皐月賞2019の予想オッズ・人気と注目の出走予定馬は?JRA重賞2週前展望

B!

2019年4月14日、中山競馬場で皐月賞(GI/芝2000m)が行われる。今回は日程や出走時間などのレース概要、注目の出走馬(出走予定登録馬)、想定される人気と予想オッズを見ていく。

サートゥルナーリア、ダノンキングリー、アドマイヤマーズ、ヴェロックスらが出走するが、どんなレースが展開されるのか? 台頭する可能性を秘めた伏兵とは?

なお、競馬TIMESでは今後、当重賞を徹底的に検証していく。データ分析、有力馬の強調材料と不安要素の検証など、多角的な視点から当レースの見どころや注目点を解き明かしていく予定だ。

まずは出走予定馬の一覧と、勢力図(想定オッズ・人気)を確認していこう。想定情報は現時点のものを記載している。


目次

皐月賞2019の日程・時間・賞金

2019年4月14日 15:40

3回中山8日目 3歳 サラ3歳オープン
芝2000m (右)
本賞金:11000、4400、2800、1700、1100万円

注目の出走予定馬(登録馬)

2週前展望では恒例の前哨戦レビューを行う。出走予定馬の前走及び馬券圏内に入った牡馬クラシック路線の主要レースをピックアップしている。レース内容をA~Eの5段階で評価を行っている。

人気が予想されるサートゥルナーリアは前哨戦を使わず年末のホープフルS(GⅠ)からぶっつけの参戦になる点で上記には該当しないのだが、さすがに触れない訳にはいくまい。

常識的に年の初戦が皐月賞……というのは考えにくいパターンではあるが、昨年のアーモンドアイを見ても分かる通り、今は外厩で仕上げて入厩、レースに向けては調整程度というパターンが確立しているのは日の目を見るより明らかだ。血統的に足元や気性面を含めデリケートな部分があり、早々にこのぶっつけローテーションを発表していただけにこれといって割り引く必要はなさそう。

共同通信杯

1着 ダノンキングリー A
2着 アドマイヤマーズ A
3着 クラージュゲリエ C

昨年の2歳王者アドマイヤマーズとダノンキングリーのハイレベルな叩き合いが印象的な一戦。

勝ったダノンキングリーは内を立ち回り直線では32.9の切れ味を見せてアドマイヤマーズを競り落とした格好だ。中山で行われた500万下のひいらぎ賞でも圧巻のキレを見せていたが、東京コースでさらにそれが活かされた印象がある。今回初の2000mになる点だけが気になるが、これぞGⅠレベルのディープインパクト産駒というキレを持っており、距離さえこなせれば上位は必至だろう。

2着のアドマイヤマーズも改めて地力は見せた。ダノンキングリーの目標になってしまった部分と、1キロの斤量差がなければ逆転していた可能性も十分。共同通信杯から皐月賞というローテーションは予定通りであり、こちらも初の2000mさえこなせれば十分に勝負になるだろう。

クラージュゲリエは上位二頭からは離されての3着。現時点ではキレとスピードで一線級とは差がありそうな印象を受けるが、中山コース替わりと距離延長は悪くないだろう。

きさらぎ賞

2着 タガノディアマンテ C
3着 ランスオブプラーナ C

渋った馬場を大外から追い込んで2着に食い込んだダノンディアマンテと、単騎逃げで3着に粘り込んだランスオブプラーナ。どちらも内容的にはそれなりだったが、2頭ともこの後に皐月賞の前哨戦を使っているため、適性などについて詳しくは後述する。

すみれS

1着 サトノルークス B
2着 アドマイヤジャスタ C

番手追走からアッサリ突き抜けたサトノルークスはこれで3連勝。ディープ産駒にしては素軽さよりも追ってしぶとい印象。この辺りは母父のサドラーズウェルズが効いているか。中山2000mにも適性がありそうだが、近年の皐月賞が高速決着になりやすい点が気になる。。

ホープフルS2着からの出走で断然人気を集めていたアドマイヤジャスタは2着。なんとか間に合っての2着という感じでさらにスピードが要求される本番に向けては不安を残した格好。

弥生賞

1着 メイショウテンゲン B
2着 シュヴァルツリーゼ A
3着 ブレイキングドーン C
4着 ニシノデイジー C
7着 ラストドラフト D
8着 ナイママ E

本番と同条件になる前哨戦だが、重馬場と歪なペースで結果的に後方待機組が上位を独占する格好になった。

勝ったメイショウテンゲンは母メイショウベルーガ同様重馬場適性が非常に高く、重い馬場でも手応えが鈍ることのない追走だった。騎乗していた池添騎手も「馬場に恵まれた」というコメントを残しており、本番で一概に直結するとは言えなさそうな部分はあるが、成長力と意外性のある母系だけに軽視は禁物だろう。

キャリア1戦でこのレースに挑んだシュヴァルツリーゼは、道中ノメリながらの追走、コーナーで大外に膨れ万事休すかと思いきや、石橋騎手のステッキに応えてエンジンがかかると、物凄い末脚を披露して2着に食い込んだ。ハーツクライ産駒らしく追って味があるとも言えるが、レース慣れしていないという部分が大きかったのだろう。良馬場であの爆発力が引き出せれば面白い存在になりそうだ。

