ザ・作戦勝ち。
4月7日に阪神競馬場で行われた阪神牝馬ステーウス(G2/芝1600 外回り)はミスパンテールの優勝に終わった。
ヴィクトリアマイルにつながっていく牝馬戦にはG1馬ソウルスターリング、アドマイヤリードレースなど楽しみなメンバーがそろったが、その展開は思わぬものとなった。ではそのレースを分析していきながら、ミスパンテールがレースを制したポイントやリスグラシューなど他馬の敗因を探っていこう。
目次
結果・着順
着 | 馬名 | 騎手 厩舎 | 人気 オッズ | |
1 | カツジ | 松山騎手 | 2 | |
牡3 | 56 | (栗東)池添兼 | 4 | |
2 | ミスパンテール | 横山典騎手 | 4 | |
牝4 | 54 | (栗東)昆 | 8.4 | |
3 | レッドアヴァンセ | 北村友騎手 | 11 | |
牝5 | 54 | (栗東)音無 | 55.6 | |
4 | リスグラシュー | 武豊騎手 | 1 | |
牝4 | 54 | (栗東)矢作 | 2.4 | |
5 | アドマイヤリード | Mデムーロ騎手 | 3 | |
牝5 | 56 | (栗東)須貝 | 6.6 | |
6 | ジュールポレール | 幸騎手 | 5 | |
牝5 | 54 | (栗東)西園 | 12 | |
7 | ミエノサクシード | 福永騎手 | 7 | |
牝5 | 54 | (栗東)高橋亮 | 31.5 | |
8 | ミリッサ | 岩田騎手 | 9 | |
牝4 | 54 | (栗東)石坂正 | 44.9 | |
9 | エテルナミノル | 四位騎手 | 12 | |
牝5 | 54 | (栗東)本田 | 68.7 | |
10 | ○外ラビットラン | 川田騎手 | 6 | |
牝4 | 55 | (栗東)角居 | 13 | |
11 | ソウルスターリング | ルメール騎手 | 2 | |
牝4 | 56 | (美浦)藤沢和 | 3.6 | |
12 | デンコウアンジュ | 蛯名騎手 | 10 | |
牝5 | 54 | (栗東)荒川 | 50.2 | |
13 | ワントゥワン | 藤岡佑騎手 | 8 | |
牝5 | 54 | (栗東)藤岡 | 42.1 | |
14 | クインズミラーグロ | 藤岡康騎手 | 13 | |
牝6 | 54 | (栗東)野中 | 125.8 |
払い戻し
単勝 | 11 | 840円 | 4人気 |
複勝 | 11 10 03 | 210円 660円 120円 | 3人気 9人気 1人気 |
枠連 | 07 - 07 | 12,230円 | 28人気 |
馬連 | 10 - 11 | 16,680円 | 35人気 |
ワイド | 10 - 11 03 - 11 03 - 10 | 4,200円 340円 1,430円 | 41人気 2人気 17人気 |
馬単 | 11 → 10 | 28,330円 | 62人気 |
三連複 | 03 - 10 - 11 | 8,660円 | 30人気 |
三連単 | 11 → 10 → 03 | 82,760円 | 240人気 |
レース分析
レースのラップを見てみよう。前半が49秒1、後半が45秒7という極端なスローペースとなった。結果的にもいったいったの決着で完全な前での決着となった。展開面での有利不利があまりにも大きな一戦だったと言える。では各馬の勝因・敗因について見ていこう。
出走馬勝因、敗因、次走への展望
1着 ミスパンテール
スローを見越してハナへ。特に鈴をつけられることもなく淡々と進め、直線一旦は並ばれたレッドアヴァンセを地力の差で差し返しそのままゴールに駆け込んだ。恵まれたとはいえ重賞3連勝。本番でも主演女優を務めるか?
2着 レッドアヴァンセ
先団の一角だったが途中から2番手へ。直線は一度並ぶところまで行ったがそこから前に出るまでには至らず。休み明けも以前は苦手としていた坂のあるコースも克服し成長が著しい。
3着 リスグラシュー
中団の内を進んだ。道中は動かず直線はソウルスターリングとミエノサクシードの間を割り急追。展開を考えればさほど悪い結果ではない。
4着 アドマイヤリード
中団の前目リスグラシューの一列前を進んだ。直線ではジューヌポレールとソウルスターリングの間を窺ったが狭くなり内に切り替えるロスがあった。56背負ってこの内容なら本番は面白い存在になる。
10着 ソウルスターリング
中団から道中で動き3番手まで進出。やや持って行かれた部分もあっただろうが、流れを考えればむしろよい位置取りだった。しかし直線はさっぱり伸びず上がりはメンバー中唯一33秒台で走れないという屈辱の敗戦。深刻なスランプか、はたまた早熟か?
まとめ
鮮やかに逃げ切ってみせたミスパンテール。何度目の横山典弘単騎逃げだろうか?
上がり勝負の競馬でもダイワメジャー産駒を勝たせてしまうように、この騎手が手の内に入れると本当に馬が一変する。期待を集めながら不本意な走りに終わった桜花賞からちょうど一年後、荒削りだった少女は随分と大人びていた。
文=櫻井秀幸