ケイアイノーテックの勝因、タワーオブロンドンの敗因は?NHKマイルカップ2018回顧

ケイアイノーテックの勝因、タワーオブロンドンの敗因は?NHKマイルカップ2018の回顧

ねじ伏せた渾身のゴール前。

5月6日に東京競馬場で行われたNHKマイルカップ(G1/芝1600)はケイアイノーテックの優勝に終わった。

ケイアイノーテックが鮮やかすぎる大外一気で世代最強マイラーをアピール。レースを分析していきながら同馬がレースを制したポイントやタワーオブロンドン、ギベオンなど他馬の敗因を探っていこう。


目次

結果・着順

馬名騎手
厩舎
人気
オッズ
1
ケイアイノーテック藤岡佑騎手6
牡357(栗東)平田12.8
2
ギベオンMデムーロ騎手2
牡357(栗東)藤原英5.2
3
レッドヴェイロン岩田騎手9
牡357(栗東)石坂正25
4
○外ミスターメロディ福永騎手7
牡357(栗東)藤原英14.7
5
プリモシーン戸崎圭騎手5
牝355(美浦)木村10.8
6
パクスアメリカーナ川田騎手4
牡357(栗東)中内田9.6
7
ダノンスマッシュ北村友騎手13
牡357(栗東)安田隆75
8
カツジ松山騎手8
牡357(栗東)池添兼15.6
9
○外デルタバローズ石橋脩騎手16
牡357(美浦)堀113.2
10
カシアス浜中騎手17
牡357(栗東)清水久137.1
11
○外リョーノテソーロ吉田隼騎手15
牡357(美浦)武井112.1
12
タワーオブロンドンルメール騎手1
牡357(美浦)藤沢和2.6
13
フロンティア内田博騎手12
牡357(栗東)中内田66.8
14
テトラドラクマ田辺騎手3
牝355(美浦)小西7.5
15
ファストアプローチ蛯名騎手14
牡357(美浦)藤沢和90.5
16
ルーカスボウマン騎手10
牡357(美浦)堀42.3
17
アンコールプリュ藤岡康騎手18
牝355(栗東)友道141.4
18
ロックディスタウン池添騎手11
牝355(美浦)藤沢和66.1

払い戻し

単勝111,280円6人気
複勝11
09
17
370円
230円
520円
6人気
2人気
9人気
枠連05 - 061,890円9人気
馬連09 - 113,140円10人気
ワイド09 - 11
11 - 17
09 - 17
1,230円
3,360円
2,180円
13人気
36人気
21人気
馬単11 → 097,470円26人気
三連複09 - 11 - 1721,840円58人気
三連単11 → 09 → 17129,560円368人気

レース分析

レースのラップを見ていこう。前半が46秒3、後半が46秒5というほぼイーヴンな流れとなっていた。

早めに抜け出しを図ったギベオン、ミスターメロディが勝ち負けに加わる中、ケイアイノーテック、レッドヴェイロンという差し勢もゴール前で急追と展開の有利不利は少ない実力勝負だったと言えるだろう。。では、各馬の勝因・敗因について見ていこう。

出走馬勝因、敗因、次走への展望

1着 ケイアイノーテック

ゆっくりとしたスタートで後方に置かれ道中はブービーの位置を追走。

そこから鞍上も「踏み遅れたくなかった」と語る通り仕掛けられながら大外の回って直線へ。鋭い決め手を見せ見事にゴール寸前で全馬を呑みこんだ。ここまで溜めたレースは初めてだったが大一番で戦法も鮮やかに噛み合い大きなタイトルを手に入れた。

2着 ギベオン

5番手あたりを追走。直線は残り400、前開いたところで一気に先頭を奪った。なんとかしのぎたかったがやや内にササった場面もあり若干スムースさを欠いた。

能力でカバーしたがマイルはやや短い印象も残った。出てくるならダービーでも面白い。

3着 レッドヴェイロン

スタートはもっさりとしており中団やや後ろ目の位置取りに。直線は外から伸びたがこの馬もやや内に食い込むシーンがあったのは残念。しかし初勝利までに手間取ったとは思えないここ2走の内容は実に濃く先々が楽しみ。

4着 ミスターメロディ

きれいなスタートから先団に構えた。手ごたえ良く直線も正攻法の競馬で食い下がったがわずかに足りず。マイルはギリギリだろう。1400以下、ダートも含めは今後大活躍の可能性は非常に高い。

5着 プリモシーン

出遅れて後方から。内を進んだが直線は外に切り替える形に。その判断も遅く非常にロスの多い競馬となってしまった。まともなら勝ち負けに加わっていただろう。次走以降注目。

12着 タワーオブロンドン

スタートで躓き接触。直線も進路を失うシーンがあったが、それ以上にスタートで流れに乗れなかったのが大きい。不完全燃焼。

14着 テトラドラクマ

一目散にハナへ。平均ペースで逃げ残り200までは踏ん張ったがそこで力尽きた。結果的にはキレるディープ産駒の餌食になる形となってしまっており、肉を切らせて骨を断つの気概で飛ばしたほうがチャンスはあっただろう。

まとめ

思えばケイアイノーテックは暮の朝日杯でタワーーオブロンドンとハナ差の好走を見せている。

その後は道悪をパクスアメリカーナに上手く立ち回られたこぶし賞、圧巻の走りを見せた自己条件、中山マイル外枠から勝ちに等しい走りを見せたニュージーランドトロフィーを経てここに挑んでいる。

完全に力負けと言い切れるレースは見当たらず、本来であれば朝日杯で見せたタワーオブロンドンとの接戦をもっと高く評価されて人気の一角となって然るべき存在だったとも言える。しかしそう高く評価されることはなく、それも一つの要因となりこの色気の薄い大外一気が成功した側面もあるので競馬は面白いが難しい。

強引さはあれども大レースで騎乗馬を上位に食い込ませるミルコデムーロと岩田康誠両騎手。そして一番外を真一文字に飛んできた絶好調男藤岡祐介、それはそれは胸のすく逆転劇だった。

文=櫻井秀幸

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