6月6日に阪神競馬場で行われた鳴尾記念(GIII/芝内回り2000m)は、2番人気のラブリーデイが早めに抜け出して完勝を収めた。今年に入って早くも重賞3勝目。2着には、最後方から追い込んだマジェスティハーツが入った。
この2頭の血統背景や将来性はどんなものなのだろうか? 徹底分析を行っていこう。
ラブリーデイの血統評価は?
ラブリーデイは父キングカメハメハ、母ポップコーンジャズ、その父ダンスインザダークという血統。キングカメハメハ産駒は出走5頭目にして早くも鳴尾記念3勝目(12月開催時も含む)となった。
前2走では結果を残せなかったラブリーデイだが、キングカメハメハ産駒は3000m超のGIで(0-1-0-12)と距離が原因だったことは明白だった。得意の中距離に戻って存分に実力を発揮した形だ。
ラブリーデイの母系を遡ると、5代母ペルースポートから多くの活躍馬が輩出されていて、ある特徴を見出すことができる。それは小回り(内回り)中距離重賞への適性の高さだ。
以下は一族の内回り中距離重賞好走例 ※1人気以下の着順は除外 ※2中京は改修前、朝日チャレンジCは当時内回り2000m
インティライミ 06年中日新聞杯2着、07年金鯱賞3着、07年朝日チャレンジC1着、08年宝塚記念11人気3着
スマートギア 10年金鯱賞3着、12年小倉大賞典10人気2着
ワンモアチャッター 05年小倉記念2着、05年朝日チャレンジC1着、08年中京記念14人気4着
アロマティコ 12年秋華賞3着、14年クイーンS2着
サンバレンティン 06年福島記念1着、07年七夕賞1着
フォルテベリーニ 06年福島記念2着、07年中京記念3着
オーバーザウォール 98年福島記念1着
スピークリーズン 89年函館記念1着
ご覧の通り、直線の短い小回り、内回りコースの重賞に非常に高い適性を持つ母系なのだ。ラブリーデイ自身も、京都記念を勝っているが本質的には3歳時の小倉記念、レコード勝ちした今年の中山金杯、そして今回の鳴尾記念のように、内回りで機動力を活かす競馬が合うのではないだろうか。となれば当然、宝塚記念でも勝負になる。
繰り返しになるが天皇賞・春は明らかに距離が長く、決してGIで力負けしているわけではない。ただし、馬場は綺麗に越したことはなく、重い馬場になった場合は割引が必要だ。
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