大躍進の影に展開の恩恵あり
ただし昨年が不良馬場とはいえ、二桁着順で大敗していますから、GⅠでは力が足りないとも思えます。そういった部分では、今年は展開も向いていました。ラップタイムを見ると……
12.4-10.8-11.1-11.6-11.4-11.2-11.3-12.2
前半の3ハロン34.3秒は、良馬場で行われた12年(33秒8)、13年(33秒9)と比較すると遅いことがわかります。しかし最後の1ハロンを見ると、今年は12秒台。11秒台で駆け抜けた12、13年と異なり、最後の最後でスタミナが要求される消耗戦になりました。
それは上位陣の上がりタイムを見ても分かります。
12年:1・2・4着が33秒台
13年:1~6着までが32~33秒台
15年:2着ヴァンセンヌ以外は軒並み34秒半ば
このように瞬発力を問われる流れにならなかったことが大きかったと言えます。
クラレントも33秒台の末脚を使ったことがありますが、それはレース自体の上がりタイムも早い時で、絶対的なものではありません。血統的にも父ダンスインザダーク×母父ダンシングブレーブですから、スタミナに裏打ちされた粘り込みだったわけです。
再び左回りに活路を見出す?
優勝には手が届きませんでしたが、12年のNHKマイルカップ以来のGⅠ3着で、ファンをアッと言わせたクラレント。6歳ということもあり、動向が気になるところです。
去年と同様に夏競馬に参戦するのか、それとも一息入れて秋に備えるのか。
先ほど少し触れましたが、血統で見ると2000mはこなせそうなので、左回りという点でも天皇賞・秋に出走したら面白い存在になり得ると思います。
弥生賞やダービーでは苦渋を舐めましたが、自分のレースの進め方を分かっている今なら…悲願の初GⅠ制覇も夢物語ではありません。
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