サートゥルナーリアが快勝し、スターホースが誕生するのか?
ダノンキングリーが主役の座を奪い、無敗の皐月賞馬になるのか?
2歳王者の意地を見せてアドマイヤマーズが巻き返すのか?
それとも……。
2019年4月14日、中山競馬場で皐月賞(GⅠ/芝2000m)が行われる。いよいよ牡馬クラシック初戦の当日を迎えた。今年はサートゥルナーリアの1強、あるいはダノンキングリーとアドマイヤマーズを含めた3強と予想する見方が多数だ。
もっとも、肝心のサートゥルナーリアはホープフルステークスからの直行という異例のローテーションを組んでいることから、過去のデータに準じれば買えない馬になる。
もちろん異例のローテを覆す根拠は複数あるのだが、「完全無欠の軸馬」というわけでは(少なくともデータの上では)ない。
では、どの馬を軸に据えればいいのか?
ここでは基本に立ち返ってデータからシンプルに軸馬を導き出す方法を紹介する。
目次
予想の前提条件は?
データの上で軸馬を導き出すとしたら、重視する条件は以下の通りだ。
・改修後の傾向にフォーカス
・良馬場と道悪開催を分ける
まずは2014年の路盤改修で中山競馬場の傾向は大きく変わった。
まだ試行回数は少ないが、それでもより正確なデータを取ろうとするなら改修後のデータを重視するべきだろう。
また、改修に伴って馬場状態が大きなカギを握るようになった。
昔の皐月賞といえば常に馬場が悪くなり、重厚な血統の馬が台頭することが常だった。
しかし、改修後は水はけが良くなったり、造園技術が上がったりしたことから良好な馬場状態で行われることも多くなった。
結果として1分57秒台が出ることもあり、良馬場と道悪の場合では来る馬の傾向も全く変わるようになったというわけだ。
今年の予想方針は?
今年は中間に雨が降って道悪開催の可能性も浮上した。
ただし、それ以降は晴れが続き、土曜日の芝レースも良馬場開催となった。時計は超高速馬場というわけではないものの、まずまず速いタイムが出ている。
よって、今年の皐月賞は良馬場開催を想定して組み立てていくのがいいだろう。
※仮に出走時間前に雨が降って馬場状態が変わる場合は以下の内容は全く意味がなくなる点を予めご了承願いたい
軸馬の選び方は?
改修後の中山で良馬場開催となった皐月賞は3回ある。
この3回を見ていくと、以下の条件に合致する馬の好走率が高いことが分かる。
・一桁人気
・前走連対
・前走1800m以下
以上のデータに合致した馬の成績は……
(3−2−2−6)
勝率23% 複勝率54%
単勝回収値445 複勝回収値175
というように、極めて優秀な成績になっている。
考え方はシンプルだ。
まず「一桁人気」と「前走連対」という条件で出走馬の実力を選定することができる。
前走連対していれば最低限の実力を数字の上からも担保することができる。もしその馬が一桁人気に支持されたのであればなおさらだ。
そして「最低限の実力がある馬」に皐月賞適正が加われば、好走の可能性はぐっと高まる。
その適性を見極める上で大事になるのが前走距離というわけだ。
1800mのレースで連対するということは、スピードに優れた馬の可能性が高い。少なくとも2000mを使って勝ち上がってきた馬よりはスピード能力がある。
よって、スピードが求められる皐月賞になったときに有利になるというわけだ。
例外馬たちを見てみると……
ちなみに上記のデータに合致しながら好走しなかった馬を見ていくと、この条件から除外しても差し支えない特徴を持っていたことが分かる。
代表格が牝馬のファンディーナだ。
2017年の皐月賞に出走してきたが、さすがに牝馬の挑戦となると例外的な事例と捉えたほうが懸命だろう。
また2015年のダノンリバティも例外になる。
この馬を除く該当馬はすべて父か母父にスピードの根源となるサンデーサイレンスの血を持っていた。一方、この馬は母母父にサンデーサイレンスを持っていたものの、父と母父は非サンデーサイレンス系だったのだ。
実際、ダノンリバティは後にダートの重賞で好走するなど、スピードよりパワーの活かせる条件で活躍している。特性が他の馬とは違ったわけだ。
この2頭を除けば好走率は64%に。もちろん3年連続で好走馬を出している。
まとめ
要するに……
・一桁人気
・前走連対
・前走1800m以下
この条件に合致している馬を選ぶのが最もシンプルで正確な軸馬選びと言えるわけだ。
今年、この条件に合致しているのは……
アドマイヤマーズ
ダノンキングリー
ファンタジスト
この3頭になる。上位人気3頭のうち、2頭は条件に合致していることになる。
また条件に合致しないとはいえサートゥルナーリアも相当の力を持っていることを考えれば、今年の皐月賞は上位の信用性が高く、大きな波乱になるような可能性が低いと言えるかもしれない。