ラッキーライラックの勝因とロックディスタウンの敗因は?阪神ジュベナイルフィリーズ2017回顧

2017年12月10日、阪神競馬場で阪神ジュベナイルフィリーズ(GI/芝1600m)が行われ、リリーノーブルとの叩き合いを制したラッキーライラック(牝2/オルフェーブル産駒)が見事勝利した。

2着は3番人気のリリーノーブル、3着はマウレアとなった。1番人気に推されたロックディスタウンは直線で伸びを欠き、9着で入線した。

勝者、敗者をわけた“分岐点”はどこにあったのだろうか? 振り返っていくことにしよう。


目次

結果・着順

2017年12月10日(日) 5回阪神4日 天候 : 晴  馬場状態 : 良
【11R】 第69回阪神ジュベナイルフィリーズ
2歳・オープン・G1(馬齢) (牝)(国際)(指定) 芝・外 1600m 18頭立

馬名性齢
ラッキーライラック牝22
リリーノーブル牝23
マウレア牝24
トーセンブレス牝27
モルトアレグロ牝210
ラテュロス牝29
グリエルマ牝213
ソシアルクラブ牝25
ロックディスタウン牝21
10マドモアゼル牝211
11ノーブルアース牝215
12トーセンアンバー牝214
13コーディエライト牝26
14サヤカチャン牝28
15レグルドール牝218
16ハイヒール牝217
17ラスエモーショネス牝216
18ナディア牝212

LAP 12.4-11.3-11.6-12.4-12.2-11.9-11.0-11.5
通過 35.3-47.7-59.9-71.8  上り 70.6-59.0-46.6-34.4  平均 1F:11.79 / 3F:35.36

払い戻し

単勝  11 \410
複勝  11 \140 / 7 \180 / 4 \240
枠連  4-6 \720 (2)
馬連  07-11 \920 (2)
ワイド 07-11 \390 (2)/ 04-11 \560 (4)/ 04-07 \800 (8)
馬単  11-07 \1820 (4)
3連複 04-07-11 \2160 (3/816)
3連単 11-07-04 \8560 (11/4896)

レース分析

レースラップは以下の通りである。

12.4-11.3-11.6-12.4-12.2-11.9-11.0-11.5(35.3-34.4)

少々バラついたスタートで少女の頂点を決める一戦が始まった。好スタートを決めたラテュロスが逃げていったが、ラスエモーショネスがハナを主張したため譲る形となった。外からはコーディエライトが先頭に並びかけた。ロックディスタウンは好位の外めにつけて3角へと向かった。その後ろにリリーノーブルが位置を取り、中団外にラッキーライラック、内にマウレアで集団が形成された。

前半600mは35.3秒とまずまずのペースで、前に掛かり気味で上がって行った馬が多かった割にと行ったところ。。3角、4角に当たる4-5Fでペースが緩み、4角出口から下り坂でペースが上がった。下り坂の入り口は11.9とそこまで加速していないが、ラスト2F目は11.0と一気にペースが上がっていたのが分かる。

上位に食い込んだ3頭は、良い位置でしっかりと折り合って脚を溜めていた。今回掛かり気味で凡走した馬は、次走以降また注目した方が良いかもしれない。

中団外めで脚を溜めたラッキーライラックは直線で追い出されると、先に抜け出して先頭に立ったリリーノーブルを交わして1着、勝ち馬の後ろから進出したマウレアが3着で入線した。ロックディスタウンは掛かり気味だった。

出走馬勝因、敗因、次走への展望

1着 ラッキーライラック

まずまずのスタートから中団外にポジションを取った。石橋脩騎手もコメントしている通り、これまでのレースに比べると少し後ろだったものの、しっかり折り合いをつけてレース運びができていた。

直線に向くところで少しずつ促されると、力強く伸びてリリーノーブルを捕らえた。新潟、東京と遠征を経験しており、阪神でも落ち着いてレースができた。しっかり折り合いがついて、安定して持ち味を発揮できたことが勝因。

石橋騎手はGI2勝目、2012年の天皇賞(春)以来の勝利となった。このレースはオルフェーブルが唯一大敗したレースである。オルフェーブルを負かした騎手が、今度は産駒初GI優勝に導くという奇妙な巡り合わせとなった。

2着 リリーノーブル

6番手あたりの外、ラッキーライラック前で道中レースを進めた。直線で外に出して追い出されるとラスエモーショネスを捕らえて先頭に立った。

後ろから進出したラッキーライラックと叩き合うも交わされて2着入線。折り合いをつけて絶好の位置で脚を溜めることができたが、勝ち馬とは完成度が違ったか。中一週とは思えないパフォーマンスで今後の成長が期待できる。

3着 マウレア

道中ラッキーライラックの内でじっくり脚を溜めていた。ロスのない秀逸なレースセンスを見せ、直線でもスムーズに進出することができた。

追い出されると前の2頭を懸命に追ったものの、惜しくも並ぶまでには至らず、3着での入線。まだまだ追い出してから集中しきれておらず、成長が楽しみな1頭である。

4着 トーセンブレス

後方からの競馬でレースを運んだ。4角を周って直線追い出されると良い脚で後方から一気に追い込んできた。上がり最速だったが、ラッキーライラックも同じくあの位置から最速の脚を使っており、馬券までは届かなかった。

もう少し速いペースでレースが進めばトーセンブレスの後方一気が光るレースになったかもしれない。展開の助けは多少必要なものの、良い脚を持っており、これからも注目したい1頭。

9着 ロックディスタウン

パドックと返し馬でのテンションが高いことが目立ち、煩かった。まずまずのスタートから掛かり気味に好位までポジションを上げて行った。直線で追い出されて一瞬はラスエモーショネスを捕らえて先頭に立ったように見えたものの、そこからは伸びを欠き、後ろから伸びてきた馬に次々と交わされた。

先行策は枠を考えてのルメール騎手の作戦だったのではないか。休み明けでテンションが非常に高かったことが全てであり、レース前の消耗が著しかったと考えられる。次走以降落ち着いてレースに臨める

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