プリモシーンの勝因とテトラドラクマの敗因は?フェアリーS2018の回顧

女王への階段を駆け上がるか――。

1月7日、中山競馬場で行われたフェアリーS(G3/芝 1600m)は、直線で早めに先頭に立った2番人気プリモシーンの勝利で幕を閉じた。2着には後方から押し上げてきたスカーレットカラー、クビ差の3着にはさらに後ろから追い込んできたレッドベルローズが入った。

1番人気のテトラドラクマは枠に泣いたか、人気に応えることができず6着、3番人気トロワゼトワルは5着に終わった。

荒れる重賞、3歳牝馬の女王を目指す一戦は、1番人気が掲示板にも入らない結果となった。プリモシーンの勝因、テトラドラマの敗因はどこにあったのか。


目次

結果・着順

2018年 1月 7日(日) 1回中山2日 天候 : 晴  馬場状態 : 良
【11R】 第34回フェアリーS
3歳・オープン・G3(別定) (牝)(国際)(特指) 芝 1600m 16頭立

馬名性齢
プリモシーン牝32
スカーレットカラー牝36
レッドベルローズ牝37
ハトホル牝314
トロワゼトワル牝33
テトラドラクマ牝31
ライレローズ牝34
グランドピルエット牝38
ジョブックコメン牝310
10レネット牝312
11デュッセルドルフ牝39
12サヤカチャン牝35
13ジーナスイート牝311
14シスル牝315
15アントルシャ牝313
16フィルハーモニー牝316

LAP 12.5-11.5-11.9-12.1-11.6-11.6-11.6-11.8
通過 35.9-48.0-59.6-71.2  上り 70.6-58.7-46.6-35.0  平均 1F:11.82 / 3F:35.47

払い戻し

単勝  14 \460
複勝  14 \190 / 10 \310 / 13 \410
枠連  5-7 \1750 (10)
馬連  10-14 \3230 (14)
ワイド 10-14 \1170 (14)/ 13-14 \1100 (13)/ 10-13 \2420 (31)
馬単  14-10 \5150 (20)
3連複 10-13-14 \10370 (34/560)
3連単 14-10-13 \46640 (157/3360)

出走馬勝因、敗因、次走への展望

レースラップは以下の通りである。

12.5-11.5-11.9-12.1-11.6-11.6-11.6-11.8(35.9-35.0)

1着 プリモシーン

まずまずのスタートでゲートから出て、サヤカチャンに続く形で中団に位置を取った。前に折り合いを欠いている馬が見られる中、いいポジションでリズムよくレースを運ぶことができた。

外で蓋をしていたフィルハーモニーが捲って行ったことで、プリモシーンにスペースができた。この強引な捲りのおかげで前が早めに流れ、その恩恵を受けたのが今回の勝ち馬だった。

外を通したことでテトラドラクマの進出を妨げることができたのも戸崎騎手のいい判断だっただろう。

フェアリーSは展開が向いた形で、桜花賞を狙うのであればさらなる成長が必要なことは間違いない。春までにレベルアップ望めないと桜の女王は難しい。

2着 スカーレットカラー

隣の11番シスルが絶好のスタートを切ったのに対し、やや出負けする形でゲートを出た。後方4番手で2角に入り、3角で外からじわじわ位置を上げて行った。

直線ではプリモシーンと併せるような競馬で先頭を狙うも、後方から大外を回った分か、勝ち馬と比べて伸びを欠いた。レッドベルローズの追撃をクビ差退け2着に入った。

もう少しロスなく道中運ぶことができれば面白い馬である。マイナス8kgだったことも考えれば、一度放牧に出して春の成長に期待したい。

3着 レッドベルローズ

スタート後ダッシュが付かず後方からの競馬を余儀なくされた。道中ではプリモシーンの後ろに付けて進んだ。早い段階でジョッキーから追い出されたが、反応がいまいち、最後は良い脚を使って伸びてきた。

ダッシュが付かず後方からの競馬となってしまったことが痛かった。賞金加算とはならず、クラシック戦に向けて余裕のあるローテーションを組むことはできなくなったが、実力があるのは証明できた。

馬の気性にも難しさが感じられ、その点を修正できればまだまだ復活は可能ではないか。

4着 ハトホル

やや出負けしたスタートから控えて後方からの競馬となった。内枠を生かしてロスなく道中運んで行った。直線では最内から大外まで出して追った。

最後は良い脚で伸びてきての4着。後ろが有利な展開だったため、この結果が実力を完全に反映しているとは考えにくい。やや強引に外に持ち出したため、もう少しスムースに出していければもっと際どい結果になったかもしれない。

5着 トロワゼトワル

トロワゼトワルは大きな出遅れが目立ち、最高峰からの競馬となった。600mを切ったあたりでじわじわと進出を始め、直線は大外から追い上げて行った。

上がり最速だったものの、前半の位置が後ろすぎたこともあり、勝ち馬には話されてしまった。この馬は出遅れの影響が大きかった。さらに後ろから追い込んだハトホルよりも着順を落としてしまった。まだ見限るのは早いが、勝ち切るのに苦しむタイプか。

6着 テトラドラクマ

1番人気を背負ってのレースだったが、終わってみれば6着と、人気裏切る形となった。外枠だったこともあるが、スムースさを欠くような場面が随所に見られた。

外から最低限前目を取って道中進んだが、フィルハーモニーの捲りやその後のプリモシーンの進出によって外に蓋をされた。それによって直線でスムースに加速することができなかったことも敗因の1つか。

スローの持久力戦は向かないか。この馬もクラシックへゆとりのあるローテーションは取れなくなったが、まだまだチャンスはある。再チャレンジに期待したい。

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