カンタービレの勝因、ロックディスタウンの敗因は?フラワーカップ2018の回顧

ハイレベルな牝馬クラシック戦線に新星浮上。

3月17日に中山競馬場で行われたフラワーカップ(G3/芝1800)はカンタービレの優勝に終わった。レースを分析していきながらカンタービレがレースを制したポイントやロックディスタウンなど他馬の敗因を探っていこう。


目次

結果・着順

馬名騎手
厩舎
人気
オッズ
1
カンタービレMデムーロ騎手2
牝354(栗東)角居3.4
2
トーセンブレス柴田善騎手3
牝354(美浦)加藤征6.8
3
ノームコア北村宏騎手4
牝354(美浦)萩原7.4
4
ウスベニノキミ内田博騎手8
牝354(栗東)鈴木孝45.8
5
ファストライフ大野騎手9
牝354(美浦)青木47.5
6
メサルティム石橋脩騎手5
牝354(栗東)荒川7.5
7
ノーブルカリナン勝浦騎手6
牝354(栗東)友道12.1
8
モルフェオルフェ吉田隼騎手7
牝354(美浦)大江原40.1
9
カラリエーヴァ江田照騎手12
牝354(美浦)中川132.8
10
バケットリストミナリク騎手10
牝354(美浦)高橋文52.5
11
インヴィジブルワン三浦騎手11
牝354(栗東)藤原英67.9
12
キープシークレット柴田大騎手13
牝354(栗東)矢作269.6
13
ロックディスタウン柴山騎手14
牡356(美浦)金成126.2

払い戻し

単勝10340円2人気
複勝10
09
03
140円
180円
210円
1人気
3人気
4人気
枠連06 - 071,070円5人気
馬連09 - 101,420円5人気
ワイド09 - 10
03 - 10
03 - 09
480円
510円
740円
3人気
6人気
11人気
馬単10 → 092,180円6人気
三連複03 - 09 - 102,870円10人気
三連単10 → 09 → 0312,440円34人気

レース分析

レースのラップを見ると前半が36秒8、中盤が36秒9、後半が35秒5となっている。スローの上がり勝負だったと見て問題ないだろう。では各馬の勝因・敗因について見ていこう。

出走馬勝因、敗因、次走への展望

1着 カンタービレ

中団のやや前目に付け勝負所から手ごたえ良く進出しそのまましっかり抜け出した。しかしここで大外からトーセンブレスが急追。脚色的には厳しくも見えたがそこからもうひと伸びししのぎ切って見せた。外からの強襲をミルコデムーロが堪えきるシーンはもはや様式美でこの馬の根性もさることながら鞍上の手腕も光った。

遠征で馬体はやや寂しくも見え次走に関しても現状未定の模様。大きいところでも通用する大器に見えるだけにフィジカル面での成長が今後の鍵か。

2着 トーセンブレス

後方からレースを組み立てたが勝負どころでも反応はイマイチ。しかし直線ぐいぐいと前に迫り勝ったかと言うシーンまで作ったが惜しくも2着。賞金的勝っておきたかった馬だけに悔しさが残る。不利な展開の中見せた決め手は本物で、特に中山での切れ味はすさまじいものがある。

3着 ノームコア

早め早めの競馬で最終コーナーではもう先頭を伺う位置取りだった。そこから2頭の脚には屈したもののしっかり粘りを見せ馬券内に残って見せた。半年ぶりだったことを考えれば及第点以上のレースぶりだったと言える。

13着 ロックディスタウン

スタート後すぐインヴィジブルワンがやや内によれたことに端を発するごちゃつきに巻き込まれ折り合いを欠いた。酌量の余地はあるがレースには付き物の些細なアクシデントと言えるレベルのもので、この程度の事であそこまで影響を受けるようでは現状気性面の課題が大きいと言わざるを得ない。転厩したばかりでもあり、立て直しにはまだまだ時間がかかりそうだ。キャットコインら牝系を見るに早熟の可能性もあるだろう。

まとめ

未勝利を勝ってこの舞台に出走し人気に応える。2年前にエンジェルフェイスが同じ道を切り開いているが、同馬はその後クラシック戦線では精彩を欠いた。浅いキャリアで遠征し重賞に出走するという事は、やはり若駒にとって大きな負荷がかかるのだろう、牝馬であればなおさら。また今年は路線のレベルも高い。

しかし今日の走りを見れば、ミルコデムーロが同じ勝負服で昨秋起こしたキセキを再び見てみたいとも思う。それほどに彼女に走りは軽やかで美しく、まるで歌うようだった。

文=櫻井秀幸

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