ファインニードルの勝因、レッドファルクスの敗因は?高松宮記念2018回顧

充実の5才春、大輪が花開く。

3月25日に中京競馬場で行われた高松宮記念(G1/芝1200)はファインニードルの優勝に終わった。

人気の中心レッドファルクスこそ沈んだが、実力馬たちがしのぎを削ったゴール前は流石G1の直線らしく迫力があった。もつれ合うように入線したゴール前を中心にレース全体を分析していきながらファインニードルがレースを制したポイントやレッドファルクスなど他馬の敗因を探っていこう。


目次

結果・着順

馬名騎手
厩舎
人気
オッズ
1
ファインニードル川田騎手2
牡557(栗東)高橋忠5.5
2
レッツゴードンキ岩田騎手3
牝655(栗東)梅田6.3
3
ナックビーナス三浦騎手10
牝555(美浦)杉浦41.2
4
ダンスディレクター武豊騎手4
牡857(栗東)笹田8.1
5
□外ブリザードティータン騎手6
セ757(地方)イウ13.4
6
セイウンコウセイ松田騎手5
牡557(美浦)上原12.8
7
レーヌミノル和田騎手7
牝455(栗東)本田19.3
8
レッドファルクスMデムーロ騎手1
牡757(美浦)尾関2.3
9
スノードラゴン大野騎手15
牡1057(美浦)高木130
10
キングハート北村宏騎手12
牡557(美浦)星野46.5
11
ネロミナリク騎手9
牡757(栗東)森40.8
12
シャイニングレイ北村友騎手8
牡657(栗東)高野32.6
13
ノボバカラ武藤騎手17
牡657(美浦)天間356.7
14
○外リエノテソーロ吉田隼騎手13
牝455(美浦)武井114.7
15
ラインスピリット森一騎手16
牡757(栗東)松永昌264.4
16
ラインミーティア西田騎手18
牡857(美浦)水野449.3
17
ジューヌエコール福永騎手14
牝455(栗東)安田隆120.3
18
ダイアナヘイロー松山騎手11
牝555(栗東)大根田45.5

払い戻し

単勝9550円2人気
複勝09
08
07
240円
220円
750円
3人気
2人気
8人気
枠連04 - 051,300円5人気
馬連08 - 091,690円5人気
ワイド08 - 09
07 - 09
07 - 08
700円
2,290円
2,760円
4人気
23人気
26人気
馬単09 → 083,170円9人気
三連複07 - 08 - 0915,910円46人気
三連単09 → 08 → 0760,450円170人気

レース分析

まずラップを見てみよう。前半が33秒3で後半が35秒2とかなり速いペースとなった。差し勢に有利な流れになったと見て間違いないだろう。G1らしい締まった流れとも言えるが展開での有利不利は少なくないレースだった。

出走馬勝因、敗因、次走への展望

1着 ファインニードル

先団の後ろぐらいから進めたが直線は安全策で外を回ったこともあり前との差はそれなりにあった。

ジワジワと脚を伸ばしレッツゴードンキがやや外にヨレつつ垂れたことも幸いしゴール寸前で捉えてみせた。余裕のある馬体でトライアルを制し今回は引き締まった体で大仕事。充実一途だ。

2着 レッツゴードンキ

先団で進めたが直線はセイウンコウセイの内にもぐりこみ抜け出しを図った。しかしわずかに脚が鈍ったところで勝ち馬の強襲を受けてしまった。これでスプリントG1は3戦連続の2着。堅実だがもどかしい。

3着 ナックビーナス

こちらも先団からの競馬。ファインニードルと併せる形で脚を伸ばしたが少しだけ遅れ3番手での入線。甘さは残るが堅実で常に力を出し切れるタイプだ。

4着 ダンスディレクター

中団からレースを進め直線は内へ。レッツゴードンキの後ろから差を詰めたが勝ち負けまでには食い込めず。衰えはないが大舞台ではやはりいくらか足りない。

5着 ブリザード

先団で進め1、3着馬のやや前で直線を向いたが伸び負けて掲示板まで。すでに7歳だがせん馬は息が長いし、再来日時があれば警戒が必要だろう。

6着 セイウンコウセイ

敢然とハナを切り正攻法の逃げ。このペースを考えればよく踏ん張っているが、同馬主のネロもハイペースを助長してしまったところには悔しさが残るだろう。

8着 レッドファルクス

後方2番手から進めたが手ごたえにあまり余裕はなかった。直線は内目をさばいていくらかは追い上げたがここまで。行きっぷりの悪さは加齢からのものか。前が流れる展開でこの大敗はふがいない。

まとめ

何度も世界の大舞台で見てきた真っ青な勝負服に衣替えしたファインニードルが最後の最後でタイトルを掴み取ってみせた。

思えばアドマイヤムーンの電撃買収から始まったゴドルフィンチームの日本進出。そのアドマイヤムーンの産駒がチームに初のビッグタイトルをもたらしたことにも縁を感じる。ごちゃつく内側を尻目に真一文字に伸びたファインニードルの視界には世界の舞台が入っただろうか。

文=櫻井秀幸

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