ノンコノユメの勝因、カフジテイクの敗因は?根岸ステークス2018の回顧

実力馬が長い眠りから覚めた。

1月28日に東京競馬場で行われた根岸ステークス(G3/ダート1400)はノンコノユメの優勝に終わった。

レースを分析していきながらノンコノユメがレースを制したポイントやサンライズノヴァ、カフジテイクなど他馬の敗因を探っていこう。


目次

結果・着順

2018年 1月28日(日) 1回東京2日 天候 : 晴  馬場状態 : 重
【11R】 第32回根岸S
4歳以上・オープン・G3(別定) (国際)(指定) ダート 1400m 14頭立

馬名S性齢
ノンコノユメセ66
サンライズノヴァ牡41
カフジテイク牡62
マッチレスヒーロー牡711
ブルドッグボス牡65
キングズガード牡73
モンドクラッセ牡710
ブラゾンドゥリス牡69
ラブバレット牡712
10ノボバカラ牡67
11イーデンホール牡613
12アキトクレッセント牡64
13サイタスリーレッド牡58
ベストウォーリア牡8

LAP 12.3-10.6-11.0-11.8-12.1-11.7-12.0
通過 33.9-45.7-57.8-69.5  上り 69.2-58.6-47.6-35.8  平均 1F:11.64 / 3F:34.93

払い戻し

単勝  14 \1050
複勝  14 \270 / 8 \140 / 6 \160
枠連  5-8 \1520 (6)
馬連  08-14 \2010 (9)
ワイド 08-14 \780 (10)/ 06-14 \840 (12)/ 06-08 \330 (1)
馬単  14-08 \5080 (19)
3連複 06-08-14 \2540 (6/286)
3連単 14-08-06 \20200 (61/1716)

レース分析

レースのラップを見ると、(4ハロン目を前後半両方に加算した場合)前半の4ハロンが後半に比べて約2秒速くなっている。かなりの前傾ラップ、ハイペースのレースだったと言える。

それを象徴するように上位には中団より後ろに構えたメンバーが名を連ねた。脚抜きの良い馬場だったとはいえ上位3頭は上がり34秒台と芝並みの末脚を使っており、決め手の問われるレース展開となった。では、各馬について見ていこう。

出走馬勝因、敗因、次走への展望

1着 ノンコノユメ

道中は後方を追走。直線を向いてから大外に出され最後は粘るサンライズノヴァを退け久々の勝利に美酒に酔った。同じ斤量を背負った昨年の武蔵野ステークスでは最後失速しており、今ではこの距離のほうが良いのだろう。

去勢以降精彩を欠く走りが続いていたが、体重も手術前以上に重くなりようやくようやく本調子を取り戻したか。追える鞍上内田とも手が合っていた。

2着 サンライズノヴァ

道中は中団のやや後ろを追走。直線外から追い上げ残り200で先頭に立ったがそこを勝ち馬に強襲された。一旦は差し返す構えも見せたが最後は惜敗。相手が悪かったとしか言いようがない。

悔いが残るのは直線入り口でマッチレースヒーローの後ろでフラついた事。着差が着差だけにあれがなければ勝っていた可能性も十分だ。微妙な賞金加算になったことも併せて悔しい2着だ。

3着 カフジテイク

出遅れて最後方から。ただこの位置取りはいつものことでむしろこの馬の好走パターンでありさして問題はなかっただろう。

直線も勝ち馬のさらに外から追い込み上位を伺ったがこの馬本来の決め手を考えれば、弾けきったとは言いづらい。力は見せたが展開が向いたことを考えればやや不本意な敗戦だ。

4着 マッチレスヒーロー

ちょうど中団からブルドッグボスを見るような形で進出。上位馬の決め手には屈したが見事に入着。今後もオープンやG3ならチャンスがあっておかしくない。

5着 ブルドッグボス

中団の外々を進み正攻法の競馬で堂々と抜け出したが残り200で捕まって結局掲示板まで。カペラステークスでは脚を余し今回はハイペースを追いかけ力尽き、と不完全燃焼の中央挑戦が続く。決して力負けではない。

6着 キングズガード

後方を進んだが直線は内に入った。しかしジリジリとしか脚を使えずここまで。

この戦法で昨年はプロキオンステークスを制したこともあり、頭ごなしに戦術を否定したくはないがこの日の前崩れ外伸びのレースなら腹を括って大外から決め手比べをしたほうがチャンスはあっただろう。

12着 アキトクレッセント

先団の内目を進んだが直線は脚を使えず。ハイペースに巻き込まれた影響もあってか、キングズガードに交わされた瞬間戦意喪失だった。まだこのクラスでは厳しい部分が大きいが展開不向きだったことも確か。見直しは可能だ。

まとめ

鋭い末脚を武器に3才の頃から第一線で活躍してきたノンコノユメが実に26か月ぶりに勝利を収めた。愛らしい名前と見るものをハラハラさせるレースぶりで人気を博したこの馬が、こんなにも長い間勝利から見放されると予想出来た競馬ファンは少ないだろう。

多くのファンが待ちわびたこの復活劇は刹那的な最後の煌めきなのか、あるいは大復活の序章なのか?3週間後再度府中のダートコースにその答えが待っている。

文=櫻井秀幸

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