ドゥラメンテの二冠達成で幕を閉じた、第82回日本ダービー。
“怪物”と双璧をなす人気に支持されたリアルスティールは4着に敗れ、栄光をつかむことはできませんでした。
なぜ、リアルスティールは頂点に届かなかったのでしょうか? その原因を探っていきましょう。
目次
血統的にはこれからが本番
リアルスティールは父ディープインパクト×母父ストームキャットという配合をしています。この組み合わせはキズナやラキシスといったGⅠ馬を輩出している、近年のトレンドです。
ただ、キズナこそダービーで優勝しましたが、母父ストームキャットという広いくくりで見ると、ラキシスやロードカナロアのように古馬になってから輝き出す馬も少なくありません。
血筋からすると、まだまだ成長の余地を残しています。一方でドゥラメンテはクラシック一族です。
(●詳細→ドゥラメンテの血統表=日本競馬の歴史!名牝エアグルーヴやダイナカールの血)
現時点での完成度で差が、勝者と敗者を分けた要因の一つだと考えられるわけですね。
末脚勝負に活路を求めるも展開に恵まれず
皐月賞ではドゥラメンテより前にポジションを取っていたリアルスティールですが、ダービーでは位置取りが逆になりました。
リアルスティールはこれまでに2回、上がり3ハロン33秒台を計測しています。
そして、そのうちの1回は12頭立ての7、8番手を追走したスプリングステークスで33秒6。18頭立ての13番手を追走した、まさにダービーと同じような位置取りです。
今回はこのタメるとキレる脚を直線の長い東京コースで活す算段でしたが、展開が向いてくれませんでした。
最初の1000mこそ58秒8というハイペースだったものの、その後の4ハロンは12秒台。ペースが落ち着いたことで、中団勢に有利な流れになってしまったのです。
その上でドゥラメンテに33秒9という脚を使われてしまっては、もはや為す術がありません。
ダービーの屈辱は秋への光明
ただし不向きの展開を乗り越えて4着に滑り込んだのですから、やはり高いポテンシャルを持っていることは明らかです。
そして気になる秋の路線。
同じ配合の先輩キズナは凱旋門賞4着、ラキシスはエリザベス女王杯2着(翌年同レースで優勝)など古馬相手に大健闘していますから、ひと夏越えた秋にどんな姿をみせてくれるのか、本当に楽しみでなりません。
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