直線で抜群の末脚を披露し、他馬を圧倒した。
5月13日に東京競馬場で行われた京王杯スプリングカップ(GII/芝1400m)で、2番人気のスウェプトオーヴァーボード産駒レッドファルクス(牡6)が、11番人気のクラレント(牡8)を押さえて勝利した。一方、サトノアラジン(牡6)やキャンベルジュニア(牡5)といった人気馬は馬群に沈んだ。
勝ち馬の勝因、敗れた馬たちの敗因は何だったのか? 振り返っていくことにしよう。
目次
レース映像・動画
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結果・着順
2017年 5月13日(土) 2回東京7日 天候 : 雨 馬場状態 : 重
【11R】 第62回京王杯スプリングカップ
4歳以上・オープン・G2(別定) (国際)(指定) 芝 1400m 13頭立
着 | 馬 | 馬名S | 性齢 | 人 |
---|---|---|---|---|
1 | 10 | レッドファルクス | 牡6 | 2 |
2 | 12 | クラレント | 牡8 | 11 |
3 | 9 | グランシルク | 牡5 | 4 |
4 | 1 | ヒルノデイバロー | 牡6 | 13 |
5 | 8 | トウショウドラフタ | 牡4 | 6 |
6 | 11 | トーキングドラム | 牡7 | 8 |
7 | 13 | ダッシングブレイズ | 牡5 | 5 |
8 | 5 | トーセンデューク | 牡6 | 10 |
9 | 4 | サトノアラジン | 牡6 | 1 |
10 | 2 | ロサギガンティア | 牡6 | 9 |
11 | 3 | キャンベルジュニア | 牡5 | 3 |
12 | 7 | ブラヴィッシモ | 牡5 | 7 |
13 | 6 | ダンツプリウス | 牡4 | 12 |
LAP 12.8-11.3-12.3-12.6-11.6-11.1-11.5
通過 36.4-49.0-60.6-71.7 上り 70.4-59.1-46.8-34.2 平均 1F:11.89 / 3F:35.66
レース分析
まずはレースラップを見てみよう。
12.8-11.3-12.3-12.6-11.6-11.1-11.5
雨が降りしきる中で行われた。通常、降雨中に行われるレース(しかもかなりの雨量がある場合)はミドル〜ハイペースになりがちだ。良馬場時に引っ張られてペースは上がるが、実際には馬場が悪いため、実質的にはハイペース……といった構図になる。
しかし、京王杯に限っては完全なスローペースとなった。12秒台のラップを連発し、最後の直線では横に広がって「ヨーイドン!」の様相となった。
その中で速い上がりを使えた馬、あるいはギリギリ、コーナーでリードを保った馬が粘って上位に来た、というレースだった。
出走馬勝因、敗因、次走への展望
1着 レッドファルクス
GI馬が実力を発揮した格好となった。位置取りは後方だったが、抜群の末脚で他馬を置き去った格好だ。
スプリントGI馬というだけあって、スピード比べになったことが幸いした。また、道中緩いペースで流れてスタミナを問われなかったため、距離を克服できたと考えられる。
2着 クラレント
瞬発力勝負では分が悪かったが、それでも粘りきって2着を確保した。何といっても道悪の鬼ダンシングブレーヴの血が騒いだのだろう。今までも重馬場の東京新聞杯で3着に激走したり、やや重の関屋記念を勝った実績を持っている。
なお、京王杯スプリングカップでは2014年に2着になった実績がある。
・馬場
・舞台設定
この2つが整ったからこそ、実現した激走だったというわけだ。
3着 グランシルク
ステイゴールド×ロベルト系といういかにも道悪巧者な血統が生きた。しかも末脚は確実な馬であるため、瞬発力勝負になったことも幸いした。
結果として瞬発力では補えないほどのポジションにいたため、3着に甘んじたが、ポジション一つで上位に来る可能性はあったと言えるだろう。
4着 ヒルノデイバロー
久々に逃げを打ったことが幸いした。マンハッタンカフェ×セントサイモン系という組み合わせで、こちらも道悪で台頭しそうなタフな血統だが、大穴を開けることに成功した。
5着 トウショウドラフタ
勝ったレッドファルクスと同じくで、どちらかといえば短距離のタフなレースで台頭してくるタイプの馬だ。不良馬場のファルコンステークスを勝っているように、舞台設定は合った。展開も相まって末脚を発揮できたが、こちらも位置取りの差で掲示板止まりに。
6着 トーキングドラム
7着 ダッシングブレイズ
2走前に道悪の落葉ステークスを勝っているように、馬場は問題ではなかった。
敗因はおそらく距離だろう。
直線の入り口の時点で6番手にいたが、スピードアップするタイミングで完全に置かれてしまった。最後は伸びて盛り返したが、上位を差しまでには至らず。
キャリアを振り返ると33秒台の末脚を連発していることから、瞬発力勝負に全く対応できないというわけではない。それでも置いていかれてしまったのは、1400mという距離に対応できなかったからだろう。
距離を伸ばしたところで見直したいところだ。
8着 トーセンデューク
9着 サトノアラジン
好スタートを切りながらズルズルと後ろに下がり、直線ではほとんど最後方となっていた。これではいくら瞬発力を発揮したとしても届かない。
通った位置取りが微妙で終始前が壁になるようなレースだったため、この順位も致し方なしといったところだ。川田将雅騎手の騎乗ぶりに疑問符がつく、といったところ。
それでも上がり2位の脚を使っているのだから、道悪がダメだったというわけでも、距離がダメだったというわけでもない。次のレースで見直し可能だろう。
10着 ロサギガンティア
11着 キャンベルジュニア
直線まで持ったまま、残り400mを越えてようやく追い出されたが、全く切れることなく、下位に沈んでしまった。もっとも、もともと瞬発力勝負は得意ではないため、致し方ないといったところだ。追い出した時点で周囲を囲まれて窮屈になった面もあった。また、距離も微妙だったのだろう。
先行して持ち前のスタミナをいかし、どれだけ粘り込めるか……というスタイルだけに、今回のレースは厳しかった。見直し可。