ノンコノユメの勝因、テイエムジンソクの敗因は?フェブラリーステークス2018の回顧

内田博幸が魔法をかけたハイペース。

2月18日に東京競馬場で行われたフェブラリーステークス(G1/ダート1600)はノンコノユメの優勝に終わった。レースを分析していきながらノンコノユメがレースを制したポイントやテイエムジンソクなど他馬の敗因を探っていこう。


目次

結果・着順

2018年 2月18日(日) 1回東京8日 天候 : 晴  馬場状態 : 良
【11R】 第35回フェブラリーS
4歳以上・オープン・G1(定量) (国際)(指定) ダート 1600m 16頭立

馬名S性齢
ノンコノユメセ64
ゴールドドリーム牡51
インカンテーション牡86
サンライズノヴァ牡43
レッツゴードンキ牝610
キングズガード牡712
メイショウスミトモ牡715
サウンドトゥルーセ811
アウォーディー牡87
10ベストウォーリア牡88
11ケイティブレイブ牡55
12テイエムジンソク牡62
13ノボバカラ牡616
14ロンドンタウン牡59
15ララベル牝614
16ニシケンモノノフ牡713

LAP 12.2-10.7-11.2-11.7-12.5-12.6-12.3-12.8
通過 34.1-45.8-58.3-70.9  上り 73.1-61.9-50.2-37.7  平均 1F:12.00 / 3F:36.00

払い戻し

単勝  12 \1070
複勝  12 \280 / 14 \130 / 6 \350
枠連  6-7 \870 (3)
馬連  12-14 \1140 (3)
ワイド 12-14 \520 (4)/ 06-12 \2620 (28)/ 06-14 \720 (8)
馬単  12-14 \3530 (13)
3連複 06-12-14 \6540 (20/560)
3連単 12-14-06 \41560 (125/3360)

レース分析

レースのラップを見ると前半が後半よりも4.4秒も速い超ハイペースだったことがすぐにわかる。完全に後ろの組に向いた展開だった。では各馬の勝因・敗因について見ていこう。

出走馬勝因、敗因、次走への展望

1着 ノンコノユメ

今回もほぼ最後方から見事な追い込みを決めて連勝を挙げた。おあつらえむきの展開とはいえしっかり決めきったのは見事。低迷期も惨敗は少なく力はそれなりに見せていた。これで歯車がかみ合えばまたトップクラスの走りを見せてくれそうだ。

2着 ゴールドドリーム

結果的にはいくらか早仕掛けだったかもしれないが、当面のライバルが前で、現にインカンテーションとも接戦だったことを考えればさほどムーアを責める気にはなれない。地力は十分に見せたがこれも競馬。人気を背負った馬の宿命とも言える。能力に疑いの余地は依然全くない。

3着 インカンテーション

ゴールドドリームの内から併せるように伸び最後の最後までしぶとく食い下がった。このレースで連対経験もあるようにやはり府中1600はベスト。8歳馬が怪我を乗り越え見事な走り。展開面を考えても実に中身が濃い3着。

4着 サンライズノヴァ

直線入り口でゴールドドリームに前に入られやや踏み遅れた印象。ただどのみちここまでだったとも思え、ここで勝ち負けするにはもう一段地力強化が必要だろう。安定感は増してきている。

5着 レッツゴードンキ

だいぶ砂を被ったがひるまず内から伸びてきた。ダートも全く問題なさそうで本当に万能な実力馬。舞台を問わず今年も大レースを賑わすだろう。

12着 テイエムジンソク

3番手から進めたが空前のハイペースに巻き込まれ敢え無く失速。ワンターンも芝スタートも適性があったのかこのレースだけでは全く読み取れない。ここのところずっと順調に来ていた馬だけにこの大敗でリズムが崩れないか良くも悪くも次走に注目。

まとめ

加藤征弘きゅう舎が悲願のビッグタイトルを遂に手に入れた。それをもたらしたのは、やはりと言うべきか、奇しくもと言うべきか、去勢手術から長らくらしさを失っていたきゅう舎の看板ホースノンコノユメだった。

復調した時期にこのレースがあり展開も抜群に向く、うまくいく時というのは往々にしてこんなもの。苦労の数だけ、挫折の大きさの分だけ喜びもひとしおだろう。きゅう舎の執念、関東の意地、ライアンムーアの差し返しとそれをねじ伏せるノンコノユメの頑張り。今年もG1戦線の火蓋はドラマチックに切り落とされた。

文=櫻井秀幸

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