キャリアが示す才能の片鱗

注目したいのは1800mにおけるタイムだ。

萩Sで1分47秒6、前走の野路菊Sで1分48秒フラットを叩き出している。この数字は素直に評価できるものだ。

この時期の2歳馬が1800mを1分48秒以下で走破するというのは簡単なことではない。よほど馬場と展開に恵まれるか、能力が突出しているかしないとなかなか出ない数字である。

例えば今まで、萩Sで1分48秒以内で走破し、かつ馬券に絡んだ馬を見ていくと……

2014年
2着 ポルトドートウィユ
きさらぎ賞、神戸新聞杯2着

3着 グァンチャーレ
シンザン記念1着

2009年
1着 コスモファントム
中山金杯、中日新聞杯1着、ジャパンダートダービー2着

3着 エイシンフラッシュ
日本ダービー1着

2007年
1着 フローテーション
菊花賞2着

3着 マイネルスターリー
函館記念1着

ご覧のとおり、後の重賞ウィナーやGI好走馬がズラリと名を連ねている。

しかもブラックスピネルの場合、野路菊Sでも1分48秒を記録している。野路菊Sを1分48秒以内に走破して馬券に絡んだ馬たちを見てみると……

2013年
2着 ウインフルブルーム
皐月賞2着、朝日杯FS3着、京都金杯1着

3着 マイネルメリエンダ
OP馬

2012年
1着 ラブリーデイ
宝塚記念、天皇賞秋1着など重賞6勝

2010年
1着 ウインバリアシオン
日本ダービー、菊花賞、有馬記念、天皇賞春2着

2009年
1着 リルダヴァル
NHKマイルカップ3着

2着 コスモファントム(前述)

特に近年はレース後に故障してしまったサンダラスを除いてほとんどハズレがない。GI好走馬が5頭、うちラブリーデイとウインバリアシオンは競馬史に残る名馬となっている。

ブラックスピネルは阪神と京都、異なる競馬場で計2回も「能力の高さを証明する記録」である1分48秒を叩き出しているのだから、期待を寄せていいはずだ。

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