混迷を極める短距離戦線に急浮上。
3月3日に中山競馬場で行われたオーシャンステークス(G3/芝1200)はキングハートの優勝に終わった。レースを分析していきながらキングハートがレースを制したポイントやダイメイフジなど他馬の敗因を探っていこう。
目次
結果・着順
着 | 馬名 | 騎手 厩舎 | 人気 オッズ | |
1 | キングハート | 北村宏騎手 | 10 | |
牡5 | 56 | (美浦)星野 | 31.3 | |
2 | ナックビーナス | 横山典騎手 | 3 | |
牝5 | 54 | (美浦)杉浦 | 5.1 | |
3 | ダイメイフジ | Mデムーロ騎手 | 1 | |
牡4 | 56 | (栗東)森田 | 5 | |
4 | ネロ | ミナリク騎手 | 6 | |
牡7 | 56 | (栗東)森 | 9.8 | |
5 | ビップライブリー | 戸崎圭騎手 | 4 | |
牡5 | 56 | (栗東)清水久 | 6.5 | |
6 | レーヌミノル | 和田騎手 | 2 | |
牝4 | 55 | (栗東)本田 | 5.1 | |
7 | ロードクエスト | 三浦騎手 | 11 | |
牡5 | 56 | (美浦)小島 | 31.4 | |
8 | ラインスピリット | 森一騎手 | 9 | |
牡7 | 56 | (栗東)松永昌 | 26.9 | |
9 | フミノムーン | 国分優騎手 | 13 | |
牡6 | 56 | (栗東)西浦 | 42.3 | |
10 | ○外リエノテソーロ | 吉田隼騎手 | 7 | |
牝4 | 54 | (美浦)武井 | 13.8 | |
11 | スノードラゴン | 大野騎手 | 8 | |
牡10 | 57 | (美浦)高木 | 18.9 | |
12 | ジューヌエコール | 北村友騎手 | 12 | |
牝4 | 54 | (栗東)安田隆 | 37.3 | |
13 | ラインミーティア | 西田騎手 | 15 | |
牡8 | 56 | (美浦)水野 | 102.1 | |
14 | □地ブレイズアトレイル | 内田博幸騎手 | 16 | |
牡9 | 56 | (地方)山田信 | 505.4 | |
15 | エポワス | 田辺騎手 | 14 | |
セ10 | 56 | (美浦)藤沢和 | 62.7 | |
16 | アルティマブラッド | 津村騎手 | 5 | |
牝6 | 54 | (栗東)音無 | 9.4 |
払い戻し
単勝 | 7 | 3,130円 | 10人気 |
複勝 | 07 13 10 | 650円 180円 230円 | 11人気 1人気 4人気 |
枠連 | 04 - 07 | 2,240円 | 11人気 |
馬連 | 07 - 13 | 7,530円 | 26人気 |
ワイド | 07 - 13 07 - 10 10 - 13 | 2,340円 2,670円 680円 | 30人気 34人気 3人気 |
馬単 | 07 → 13 | 18,140円 | 72人気 |
三連複 | 07 - 10 - 13 | 13,740円 | 43人気 |
三連単 | 07 → 13 → 10 | 134,890円 | 494人気 |
レース分析
レースのラップを見てみると前半が33秒5、後半が34秒8となっている。前傾ラップではあるがスプリント重賞なのでこのぐらいであれば平均的なペースと言える。現に逃げたネロも寸前まで粘ったように比較的前有利のレースとなった。では各馬の勝因・敗因について見ていこう。
出走馬勝因、敗因、次走への展望
1着 キングハート
昨夏以降あまりらしい走りを見せていなかったがここで一変。先団から勢いよく直線を向き、早めの抜け出しから人気どころの追い込みを退けて見せた。大幅プラスだった前走に続いてプラス体重だったが、重苦しいところはなく本格化を思わせる。重賞戦線で揉まれた経験がここで花開きうれしい重賞初勝利。このコースを得意とする鞍上の手綱さばきも抜群だった。
2着 ナックビーナス
中団から枠なりに外目。最後は際どいところまで勝ち馬に迫ったがわずかに及ばず。重賞とはいえこのメンバー構成ならやはり力が上だった印象。G1では少し足りないタイプではあるが、安定感を武器に本番でも食い込みを狙う。
3着 ダイメイフジ
準オープン勝ちからの参戦にもかかわらず人気を集めた。今年4戦目の押せ押せローテも不安だったが最後は出色の末脚。決め手はここでも通用した。ただ流石にそろそろ疲れが心配ではある。
5着 ビップライブリー
中団前目の良い位置にいたが勝ち馬の後ろにいる間にナックビーナスに被せられ思ったように前を追えず。もとより届いていなかった可能性も高いがやや消化不良な敗戦。
6着 レーヌミノル
2番手から進め手ごたえ良く直線を向いたが結局逃げたネロさえ捕まえられず。激戦続きだった昨秋の疲労があるのか、早熟だったのか。着差はわずかだったとはいえ明るい材料には乏しい敗戦だった。
16着 アルティマブラッド
中団の内から運ぶも直線は後退する一方。得意の中山だったが大惨敗だったと言わざるを得ない。社台の6歳牝馬、引退も近いか。近年はシンボリクリスエス産駒牝馬の仔の躍進が目立つ。次の活躍は母としてになるのだろうか。
まとめ
人気通り混戦となった今年のオーシャンステークス。勝ったキングハートはもちろんこの後高松宮記念に向かうだろう。重賞を1つ勝っただけではまだ大きなタイトルには早いだろうか?
答えはレース本番が終わるまでわからないが、少なくとも12年前重賞未勝利で挑んだ高松宮記念で優勝した馬がいる。キングハートの父でありコミカルな馬名で人気を博したあの馬だ。愛息子の姿を天国からきっとチチハミテイルゼ。
文=櫻井秀幸