ハイレベルな牝馬クラシック戦線に新星浮上。
3月17日に中山競馬場で行われたフラワーカップ(G3/芝1800)はカンタービレの優勝に終わった。レースを分析していきながらカンタービレがレースを制したポイントやロックディスタウンなど他馬の敗因を探っていこう。
目次
結果・着順
着 | 馬名 | 騎手 厩舎 | 人気 オッズ | |
1 | カンタービレ | Mデムーロ騎手 | 2 | |
牝3 | 54 | (栗東)角居 | 3.4 | |
2 | トーセンブレス | 柴田善騎手 | 3 | |
牝3 | 54 | (美浦)加藤征 | 6.8 | |
3 | ノームコア | 北村宏騎手 | 4 | |
牝3 | 54 | (美浦)萩原 | 7.4 | |
4 | ウスベニノキミ | 内田博騎手 | 8 | |
牝3 | 54 | (栗東)鈴木孝 | 45.8 | |
5 | ファストライフ | 大野騎手 | 9 | |
牝3 | 54 | (美浦)青木 | 47.5 | |
6 | メサルティム | 石橋脩騎手 | 5 | |
牝3 | 54 | (栗東)荒川 | 7.5 | |
7 | ノーブルカリナン | 勝浦騎手 | 6 | |
牝3 | 54 | (栗東)友道 | 12.1 | |
8 | モルフェオルフェ | 吉田隼騎手 | 7 | |
牝3 | 54 | (美浦)大江原 | 40.1 | |
9 | カラリエーヴァ | 江田照騎手 | 12 | |
牝3 | 54 | (美浦)中川 | 132.8 | |
10 | バケットリスト | ミナリク騎手 | 10 | |
牝3 | 54 | (美浦)高橋文 | 52.5 | |
11 | インヴィジブルワン | 三浦騎手 | 11 | |
牝3 | 54 | (栗東)藤原英 | 67.9 | |
12 | キープシークレット | 柴田大騎手 | 13 | |
牝3 | 54 | (栗東)矢作 | 269.6 | |
13 | ロックディスタウン | 柴山騎手 | 14 | |
牡3 | 56 | (美浦)金成 | 126.2 |
払い戻し
単勝 | 10 | 340円 | 2人気 |
複勝 | 10 09 03 | 140円 180円 210円 | 1人気 3人気 4人気 |
枠連 | 06 - 07 | 1,070円 | 5人気 |
馬連 | 09 - 10 | 1,420円 | 5人気 |
ワイド | 09 - 10 03 - 10 03 - 09 | 480円 510円 740円 | 3人気 6人気 11人気 |
馬単 | 10 → 09 | 2,180円 | 6人気 |
三連複 | 03 - 09 - 10 | 2,870円 | 10人気 |
三連単 | 10 → 09 → 03 | 12,440円 | 34人気 |
レース分析
レースのラップを見ると前半が36秒8、中盤が36秒9、後半が35秒5となっている。スローの上がり勝負だったと見て問題ないだろう。では各馬の勝因・敗因について見ていこう。
出走馬勝因、敗因、次走への展望
1着 カンタービレ
中団のやや前目に付け勝負所から手ごたえ良く進出しそのまましっかり抜け出した。しかしここで大外からトーセンブレスが急追。脚色的には厳しくも見えたがそこからもうひと伸びししのぎ切って見せた。外からの強襲をミルコデムーロが堪えきるシーンはもはや様式美でこの馬の根性もさることながら鞍上の手腕も光った。
遠征で馬体はやや寂しくも見え次走に関しても現状未定の模様。大きいところでも通用する大器に見えるだけにフィジカル面での成長が今後の鍵か。
2着 トーセンブレス
後方からレースを組み立てたが勝負どころでも反応はイマイチ。しかし直線ぐいぐいと前に迫り勝ったかと言うシーンまで作ったが惜しくも2着。賞金的勝っておきたかった馬だけに悔しさが残る。不利な展開の中見せた決め手は本物で、特に中山での切れ味はすさまじいものがある。
3着 ノームコア
早め早めの競馬で最終コーナーではもう先頭を伺う位置取りだった。そこから2頭の脚には屈したもののしっかり粘りを見せ馬券内に残って見せた。半年ぶりだったことを考えれば及第点以上のレースぶりだったと言える。
13着 ロックディスタウン
スタート後すぐインヴィジブルワンがやや内によれたことに端を発するごちゃつきに巻き込まれ折り合いを欠いた。酌量の余地はあるがレースには付き物の些細なアクシデントと言えるレベルのもので、この程度の事であそこまで影響を受けるようでは現状気性面の課題が大きいと言わざるを得ない。転厩したばかりでもあり、立て直しにはまだまだ時間がかかりそうだ。キャットコインら牝系を見るに早熟の可能性もあるだろう。
まとめ
未勝利を勝ってこの舞台に出走し人気に応える。2年前にエンジェルフェイスが同じ道を切り開いているが、同馬はその後クラシック戦線では精彩を欠いた。浅いキャリアで遠征し重賞に出走するという事は、やはり若駒にとって大きな負荷がかかるのだろう、牝馬であればなおさら。また今年は路線のレベルも高い。
しかし今日の走りを見れば、ミルコデムーロが同じ勝負服で昨秋起こしたキセキを再び見てみたいとも思う。それほどに彼女に走りは軽やかで美しく、まるで歌うようだった。
文=櫻井秀幸