3着ブレイキングドーンは安定感こそあるも、前に行っても後ろから差してもワンパンチ足りない印象。

1番人気に支持された実績馬ニシノデイジーが4着。最後は展開的にも苦しく、馬場の悪い最内に押し込められたのも辛かったが、クラシック云々という意味ではもう少し頑張って欲しかった印象。ただ上位との着差は僅かであり、もう少しスムーズなレースができれば迫っていたかもしれない。

2番人気の京成杯馬ラストドラフトは逃げでリズムが狂ったのか、最後は苦しくなって7着。馬場も合わなかったのかもしれないが、流石に負け過ぎの印象。

8着ナイママは重賞挑戦を続けているが、ここも8着と大敗。流石に本番では家賃が高いだろう。

スプリングS

1着 エメラルファイト B
2着 ファンタジスト B
4着 タガノディアマンテ C
6着 クリノガウディー C

坂下で抜け出したエメラルファイトを猛追するファンタジストという展開になったレース。エメラルファイトは毎回人気になりにくい馬ではあるが、鞍上の石川騎手同様着実に力をつけている。追って味があり、マイルよりは長めの距離が合うのかもしれない。時計的にもそれなりのレベルにあり、立ち回り次第で本番でも波乱の目になる可能性は十分にある。

距離が不安視されていたロードカナロア産駒のファンタジストは無難にまとめた2着。レースを見た感じ距離不安は全く感じず、むしろしっかりと折り合いがついて脚が溜まっていた印象。それだけにエメラルファイトを差し切れなかったパフォーマンスで本番では……という感じもあるが、血統的に高速決着は歓迎するところで、結果的に引き続き武豊騎手が手綱を取るのも好材料だ。

4着タガノディアマンテはきさらぎ賞同様後方から鋭く伸びて4着。現状ではこういった極端な追い込み策が合っているだけに、フルゲートの激流そして高速決着になりやすい皐月賞ではどうか。

朝日杯FSでアドマイヤマーズの2着があり人気を集めていたクリノガウディーは強引に逃げる形で末を失った。レースに至るまでの調整でもスムーズさを欠いており、まともならもっと走っていい馬だが……

若葉S

1着 ヴェロックス A

年明けの若駒Sから連勝となったヴェロックス。元来より素質を評価されていた馬ではあるが、先行して早い上がりでまとめきれる地力は魅力。坂のあるコースでも全く問題なく、血統背景からも本番の高速決着は歓迎だろう。目下リーディング独走の川田騎手の手綱で大物食いがあっても不思議ではない。

毎日杯

1着 ランスオブプラーナ B

きさらぎ賞でも単騎逃げから3着と結果を出していたが、そこから条件戦を挟んでタイトなローテーションとなったこの毎日杯でもマイペースの逃げ切りを果たした。タフさもあり後々を含め重賞戦線を盛り上げてくれる存在になりそうだが、実はこの皐月賞でもこの馬以外に明確な逃げ馬がいないのは事実。かなりきついローテーションにはなるが、マークが後ろに集中するようならアッと言わせる可能性があっても。

以上、前哨戦レビューとなる。現時点での登録馬は以下の通りだ。

アドマイヤジャスタ 牡3 岩田康騎手 須貝厩舎
アドマイヤマーズ 牡3 Mデムー騎手 友道厩舎
エメラルファイト 牡3 石川騎手 相沢厩舎
クラージュゲリエ 牡3 横山典騎手 池江厩舎
クリノガウディー 牡3 藤岡佑騎手 藤沢則厩舎
サートゥルナーリア 牡3 ルメール騎手 角居厩舎
サトノルークス 牡3 池添騎手 池江厩舎
シュヴァルツリーゼ 牡3 石橋脩騎手 堀厩舎
タガノディアマンテ 牡3 田辺騎手 鮫島厩舎
ダディーズマインド 牡3 ○○騎手 青木厩舎
ダノンキングリー 牡3 戸崎圭騎手 萩原厩舎
ナイママ 牡3 柴田大騎手 武藤厩舎
ニシノデイジー 牡3 勝浦騎手 高木厩舎
ファンタジスト 牡3 武豊騎手 梅田厩舎
ブレイキングドーン 牡3 福永騎手 中竹厩舎
メイショウテンゲン 牡3 三浦騎手 池添兼厩舎
ラストドラフト 牡3 シュタル騎手 戸田厩舎
ランスオブプラーナ 牡3 松山騎手 本田厩舎
ヴェロックス 牡3 川田騎手 中内田厩舎

想定人気・予想オッズ

8番人気 アドマイヤジャスタ 21.7倍
3番人気 アドマイヤマーズ 5.2倍
15番人気 エメラルファイト 83.1倍
12番人気 クラージュゲリエ 56倍
14番人気 クリノガウディー 69.9倍
1番人気 サートゥルナーリア 1.8倍
5番人気 サトノルークス 18.5倍
10番人気 シュヴァルツリーゼ 35.1倍
17番人気 タガノディアマンテ 118.1倍
19番人気 ダディーズマインド 524.4倍
2番人気 ダノンキングリー 5倍
18番人気 ナイママ 475.4倍
6番人気 ニシノデイジー 19.5倍
7番人気 ファンタジスト 19.7倍
11番人気 ブレイキングドーン 53.9倍
9番人気 メイショウテンゲン 30.9倍
16番人気 ラストドラフト 91.8倍
13番人気 ランスオブプラーナ 65.9倍
4番人気 ヴェロックス 7.4倍

文=場末太郎(競馬TIMES編集部)

最新の記事はこちらから