6月28日に阪神競馬場で行われた宝塚記念(GI/芝内回り2200m)で10番人気の牝馬デニムアンドルビー(牝5)が2着に入った。4角後方3番手から上がり最速34.0秒の脚で追い込み、波乱を演出している。
デニムアンドルビーの血統背景や将来性はどんなものなのだろうか? 徹底分析を行っていこう。
血統評価は?
デニムアンドルビーは父ディープインパクト、母ベネンシアドール、母父キングカメハメハという血統。
ディープインパクト産駒はこれまで宝塚記念に11度出走している。1着はないものの、複勝圏内に入るのは3着のショウナンパンドラを含めて5度目だ。複勝率45.5%、複勝回収率325%と好相性を誇っている。
ディープインパクト産駒ながら母系にヌレイエフのクロスを持ち、力を要する馬場をこなすことができるパワーは十分。ディープインパクトはヌレイエフの血と相性が良く、今年のオークス馬ミッキークイーンをはじめ、ヴィルシーナやミッキーアイル、ショウナンアデラと、複数のGⅠ馬を輩出している。
近親には2代母フェアリードールを祖に、トゥザヴィクトリーやその仔トゥザグローリー、トゥザワールドの一族がいる。3頭とも同じ内回り非根幹で行われるグランプリレース、有馬記念で好走。今回の2着は展開利が大きかったが、舞台適性もあったといえる。
今後もGIの舞台で上位を賑わせることは間違いない。下り坂が苦手な分、京都では力を発揮できないが、東京と阪神には実績があるため、チャンスはあるはず。中山に関しては未知数だが、近親の有馬記念での活躍を見ると、期待を持ちたくなる。
ただし、この一族らしくGⅠで勝ちきれないという面はある。スローペース、馬群が縦長にならないなど展開面の注文もつくが、牡馬一線級相手に走り続けてきた経験、実績は軽視できないため、今後も注意したほうがよさそうだ。
【関連記事】
●ゴールドシップが宝塚記念で僕たちに教えてくれた3つのこと
●ラブリーデイが宝塚記念を勝てた5つの理由とは?現代競馬で最も重要な能力は…
●秋華賞馬ショウナンパンドラが宝塚記念で復活した理由って?隠れステゴと池添謙一
●ポルトフォイユの血統や将来性は?武豊騎手で新馬戦勝ちの素質馬に迫る