離れたところからマーク差し。
4月8日に阪神競馬場で行われた桜花賞(G1/芝1600 外回り)はアーモンドアイの優勝に終わった。
一頭だけ違う手ごたえ、違う脚色で追い込んできた東の刺客がまさかの圧勝劇。遂に2018クラシックの幕が開いた。レースを分析していきながらアーモンドアイがレースを制したポイントやラッキーライラックなど他馬の敗因を探っていこう。
目次
結果・着順
着 | 馬名 | 騎手 厩舎 | 人気 オッズ | |
1 | アーモンドアイ | ルメール騎手 | 2 | |
牝3 | 55 | (美浦)国枝 | 3.9 | |
2 | ラッキーライラック | 石橋脩騎手 | 1 | |
牝3 | 55 | (栗東)松永幹 | 1.8 | |
3 | リリーノーブル | 川田騎手 | 3 | |
牝3 | 55 | (栗東)藤岡 | 7.4 | |
4 | トーセンブレス | 柴田善騎手 | 8 | |
牝3 | 55 | (美浦)加藤征 | 42.1 | |
5 | マウレア | 武豊騎手 | 4 | |
牝3 | 55 | (美浦)手塚 | 13.5 | |
6 | リバティハイツ | 北村友騎手 | 10 | |
牝3 | 55 | (栗東)高野 | 62.3 | |
7 | レッドサクヤ | 松山騎手 | 12 | |
牝3 | 55 | (栗東)藤原英 | 70.4 | |
8 | スカーレットカラー | 岩田騎手 | 15 | |
牝3 | 55 | (栗東)高橋亮 | 193.3 | |
9 | ツヅミモン | 秋山騎手 | 16 | |
牝3 | 55 | (栗東)藤岡 | 277.7 | |
10 | プリモシーン | 戸崎圭騎手 | 6 | |
牝3 | 55 | (美浦)木村 | 23.4 | |
11 | アンコールプリュ | 藤岡康騎手 | 9 | |
牝3 | 55 | (栗東)友道 | 45.4 | |
12 | フィニフティ | 福永騎手 | 5 | |
牝3 | 55 | (栗東)藤原英 | 20.1 | |
13 | デルニエオール | 池添騎手 | 13 | |
牝3 | 55 | (栗東)池江 | 71.4 | |
14 | ハーレムライン | 大野騎手 | 11 | |
牝3 | 55 | (美浦)田中清 | 66.2 | |
15 | レッドレグナント | Mデムーロ騎手 | 7 | |
牝3 | 55 | (美浦)大竹 | 24.2 | |
16 | コーディエライト | 和田騎手 | 17 | |
牝3 | 55 | (栗東)佐々木 | 341 | |
17 | アンヴァル | 藤岡佑騎手 | 14 | |
牝3 | 55 | (栗東)藤岡 | 124.8 |
払い戻し
単勝 | 13 | 390円 | 2人気 |
複勝 | 13 01 09 | 140円 110円 140円 | 3人気 1人気 2人気 |
枠連 | 01 - 07 | 380円 | 1人気 |
馬連 | 01 - 13 | 480円 | 1人気 |
ワイド | 01 - 13 09 - 13 01 - 09 | 230円 430円 230円 | 1人気 3人気 2人気 |
馬単 | 13 → 01 | 990円 | 3人気 |
三連複 | 01 - 09 - 13 | 830円 | 1人気 |
三連単 | 13 → 01 → 09 | 3,780円 | 4人気 |
レース分析
まずラップを見てみると、前半が46秒6、後半が46秒5という完全な平均ペース。とはいえ2F目の10秒7はかなり速く、中盤緩むもラスト3Fはまた高速。
このように出入りが激しくなったので前の組にとって楽ではなかったように思えた。では各馬を振り返って行こう。
出走馬勝因、敗因、次走への展望
1着 アーモンドアイ
道中は後方を追走し、直線は大外に持ち出されたがまだ前との距離はあった。しかし手ごたえは楽で、追い出される爆発的に前との差を詰めた。
そこからは前を捕まえ着差以上の完勝。展開的にラッキーライラックより向いた部分はあったがそれにしても休み明けでこの内容は出色で潜在能力の高さを見せつけた。
2着 ラッキーライラック
先団でレースを進め早めに前を捕まえに行く横綱相撲。しかし大外を強襲した勝馬には抵抗すらできなかった。
包まれる可能性のある枠だったこと、前の組が早々に沈んだことなど不利な要因が重なった事は否めず責められる内容ではないが、勝ち馬の強さだけが目立った一戦となってしまったのは事実。
3着 リリーーノブル
中団から枠なりの競馬。直線も真ん中から追い上げを図ったがジリジリとしか伸びずここまで。
結果的には前を残し、後ろからも差された形となっており、甘い部分は残っている。総合力は高いが決め手には欠ける。
4着 トーセンブレス
いつもよりはやや位置を取れたがそれでも後方より。直線はフィニフティを押しのけ実績馬の意地を見せたが勝ち負けはまでは届かず。これでG1は連続4着。上位と差はあるが堅実な実力派。
5着 マウレア
中団のやや後ろから。直線は外目から前に迫りたかったがイマイチ弾けず。トーセンブレス同様ジュベナイルフィリーズに続いて掲示板に載ったが、物足りなさは残る。関東に戻って枠に恵まれれば。
12着 フィニフティ
後方の位置取りでトーセンブレスの外目から。直線もこの外に居たが前述の通り寄られて戦意喪失。浅いキャリアの小型馬には厳しい戦いとなった。
まとめ
上がりだけで絶対されていたラッキーライラックに1秒3もの差をつけ余裕を持って差し切ってみせたアーモンドアイの未来はとてつもなく明るい。
母フサイチパンドラの影響が色濃く出たか、初戦からスケールが大きいとも緩慢とも言えるような走りを見せていた姿に距離延長の不安はない。
その瞳には府中が、そしてまだぼんやりとではあろうが淀の直線が映ったようにすら思えた。
文=櫻井秀幸