再びあの栄光をつかむために――。

5月21日に東京競馬場で行われる優駿牝馬オークスに、武豊騎手はリスグラシュー(牝3)とともに挑む。

彼にとって、オークスのタイトルは今もっともほしいタイトルの一つと言えるかもしれない。というのも、武豊騎手が最後のオークスを制したのは、もう21年も前のことなのだ。


目次

名牝たちとの歴史

武豊騎手が最初にオークスを制したのは1993年のことだった。

パートナーだったベガは牝馬クラシック第1弾の桜花賞を制した有力馬だった。スタートから先行策を取ると、残り200mで先頭に立つ。最後は2着に1馬身3/4差をつける快勝だった。見事、1番人気の支持に応えて2冠へと導いたのだ。

二度目の勝利はすぐに訪れる。ベガから2年後……。“相棒”はダンスパートナーだった。まさに踊るように軽やかな差し切り勝ちを収め、2度目の戴冠を果たしたのである。

そして迎えた1996年、後に“怪物牝馬”と呼ばれることになるエアグルーヴとともに三度目の制覇を成し遂げた。

あと一歩届かなかった20年

だが、以降はオークスの美酒を味わえていない。ファレノプシス、トゥザヴィクトリー、アドマイヤグルーヴ、ダンスインザムード、エアメサイア、アドマイヤキッスといった有力馬に騎乗しながら、最高着順は2着まで。何度も制覇のチャンスがありながら、つかめないまま20年の時が過ぎてしまったのだ。

今年、騎乗を予定しているリスグラシューは阪神ジュベナイルフィリーズと桜花賞で2着になった実績を持っている。ソウルスターリングやアドマイヤミヤビとともに人気に支持されることが確実だけに、“今年こそ”の期待がかかる。

大一番へ挑むにあたり、武豊騎手は「オークスのリスグラシュー。距離適性がどうかというのは、どの馬も共通して感じていることでしょうから気にしません。長い末脚が持ち味の馬ですから、東京の長い直線は絶対に向いているはずと信じて、精一杯頑張ってきます」と、意気込みを語っている。

果たして、武豊騎手は21年ぶりの歓喜を味わうことができるのか? まだ結末は分からない。しかし、確かなことはもしリスグラシューがどの馬より最初にゴール板を駆け抜けたとき、訪れた大観衆から「ユタカコール」が送られることである。もしその未来が実現するなら、翌週に控える日本ダービーはさらに盛り上がることだろう。

武豊騎手、オークス騎乗全成績

日付馬名着順
2015.5.24マキシマムドパリ
2013.5.19クロフネサプライズ12
2012.5.20メイショウスザンナ
2009.5.24ツーデイズノーチス15
2008.5.25マイネレーツェル
2007.5.20ザレマ10
2006.5.21アドマイヤキッス
2005.5.22エアメサイア
2004.5.23ダンスインザムード
2003.5.25アドマイヤグルーヴ
2000.5.21マニックサンデー
1999.5.30トゥザヴィクトリー
1998.5.31ファレノプシス
1997.5.25ダイイチシガー
1996.5.26エアグルーヴ
1995.5.21ダンスパートナー
1994.5.22オグリローマン12
1993.5.23ベガ
1992.5.24キョウワホウセキ
1991.5.19スカーレットブーケ
1990.5.20ダイイチルビー
1989.5.21シャダイカグラ
1988.5.22シヨノロマン

集計期間:1988. 5.22 ~ 2015. 5.24

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