エテルナミノルの勝因、マキシマムドパリの敗因とは?愛知杯2018の回顧

8度目の挑戦で遂にその扉を開いた。

1月13日に中京競馬場で行われた愛知杯(牝馬限定/G3/芝2000)ではエテルナミノルが優勝を収めた。レースを分析していきながらエテルナミノルがレースを制したポイントやマキシマムドパリなど他馬の敗因を探っていこう。


目次

結果・着順

2018年 1月13日(土) 1回中京1日 天候 : 晴  馬場状態 : 良
【11R】 第55回愛知杯
4歳以上・オープン・G3(ハンデ) (牝)(国際) 芝 2000m 18頭立

馬名性齢
エテルナミノル牝56
レイホーロマンス牝511
マキシマムドパリ牝61
リカビトス牝43
メイズオブオナー牝45
シャルール牝616
ワンブレスアウェイ牝58
ハッピーユニバンス牝615
アンドリエッテ牝612
10キンショーユキヒメ牝54
11ギモーヴ牝57
12ゲッカコウ牝510
13クィーンチャーム牝617
14ブラックオニキス牝414
15ロッカフラベイビー牝618
16クインズミラーグロ牝69
17タニノアーバンシー牝52
コパノマリーン牝513

LAP 12.2-11.3-12.1-12.3-12.4-12.6-12.1-11.8-11.3-12.0
通過 35.6-47.9-60.3-72.9  上り 72.2-59.8-47.2-35.1  平均 1F:12.01 / 3F:36.03

払い戻し

単勝  10 \1160
複勝  10 \380 / 8 \610 / 7 \180
枠連  4-5 \1000 (2)
馬連  08-10 \13120 (53)
ワイド 08-10 \4130 (56)/ 07-10 \1100 (7)/ 07-08 \1820 (20)
馬単  10-08 \22260 (89)
3連複 07-08-10 \16650 (49/816)
3連単 10-08-07 \121160 (393/4896)

レース分析

レースのラップを見ると前半に比べて後半がコンマ5秒速い。大きな差ではなくほぼ平均ペースだったと言えるだろう。展開の有利不利は大きくなかっただろうが、この日の馬場状態は良の発表にしては力がいる様相でパワーを問われた部分はありそうだ。この条件は各馬にどのような影響を与えたのだろうか?順を追って見ていこう。

出走馬勝因、敗因、次走への展望

1着 エテルナミノル

道中は中団の前目に位置した。その位置で折り合い良く脚を溜めると直線手前から徐々に進出し、先行したワンブレスアウェイを目標に直線早めに勝負をかけた。その結果早めに抜け出す形となり、最後は詰められたがなんとかしのぎ切って先頭でゴールイン。8回目の挑戦でようやく重賞のタイトルを手に入れた。パワーの生きる馬場でエンパイアメーカーの血も生きた部分もあるだろうが、それ以上に強い相手に挑戦し続けた経験がここで実を結んだ。

2着 レイホーロマンス

格上挑戦だったが見事に連対。後方からの競馬だったが、直線でうまくマキシマムドパリの内に併せ込めたことが大きかった。ここからハンデ差を生かしてぐいぐいと伸びた。ハービンジャー向きの馬場も良かったのだろう。上手く運べた感はあるが末脚には見どころがあり引き続き期待できる。

3着 マキシマムドパリ

トップハンデ56が厳しかった印象だ。去年と同じようなレースぶりで差し切りを狙ったが去年は53キロで再現はならず。中団より前目からじわじわ伸びるような戦法のほうが良さが生きるタイプでもう一列前で進めていればどうだったか。1コーナーで微妙に不利を受けたのも不運だった。

4着 リカビトス

後方を進み直線は中からインで差し込む形。途中までは捌きが上手くいき前を伺う脚色だったが、内に進路を移したあたりから脚色が衰えた。決め手は秀逸なので思い切った競馬をしてほしかったがやや消化不良。溜めに溜める形でもう一度見てみたい。

5着 メイズオブオナー

好発を決め道中は中団のインを追走。しかし直線を向くまでに徐々に位置取りを悪くし、最後は進路を探しながらの追い出しでかなりロスが多かった。ハーツクライ産駒はこんなストレスのかかるレース運びではまず弾けない。ラストの脚を見る限りもっとやれて良かったレースだ。

10着 キンショーユキヒメ

出負け気味だったが中団には位置できた。しかし最初のスタンド前だけで2度も前が塞がるような場面があり終始走りにくそうだった印象。鞍上と手が合わない可能性が高い。馬体増以上にチグハグなレースぶりが目に付いた。

17着 タニノアーバンシー

過剰に人気だったきらいはあるがそれにしても負けすぎ。スタートが悪かった割には位置が取れたが仕掛けられて全く反応できず。軽ハンデでの惨敗に言い訳できる部分は少なく自己条件からやり直しが賢明だろう。

まとめ

外差しが台頭する展開をものともせず、強気の競馬で力強く押し切ったエテルナミノルの走りは高く評価されべきだ。微妙なマイル適性から目標をどこに定めるか迷うところはあるだろうが、今後にも期待が高まる。フミノイマージンにレーヌミノルにと本田厩舎は牝馬での活躍が目立つ。テイエムオーシャンの、そしてカワカミプリンセスの背中を知る師がこの馬をどう仕上げていくのか楽しみに見守りたい。

文=櫻井秀幸

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