで5連勝となった。最後はほとんど持ったまま、川田将雅騎手は手綱を緩めてゴール板を通過した。本当ならもっともっと差がついていたと考えていいだろう。

勝因としては実力が抜けていたことに加え、流れに上手く乗ったことが挙げられる。ほとんどの先行勢が崩れたように、ダート戦にしては先行馬に厳しい展開となった。この馬はペースの速いところで中団につけ、徐々に徐々にポジションをお仕上げていった。

結果、周りにつられて無理するようなことはなく、自然に順位を上げていけたわけだ。もっとも、実力が抜けていなければこれほどの差はつかなかったはず。

これからのダート路線で主役になれる可能性を秘めた一頭として、今後が注目されるところだ。

2着 クリソライト

ダイオライト記念を3連覇しているように、この馬の適正距離はもっと長い。だから2000m未満になると、ペースについていけない。実際、今回も終始最後方に位置していた。

それでも上位に来られたのは、差し馬が台頭できる流れになったから。いわゆる“漁夫の利”のような形だった。

今後に関しても、基本的には最低でも2000m以上ほしいところ。それ以下になると、今回のようにハイペースになるなど、何かしらの後押しが必要になる。

3着 マイネルバイカ

最内からジリジリ伸びてきた。単勝150倍から3着に来たのだから、驚きといったところ。

4着 ピオネロ

この馬もクリソライトと同じようにポジションは後ろだった中で展開が向き、最後に差してこられた。ネオユニヴァースからダートの超大物が出ていないのは、コテコテのダート血統に比べてタフな展開に対応できる力がないから。そういう意味で、今回はこの馬向きの流れになった。

ある程度展開が流れて差しの決まる展開になったからこそ、芝でも活躍したこの馬にチャンスが回ってきたわけだ。

5着 ケイティブレイブ

先行馬に厳しい展開になった中、終始先行して最後は5着に粘り込んだ。素直に評価していいだろう。

6着 タガノエスプレッソ

前述の通り、芝の差し馬が来られるような展開になったことが幸いした。馬体重が軽い馬だけに、ダート路線では厳しく、この展開で6着までであれば相当の助けがない限り、馬券圏内に浮上することは難しいと考えられる。

7着 リーゼントロック

8着 ラストインパクト

ダートでは厳しいだろう。

9着 アスカノロマン

3コーナーの時点で手応えが怪しくなり、気づけば惨敗となってしまった。舞台適性は高く、明らかに不利な展開になったというわけでもなかっただけに、不可解な敗戦だ。状態や年齢的な問題があったのかもしれない。

10着 グレンツェント

直線の入り口でいい形で外に持ち出せたが、全く伸びずに惨敗となった。前走に続く敗戦ということで、やや心配なところ。

ダートで超一流馬が出ていないネオユニヴァースの産駒、ダート馬としてはかなり馬格が小さい(470キロ前後)という点も含め、成長力が課題となりそうだ。

11着 マイネルクロップ

12着 ロンドンタウン

展開△。見直し可。

13着 ロワジャルダン

展開△。見直し可。

14着 クリノスターオー

15着 ドリームキラリ

16着 コパノチャーリー

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