2019年12月22日、中山競馬場で有馬記念(GⅠ/芝2500m)が行われる。今回は過去のデータやレース傾向を振り返り、当レースの危険な人気馬を予想していく。
馬券を買う上で特に重要なのは「どの馬を買うか」ではなく「どの馬が消しか」を見極めることだ。
人気馬を「買わない」と判断できれば、余った資金を軸馬の買い足しや穴馬の追加購入に回すことができる。そして人気馬が馬券圏外になれば配当が跳ね上がる。
「人気だから押さえようかな」と毎回人気馬を買ってしまうと回収率は落ちていく。だからこそ「買わない人気馬」を見つけることがカギになってくるのだ。
果たして、人気が想定されるアーモンドアイ、リスグラシュー、サートゥルナーリア、ワールドプレミア、フィエールマンらの中で危険なのはどの馬なのか。しっかり考察していこう。
過去10年のデータを参考にしていく。
目次
有馬記念の人気馬成績
過去10年のデータを見ると、1番人気が5勝、2着が3回、3着が1回。ここ最近のGⅠでは意外にも1番人気の信頼度が高い。2倍台までなら、8頭いて5勝2着3回と連対率パーフェクト。
その一方、時折やってくるのが伏兵馬。3着ならどんな馬でもやってくる。人気がないからと切るのはあまりにも早計であろう。
ではここからは注目のデータをピックアップして紹介していこう。
予想参考データ① 信用できる菊花賞、信用できない古馬三冠レース
前走菊花賞(4- 1- 1-5)
勝率 8.8% │ 複勝率 23.8%
前走菊花賞組が過去10年の勝ち頭で、去年はブラストワンピースが勝った。ただこれには明確な傾向があり、1番人気だったか、勝利したか、この2つ。トゥザワールドの例外はあるが、この馬はそれでも2番人気。ワールドプレミア、ヴェロックス、いずれも該当する。
前走天皇賞秋(1- 1- 0-10)
勝率 8.3% │ 複勝率 16.7%
まず天皇賞秋を見ると、こちらは間隔が空きすぎたせいか、あまり結果を出せていない。2009年ドリームジャーニー以来勝ち星はない。去年のレイデオロは天皇賞秋勝ち馬だった。人気馬2頭が該当し、データ的には嫌だ。
前走ジャパンカップ(3- 4- 7-47)
勝率 4.9% │ 複勝率 23.0%
頭数が多いわりに結構信用できない。まずジャパンカップを勝ち、ここも勝った馬は過去10年で1回もない。そして、ほとんどの馬はジャパンカップで1秒以内の負けにとどめていた。ゴールドシップのようによほど相性が合わないケースは別だが。
予想参考データ② 必見!3歳馬の取捨選択
3歳馬(5- 2- 2-21)
勝率 16.7% │ 複勝率 30.0%
この成績を見てしまうと3歳馬を狙いたくなる。斤量は古馬に比べて2キロ軽い。それならばここから狙いたいところだが、取捨選択は大事だ。
菊花賞以外から馬券圏内に来た3歳馬にフォーカスすると、実は1-1-1-16。好走の可能性は低くなる。しかも、2010年ヴィクトワールピサ以来、馬券圏内にも来ていない。
ブエナビスタはエリザベス女王杯3着、トゥザグローリーは小倉開催の中日新聞杯1番人気1着、ヴィクトワールピサは凱旋門賞明けのジャパンカップ3着。3歳馬の中でも最も危ないのがサートゥルナーリア。天皇賞秋でも結果を出せなかったが。
予想参考データ③ リピーターレース
昔にナイスネイチャが3年連続3着があったように、この有馬記念はリピーターレースになっている。ナイスネイチャに肩を並べるチャンスがある、ここ2年3着続きのシュヴァルグランがその筆頭。
キタサンブラック、ゴールドアクター、ゴールドシップ、オルフェーヴル、ブエナビスタ、トゥザグローリーなどなど。ビッグネームが並んでいる。
今年該当するのはシュヴァルグランとレイデオロ。レイデオロに騎乗する三浦皇成騎手は、2012年当日の騎乗変更でエイシンフラッシュに騎乗してあわやの姿を見せた。
ちなみに着順を上げていくパターンはキタサンブラックだけ。あとは着順を下げるか現状維持か。キタサンブラックは年々強さを増したが、レイデオロは該当するかどうか。
2019年の危険な人気馬は?
アーモンドアイは人気になる見込みだが、熱発明けで香港を回避した。一頓挫あり、予定になかった有馬記念へ。秋華賞で小回りは克服したと国枝調教師が語っても、急坂の小回りは初体験。アクシデントがあれば負けるのは安田記念で証明されており、少なくとも順調ではないアーモンドアイを1倍台だからと推すのは危険だ。有馬記念の好走条件に合致せず、危険な人気馬の一頭になりそうだ。
また、サートゥルナーリアは2つ目の消しデータに合致している。古馬相手に結果を見せた馬にチャンスが与えられる。もちろんグラスワンダーのように着外から巻き返した3歳馬もいる。しかし、1秒近くアーモンドアイに負けているようでは、皐月賞勝ちのタイトルはあっても挽回は難しいのではないか。
反対にリスグラシューは危険なデータに一つも当てはまらない。海外明けはこれまでに2回走ったが結果を残している。宝塚記念は香港で戦ってから。間隔は宝塚記念の時と同じ状況だ。非根幹距離で結果を出し、前走は57キロで圧巻のパフォーマンス。わざわざこのためにレーン騎手がやってくる。ここは当然勝負だ。人気馬の中で最も不安要素が少ないのが、リスグラシューと言えそうだ。