2020年10月4日、中山競馬場でスプリンターズステークス(GⅠ/芝1200m)が行われる。今回は過去のデータやレース傾向を振り返り、当レースの危険な人気馬を予想していく。
馬券を買う上で特に重要なのは「どの馬を買うか」ではなく「どの馬が消しか」を見極めることだ。
人気馬を「買わない」と判断できれば、余った資金を軸馬の買い足しや穴馬の追加購入に回すことができる。そして人気馬が馬券圏外になれば配当が跳ね上がる。
「人気だから押さえようかな」と毎回人気馬を買ってしまうと回収率は落ちていく。だからこそ「買わない人気馬」を見つけることがカギになってくるのだ。
果たして、人気が想定されるグランアレグリア、モズスーパーフレア、ダノンスマッシュ、ダイアトニック、レッドアンシェルらの中で危険なのはどの馬なのか。しっかり考察していこう。
新潟開催だった2014年を除いた過去10年のデータを参考にしていく。
目次
スプリンターズステークスの人気馬成績
過去10年のデータを見ると、1番人気は4勝、2着は1回、3着も1回。1倍台前半だった2013年のロードカナロアは勝ったが、他の1倍台2頭は着外に沈んでいる。
オッズ別で見るとかなりバラけており、単勝万馬券の馬も全くチャンスがないわけではないので、ここは取捨選択を大事にしたい。
ではここからは注目のデータをピックアップして紹介していこう。
予想参考データ① 牝馬の取捨選択
牝馬(2- 4- 5-35)
勝率 4.3% │ 複勝率 23.9%
夏は牝馬、今年もサマースプリントシリーズは牝馬の活躍が目立っていたが、大本番となるとややその迫力は落ち、わずかに牡馬よりもいいという数字に落ち着く。ただここ数年は必ず1頭は牝馬が絡む状況となっている。
ここ数年での傾向を見ると、実は前走を勝っていたのはオープン特別勝利のワンスインナムーンとウキヨノカゼのみ。しかも、本番はいずれも3着だった。セントウルステークスやキーンランドカップ、北九州記念で惜敗だった馬が多い。
モズスーパーフレアは前走北九州記念2着と惜敗、しかも斤量は今回1.5キロ減となる。去年も2着に来ており、チャンスは十分ある。
予想参考データ② 高松宮記念の好走馬に注意
変則開催の影響もあって、セントウルステークスは中京開催、CBC賞は阪神開催とデータと異なる状況があるため、ここでは高松宮記念との関係性を見る。
高松宮記念で3着以内に入った馬がスプリンターズステークスで3着以内に入った年は、中京競馬場の馬場改修があった2012年以降7回中5回。連覇もあれば、巻き返しも見られるなど見逃せない。今年はセントウルステークスが中京開催だったため、ここで上位に入った馬も要チェックだ。
今年の高松宮記念は降着の影響もあったが、上位3頭いずれも参戦している。ただ3頭揃って独占したケースはないので、その中の1頭は切れることになるが、アナタならどの馬を切るか。
予想参考データ③ 逃げ馬は外せない
スプリンターズステークスの過去の歴史を見ると、逃げ馬がとにかく勝ってきた。ここ数年を見ても勝ちこそないが、2着3着には入っている。
去年は前半3ハロン32秒8で逃げながらモズスーパーフレアが2着に粘った。番手に控えた馬がそのまま残るケースもある。つまり、ペースが少し早く流れても基本は前、最後の末脚で何とかすることは難しい。それは上がり3ハロン1位の成績が0-0-1-9であることが証明している。
グランアレグリアは高松宮記念で上位馬唯一後方から突っ込んできた馬だった。マイルでも中盤での競馬を強いられるぐらいなので、今回も後方になる可能性が高い。ルメール騎手が工夫して乗れるか。
2020年の危険な人気馬は?
グランアレグリアは人気になる見込みだが、やはりマイル近辺がこの馬に合っている。初めての中山というのも引っ掛かり、後方からの競馬を強いられ、上がりの競馬では全く歯が立たないこのレースを見ると、力が発揮できないケースも十分にあり得る。スプリンターズステークスの好走条件に合致せず、危険な人気馬の一頭になりそうだ。
また、レッドアンシェルは3つ目の消しデータに合致している。サマースプリントの王者だが、その王者がここも勝つほど甘くはない。中盤での競馬を余儀なくされる中でさほど武器もなく、上位まで行けるかどうか。
反対にダノンスマッシュは危険なデータに一つも当てはまらない。中山はそこまで相性が悪いわけではなく、本来なら勝ってもおかしくない。セントウルステークスは大外からよく前目につけた。これがそれなりの枠ならさらに楽な形で先行できる。ここでトライアルキングの称号を取り払いたいところだ。人気馬の中で最も不安要素が少ないのは、ダノンスマッシュと言えそうだ。