2020年2月2日、東京競馬場で根岸ステークス(GⅢ/ダート1400m)が行われる。今回は過去のデータやレース傾向を振り返り、当レースの危険な人気馬を予想していく。
馬券を買う上で特に重要なのは「どの馬を買うか」ではなく「どの馬が消しか」を見極めることだ。
人気馬を「買わない」と判断できれば、余った資金を軸馬の買い足しや穴馬の追加購入に回すことができる。そして人気馬が馬券圏外になれば配当が跳ね上がる。
「人気だから押さえようかな」と毎回人気馬を買ってしまうと回収率は落ちていく。だからこそ「買わない人気馬」を見つけることがカギになってくるのだ。
果たして、人気が想定されるコパノキッキング、ミッキーワイルド、モズアスコット、ワイドファラオ、ワンダーリーデルらの中で危険なのはどの馬なのか。しっかり考察していこう。
過去10年のデータを参考にしていく。
目次
根岸ステークスの人気馬成績
過去10年のデータを見ると、1番人気は3勝、2着3回で3着はなし。1倍台の支持はこの10年はなく、2倍台の成績は強調できる数字ではない。ただし、3倍台は複勝率100%で3勝を挙げる。
単勝万馬券の馬も突っ込んでくるなど、どの馬にもチャンスがある根岸ステークス。伏兵馬の台頭も目立ち、取捨選択が非常に重要だ。
ではここからは注目のデータをピックアップして紹介していこう。
予想参考データ① 意外なまでに追い込み天国
脚質・後方(5- 1- 4-37)
勝率 10.6% │ 複勝率 21.3%
ダートは前目で決まりやすい、そんなイメージを持ちがちだが、根岸ステークスはむしろ逆。逃げはこの10年全く残らず、先行馬も苦戦傾向にある。
過去はブロードアピール、近年はカフジテイクなど強烈な追い込みを見ることができる。上がり3ハロン1位のタイムを出した馬は6勝、2位のタイムなら3勝、それぞれ複勝率は80%前後。
逃げそうなのは休み明けのドリームキラリやヨシオぐらいだが、他はコパノキッキング程度。データのような決着を見せるか、枠順がモノを言うだろう。
予想参考データ② 距離短縮、延長それぞれの取捨選択
距離短縮か延長か、ダート1400メートルの重賞ではこのテーマにいつも悩まされがちだが、明らかに数字上では短縮に分があり、延長は非常に厳しい。
延長組はやはりカペラステークス組。むしろこれ以外の延長組は過去10年1頭も来ていない。カペラステークス組も大した数字を残していないが、1着もしくはコンマ1秒負けまでならどうにかなる。
短縮組は、武蔵野ステークスとチャンピオンカップの2つが挙げられる。武蔵野ステークスはコンマ3秒負け以内、チャンピオンカップは1秒負け、できればコンマ5秒負け前後。距離変わらずの組はほとんどがオープン特別、ここで勝ち負けできていることが大事だ。
予想参考データ③ 初ダートで通用する?
過去10年3着以内に入った馬すべてがダートを走っている。つまり、前走芝を使った馬で勝ち負けになった馬は1頭もいないということだ。
フェブラリーステークス等を含め、初ダートでいきなり結果を残す馬は相当限られており、未勝利や1勝クラスのそれとは話が違う。
安田記念勝利を経験したモズアスコットが初ダートでの参戦だが、データ的には強調しにくく、難しいが果たして。
2020年の危険な人気馬は?
モズアスコットは人気になる見込みだが、いくらなんでも初ダートではしんどい。しかも58キロを背負わされ、芝でもどうかという斤量で奇跡を起こせるとは少し思えない。根岸ステークスの好走条件に合致せず、危険な人気馬の一頭になりそうだ。
また、ワイドファラオは2つ目の消しデータに合致している。チャンピオンカップが1秒8負けの惨敗、距離が長いにしてもあまりにも負けすぎ。58キロをいきなり背負わされ、浦和でしか経験していない1400という距離も微妙だ。
反対にミッキーワイルドは危険なデータに一つも当てはまらない。休み明けだが鉄砲はきく、東京に良績があり、1400メートルの安定感は立派である。デムーロ騎手が美浦に拠点を移し、調子も上がり、この馬でも1回勝っている。コパノキッキングを倒すならこの馬か。人気馬の中で最も不安要素が少ないのが、ミッキーワイルドと言えそうだ。