2021年7月18日、函館競馬場で函館記念(GⅢ/芝2000m)が行われる。今回は過去のデータやレース傾向を振り返り、当レースの危険な人気馬を予想していく。
馬券を買う上で特に重要なのは「どの馬を買うか」ではなく「どの馬が消しか」を見極めることだ。
人気馬を「買わない」と判断できれば、余った資金を軸馬の買い足しや穴馬の追加購入に回すことができる。そして人気馬が馬券圏外になれば配当が跳ね上がる。
「人気だから押さえようかな」と毎回人気馬を買ってしまうと回収率は落ちていく。だからこそ「買わない人気馬」を見つけることがカギになってくるのだ。
果たして、人気が想定されるトーセンスーリヤ、カフェファラオ、マイネルウィルトス、ワールドウインズ、ジェットモーションらの中で危険なのはどの馬なのか。しっかり考察していこう。
過去10年のデータを参考にしていく。
目次
函館記念の人気馬成績
過去10年のデータを見ると、1番人気は1勝、2着はなし、3着もなし。ハンデ戦の中でも結構難しいレースのように見える。
単勝1倍台の後半で8勝、この傾向から見る限り1番人気以外の上位人気で堅く、あとはヒモ荒れ狙いか。とはいえ去年は大波乱となっており、取捨選択に注目したい。
ではここからは注目のデータをピックアップして紹介していこう。
予想参考データ① 巴賞組の取捨選択
過去10年で54頭、函館記念のステップレースである巴賞だが、1勝しかしていない。2着は5回と意地は見せるが、それにしてもこの数字はどうか。
傾向を見ると、巴賞で5人気までにいて1秒前後の負けだった馬の巻き返しがほとんど。巴賞1番人気とか、1着とか、それでは厳しいデータである。
ワールドウインズは巴賞は巴賞1番人気、サトノエルドールは巴賞1着。しかもサトノエルドールを勝たせたルメール騎手はカフェファラオへ。面白いのは3人気7着だったジェットモーション。
予想参考データ② 素直に斤量減で
ハンデ戦の定番といえば斤量減の馬を狙うことだが、意外とそういう傾向にはないレースもある。ただ函館記念に関しては素直に斤量減の馬を狙うべきだろう。
勝ち馬を探すなら斤量2キロ台、ヒモを狙うなら3キロ以上の減少の馬がいい。斤量増は3キロ増など極端なものを狙うのにとどめたい。斤量別成績で狙い目は54キロ、56キロ、55キロ。57キロは過去10年で14頭が背負って連対がない。
トップハンデはカフェファラオだが、初芝でこのハンデは酷だろう。マイネルウィルトスの2キロ増も酷に思える。その点、ジェットモーションの2キロ減は魅力か。2キロ減の54キロは激熱だ。
予想参考データ③ それぞれの馬の前走レベル
トーセンスーリヤの前走は新潟大賞典だった。マイスタイルがまさに馬名のごとく、ハイペース逃げを展開する。3番手だったトーセンスーリヤも早めだったか。なんとか4着にはなったが、ほとんどの馬がバタバタになっており、不安を感じさせる。押し出された人気という感じがしないでもなく、どうか。
カフェファラオの前走はかしわ記念だった。サルサディオーネの逃げに、落ち着いていたカジノフォンテンの構図。中央馬の存在感はソリストサンダーやインティぐらいなもので、カフェファラオは終始5番手を維持してゴールイン。初芝の58.5キロは買う気をなくすが、しかし母親はアメリカで7.5ハロンの芝の重賞で勝っており、洋芝であれば対応しても不思議ではない。とはいえ、58.5キロはきつい。
マイネルウィルトスの前走は新潟開催の福島民報杯だった。不良馬場の競馬でほとんどの馬が苦戦した中、マイネルウィルトスだけがどこ吹く風。歴史的な圧勝は間違いなく馬場のおかげである。凱旋門賞に登録しており、陣営の期待度は高いだろうが、過去の戦績を見ると前走が特殊とみた方がいいか。
ワールドウインズやジェットモーション、サトノエルドールの前走は巴賞だった。マドラスチェックの逃げはやや遅め、本来なら前目有利のはずだが、マドラスチェックは残せない。スローペースを嫌ったサトノエルドールが道中で動き、ポジションをつかむとそのまま押し切った。ワールドウインズは先行馬と同じ脚色、ジェットモーションも似たようなものだった。とはいえ、サトノエルドールとジェットモーションまでのタイム差はコンマ3秒。今回の斤量で明らかに有利なのジェットモーションだ。
2021年の危険な人気馬は?
カフェファラオは人気になる見込みだが、いくら母親がアメリカの重賞で勝っているとはいえ、もまれるのをよしとしない馬が内枠に入るのは明らかにマイナスであり、斤量もきつすぎる。函館記念の好走条件に合致せず、危険な人気馬の一頭になりそうだ。
また、マイネルウィルトスは3つ目の消しデータに合致している。前走があまりにも特殊過ぎた。本来はまだまだ家賃が高く、56キロを重賞で背負うような実力ではない。
反対にジェットモーションは危険なデータに一つも当てはまらない。2キロ減も魅力だが、巴賞組の比較でもこの馬がこの条件であれば一番上。他の勢力も決して抜けているとは言い難く、人気落ちで狙うのは当然だ。人気馬の中で最も不安要素が少ないのが、ジェットモーションと言えそうだ。