2021年3月7日、中山競馬場で弥生賞(GⅡ/芝2000m)が行われる。今回は過去のデータやレース傾向を振り返り、当レースの危険な人気馬を予想していく。
馬券を買う上で特に重要なのは「どの馬を買うか」ではなく「どの馬が消しか」を見極めることだ。
人気馬を「買わない」と判断できれば、余った資金を軸馬の買い足しや穴馬の追加購入に回すことができる。そして人気馬が馬券圏外になれば配当が跳ね上がる。
「人気だから押さえようかな」と毎回人気馬を買ってしまうと回収率は落ちていく。だからこそ「買わない人気馬」を見つけることがカギになってくるのだ。
果たして、人気が想定されるダノンザキッド、シュネルマイスター、タイトルホルダー、テンバガー、タイムトゥヘヴンらの中で危険なのはどの馬なのか。しっかり考察していこう。
過去10年のデータを参考にしていく。
目次
弥生賞の人気馬成績
過去10年のデータを見ると、1番人気は4勝、2着は2回、3着はなし。1倍台の馬の成績はそれなりといったところか。2倍台、3倍台もそれなり。
あくまでも皐月賞のステップレース、ここをメイチで勝負する陣営も多く、伏兵馬が台頭しやすいのも特徴だ。
ではここからは注目のデータをピックアップして紹介していこう。
予想参考データ① 前走ホープフルステークス組の取捨選択
前走ホープフルステークス組(0- 1- 3-8)
勝率 0.0% │ 複勝率 33.3%
数字だけを見るとホープフルステークス組は不振に見えるが、GⅠ昇格後を考えると、3年連続絡んでいる。勝ち馬が出ていないだけで、無視は禁物だ。
過去3年で絡んだ4頭の傾向だが、4番人気まで、かつ、5着まで。人気薄の馬が激走したパターンは少し軽視した方がいいか。
ホープフルステークスがランドオブリバティの逸走で、正しい評価ができない可能性もある。タイトルホルダーに関しては前走7番人気。
予想参考データ② 前走中山は意外と苦戦?
ここ数年ホープフルステークス組が絡み、去年は中山の1勝クラスを勝ったサトノフラッグが勝利している。しかし、過去10年を見ると、かなりレアな姿と言える。
ホープフルステークスがGⅠに昇格する前は京成杯組がよく来ていたが、2015年以降1頭も来ていない。他は中山時代の朝日杯組で、意外と前走中山のアドバンテージはないか。
今回面白いのは上位人気馬たちはいずれも前走中山を使っている。中山を使っていない組はゴールデンシロップとタイセイドリーマーの2頭だけ、しかも人気薄。
予想参考データ③ それぞれの馬の前走レベル
ダノンザキッドとタイトルホルダーの前走はホープフルステークスだったが、終始逃げたランドオブリバティが逸走し、レースは荒れた。ランドオブリバティが普通に回ってきてもダノンザキッドは勝てていたかとなると微妙。オープン特別時代のホープフルステークスを服ても相当遅く、ダノンザキッドを特別視するのは危険ではないか。タイトルホルダーは地力が足りないか。
シュネルマイスターの前走はひいらぎ賞だったが、勝ちタイムは強調するほどではない。前が残りそうな展開だっただけに、番手に控えたシュネルマイスターが勝つのはそこまで驚きでもないが、弥生賞で勝ち負けを期待するほどかと言われると疑問符。
タイムトゥヘヴンとテンバガーの前走は京成杯だったが、3ハロン目で14秒0、4ハロン目で13秒3というのを見ると、いかにゆるく流れたかがわかる。タイムトゥヘヴンが残るのは当然だろう。弥生賞でもタイムトゥヘヴンはドスローに落とすかもしれないが、それでダノンザキッドに勝てるかどうか。
2021年の危険な人気馬は?
タイムトゥヘヴンは人気になる見込みだが、前走のような逃げに味をしめても残しきれない可能性がある。手薄ではあるが、いったいったを期待するのは酷に思える。弥生賞の好走条件に合致せず、危険な人気馬の一頭になりそうだ。
また、シュネルマイスターは2つ目の消しデータに合致している。タイム的にパッとしないのもあるが、前走の体重が14キロ増で、そこの様子も見たい。
反対にダノンザキッドは危険なデータに一つも当てはまらない。正確には、切って勝負したくてもできないのが実情で、強い競馬ができるかどうかのレースになる。負けは許されない。人気馬の中で最も不安要素が少ないのが、ダノンザキッドと言えそうだ。