2021年2月28日、中山競馬場で中山記念(GⅡ/芝1800m)が行われる。今回は過去のデータやレース傾向を振り返り、当レースの危険な人気馬を予想していく。
馬券を買う上で特に重要なのは「どの馬を買うか」ではなく「どの馬が消しか」を見極めることだ。
人気馬を「買わない」と判断できれば、余った資金を軸馬の買い足しや穴馬の追加購入に回すことができる。そして人気馬が馬券圏外になれば配当が跳ね上がる。
「人気だから押さえようかな」と毎回人気馬を買ってしまうと回収率は落ちていく。だからこそ「買わない人気馬」を見つけることがカギになってくるのだ。
果たして、人気が想定されるヒシイグアス、バビット、グラージュゲリエ、トーセンスーリヤ、ウインイクシードらの中で危険なのはどの馬なのか。しっかり考察していこう。
過去10年のデータを参考にする。
目次
中山記念の人気馬成績
過去10年のデータを見ると、1番人気は3勝、2着も3着もなし。1番人気はいずれも2倍台までで勝っている一方、その2倍台も着外が多く、いかんせん信用できない。
だからといって、人気薄天国でもない。勝ち馬はすべて単勝1ケタオッズの馬で、単勝50倍以上の馬は3着にも絡まない。中穴狙いの人にはピッタリだ。
ではここからは注目のデータをピックアップして紹介していこう。
予想参考データ① 前走GⅠ組の取捨選択
前走GⅠ組(6- 5- 3-24)
勝率 15.8% │ 複勝率 36.8%
ドバイを見据えてここを使う馬が多く、GⅡのレーティングを見る限り、次にGⅠに近いのはこのレースといってもいいくらい。そうなってくると格がモノを言わすようになる。
前走GⅠだったのは有馬記念を走ったバビットのみ。前走有馬記念の馬を見ていくと、2013年の1着ナカヤマナイト、ダイワファルコンはいずれも有馬記念で1秒以上の大敗。
GⅠ組で1秒以上の大敗を喫した馬の巻き返しは結構ある。これならば逃げを打ち大敗を喫したバビットでも十分チャンスはありそうだが。
予想参考データ② 中山金杯組の取捨選択
今年はかなりメンバーが手薄な中山記念だが、レース別の着別度数で最もいいのが中山金杯。しかし勝ちか負けか、非常にはっきりとした数値が残されている。
傾向もとてもわかりやすく、まず連対以内であること、そして前走の人気も3番人気以内であること。この2つが欲しい。
ヒシイグアスは中山金杯1番人気1着での勝利。斤量2キロ増がどのような影響を与えるかだが、データ的には抗えないものとなっている。
予想参考データ③ 人気馬たちの前走レベル
ヒシイグアスやウインイクシードの前走は中山金杯だったが、ここ数年の中山金杯の中ではやや遅い。これはペースの影響が大きく、今年は例年より遅かった。前が残りやすい中で末脚を発揮して中団やや前目で勝ったヒシイグアスの評価は高い。ある程度前目で楽にいけたウインイクシードはそれなりの評価か。
バビットの前走は有馬記念だったが、ペースは遅く、本来前目の馬に勝機があった。しかし、クロノジェネシスが早めに動き、フィエールマン以外の馬たちは地力を出せなかった。バビットが早々に沈んだのも致し方なしか。
クラージュゲリエの前走は日経新春杯だったが、タイム的にはまずまず。今までのキャリアで着差的に惨敗と呼べるレースは1つもなく、相手なりの面が見える。皐月賞でもダービーでも一定の力を見せたあたり、手薄なここなら勝ち負けでもおかしくはない。
トーセンスーリヤの前走は昨年の札幌記念だったが、勝ちタイムは非常に優秀。しかし、地力の差は相当見られた。元々大井デビューということもあってか、力のいる馬場、主に洋芝で存在感を見せ、冬場の中山もそれなりに走る。中山1800が一番ベストな条件と言える。
ケイデンスコールの前走は京都金杯だったが、勝ちタイムはこの時期にしては十分。ただこのレースは岩田康誠騎手のファインプレーの部分が強い。ずっと左回りを使ってきた馬が急な右回り、距離延長でどこまでやれるか。
2021年の危険な人気馬は?
バビットは人気になる見込みだが、中山は確かに合うだろうが、セントライト記念のタイムが元々平凡。その後の菊花賞や有馬記念では持ち味が出せていない。メンバーが手薄なので勝負になるかもしれないが、積極的に狙う気にはなれない。中山記念の好走条件に合致せず、危険な人気馬の一頭になりそうだ。
また、ウインイクシードは2つ目の消しデータに合致している。前走は展開が明らかに向いていた。バビットがいる中で同じ競馬ができるかどうか。少し足りないかもしれない。
反対にクラージュゲリエは危険なデータに一つも当てはまらない。相手なりの馬なので勝ち切るのは大変だが、まだまだ底を見せていない。今回ルメール騎手に乗り替わり。2勝はいずれも外国人騎手、この騎乗変更はプラスと見た。人気馬の中で最も不安要素が少ないのは、クラージュゲリエと言えそうだ。