2017年12月3日、中京競馬場でチャンピオンズカップ(GI/ダート1800m)が行われ、豪快に差し切ったゴールドドリーム(牡4)が見事勝利した。
2着は1番人気のテイエムジンソク、3着は逃げたコパノリッキーとなった。
勝者、敗者をわけた“分岐点”はどこにあったのだろうか? 振り返っていくことにしよう。
目次
結果・着順
2017年12月 3日(日) 4回中京2日 天候 : 晴 馬場状態 : 良
【11R】 第18回チャンピオンズカップ
3歳以上・オープン・G1(定量) (国際)(指定) ダート 1800m 16頭立
着 | 馬 | 馬名S | 性齢 | 人 |
---|---|---|---|---|
1 | 9 | ゴールドドリーム | 牡4 | 8 |
2 | 13 | テイエムジンソク | 牡5 | 1 |
3 | 1 | コパノリッキー | 牡7 | 9 |
4 | 2 | ケイティブレイブ | 牡4 | 3 |
5 | 11 | アウォーディー | 牡7 | 4 |
6 | 3 | ミツバ | 牡5 | 12 |
7 | 12 | カフジテイク | 牡5 | 5 |
8 | 10 | キングズガード | 牡6 | 11 |
9 | 4 | ノンコノユメ | セ5 | 6 |
10 | 8 | グレンツェント | 牡4 | 10 |
11 | 14 | サウンドトゥルー | セ7 | 2 |
12 | 16 | ローズプリンスダム | 牡3 | 14 |
13 | 6 | モルトベーネ | 牡5 | 13 |
14 | 5 | メイショウスミトモ | 牡6 | 15 |
15 | 7 | ロンドンタウン | 牡4 | 7 |
返 | 15 | アポロケンタッキー | 牡5 |
LAP 12.8-10.9-12.5-12.7-12.7-12.3-12.0-11.8-12.4
通過 36.2-48.9-61.6-73.9 上り 73.9-61.2-48.5-36.2 平均 1F:12.23 / 3F:36.70
払い戻し
単勝 9 \1300
複勝 9 \500 / 13 \230 / 1 \560
枠連 5-7 \1570 (7)
馬連 09-13 \4140 (18)
ワイド 09-13 \1830 (23)/ 01-09 \4060 (51)/ 01-13 \2380 (34)
馬単 09-13 \9400 (43)
3連複 01-09-13 \27350 (111/455)
3連単 09-13-01 \158490 (616/2730)
レース分析
レースラップは以下の通りである。
12.8-10.9-12.5-12.7-12.7-12.3-12.0-11.8-12.4(36.2-36.2)
全馬ほぼ揃ったスタートでダート界の頂上を決める一戦が始まった。宣言通り内枠から逃げるコパノリッキーの後ろにテイエムジンソク、ケイティブレイブ、ロンドンタウンが続く形で先頭集団が形成された。
中団にはアヴォーディーやグレンツェントが引っ張り、ゴールドドリームは中団後ろの内目位置を取っていた。カフジテイク、サウンドトゥルーらは後方からの競馬となった。
テイエムジンソクが掛かり気味に逃げるコパノリッキーに突っかけたことで序盤少しペースが上がった。その後、折り合いをつけて控えたテイエムジンソク、中団もペースを合わせ、前にちょっかいを出すことはなかった。それによってコパノリッキーは脚を溜めながら楽に逃げることができた。
全体ラップは36.2-37.7-36.2(1.50.1)と、中盤にペースが緩んでいることがよく分かる。このような展開では先行有利、追い込み馬には厳しい条件となるのは明確だ。
1000m通過から12.3-12.0-11.8-12.4と徐々にペースが上がってきている。このラップ推移で後ろから完璧に差し切ったゴールドドリームの強さに驚愕した。4角のコーナリングで後退したカフジテイクのスペースを利用してロスなく加速することができたことも大きなポイントである。
完全な前残り展開でコパノリッキーとテイエムジンソクに後続は離される形となり、後ろから差し届いたのは勝ち馬だけだった。道中の捌きから4角、直線での進路ともにムーア騎手の手腕を感じる一戦でもあった。
出走馬勝因、敗因、次走への展望
1着 ゴールドドリーム
スタートを出て無理することなく中団内目に位置を取り、レース序盤をロスなく進めることができた。3角の入り付近から徐々に位置を上げていき、4角でカフジテイクが交代したスペースを通ってロスなく加速して外に出すことができた。
ペースは完全な前残り展開だったが、それを差し切ったゴールドドリームは、ここでは地力が上だったと感じざるを得ない内容だった。上記した通りムーア騎手の騎乗も見事だった。
フェブラリーステークス(GI/ダート 1600m)を制してから負けが続いていたが、再び第一線で戦えることを証明することができた。非常に強い競馬を魅せたゴールドドリームはこれでもまだ4歳、これからが非常に楽しみである。
2着 テイエムジンソク
スタートで少し掛かり気味に逃げるコパノリッキーに突っかけていった。折り合いをつけて2番手に控えた。中団が前に突っかけることなく落ち着いたため、前有利な展開となり、同馬も楽に直線を向いた。
ゴール前でコパノリッキーを交わしたものの後ろから一気に突き抜けたゴールドドリームに差されて2着入線となった。新旧対決となったチャンピオンズCだったが、負けはしたものの新興勢力として十分力を示すことができた。
有利な展開で好走することはできたが、差し展開になった時に粘って残ることができるか、今後注目すべきかも知れない。
3着 コパノリッキー
SNSで馬主Dr. Copaが宣言した通り、スムーズなスタートからハナを取って逃げた。テイエムジンソクが後ろから前を伺ったことで序盤にペースが上がった。 その後テイエムジンソクが折り合いをつけて控える選択を取り、コパノリッキーは道中脚を溜めながら楽に逃げることができた。
1000m通過付近から徐々にペースが上がり、直線では後続を離してテイエムジンソクとの叩き合いを演じた。最後は力尽きて3着も7歳ながら健闘した。まだまだ若い者には負けないぞと言わんばかりの競馬だった。
4着 ケイティブレイブ
スムーズにゲートから出てテイエムジンソクに続く3番手で内をロスなく進んだ。
直線でインから外に出して前の2頭を懸命に追うも差は縮まらず、4着での入線となった。
5着 アヴォーディー
中団外にポジションを取って道中進んだ。3角でジワジワと位置を上げていき、直線は外から前を捉えようと必死に追った。
アヴォーディーは道中外を進んだためか、内で脚を溜めてから直線で同じような進路を取った勝ち馬とは直線のキレが劣った。もう少しペースが流れる一戦で狙うべき一頭である。