勝因は馬場にあり?
近年、欧州色が濃すぎる血統の馬は重賞レベルになると、サンデーサイレンスの血を色濃く持つライバルにキレ負けする傾向にある。
そんな中、デンコウアンジュがマイル重賞を勝てた背景には馬場の恩恵があったと考えられる。
この日の東京はやたら欧州型のスタミナ血統を持つ馬が台頭していたのだ。
例えば人気サイドで決着した2Rで唯一見せ場を作った穴馬イルフォーコン(10番人気4着)は父ナカヤマフェスタ、母父エルコンドルパサーという血統だった。父、母父ともに日本馬ながら凱旋門賞で2着になった実績を持っていた。
3Rの2000mでは父メイショウサムソンのプレイヤーサムソンが1着、8Rの1800mでは母父ドクターデヴィアス(英ダービー馬)のグレーターロンドンが1着となり、2、3着にはサドラーズウェルズの血を色濃く持った馬が入った。
そして9Rの国立特別(1400m)では父母父ブライアンズタイム、母父マヤノトップガン、母母父リアルシャダイという、こちらも極めて珍しいロベルトのラインを3本も持つクリノコマチが13番人気1着と、大穴をあけていた。ロベルト系はスタミナや底力が問われる馬場で台頭してくる傾向にある。
要するに欧州のノーザンダンサーの血で固められているデンコウアンジュが台頭できる下地が整っていたというわけだ。
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