2018年11月18日、京都競馬場でマイルチャンピオンシップ(GⅠ/芝1600m)が行われる。去年の覇者ペルシアンナイトやNHKマイルカップの覇者のケイアイノーテックと前年の覇者アエロリットなどマイル王者を決めるには最高のメンバーだが、ここではエアスピネルに注目したい。
エアスピネルの前走は富士ステークスだったが、マルターズアポジーの軽快な逃げ、ペースもやや速く、エアスピネルはやや先行したところにいたが、前にいた勝ち馬ロジクライと上がりのタイムが同じではどうにもならず、54キロの牝馬2頭にも負けて4着に終わった。
堅実性から常に人気を背負ってきたが、今回はアエロリットなど活きのいい牝馬や3歳馬が集まり、やや人気は下がりそうな気配だ。ここがGⅠタイトルの最後のチャンスかもしれず、何とか意地を見せたいところだ。
目次
期待① 少しでも渋れば大チャンス
エアスピネルが勝ったレースを見ると、強調しやすいタイムで勝ったわけではないことがわかる。持ちタイム自体は1分31秒台と悪くないが、いずれも負けており、すべての馬にとって走りやすい環境ではエアスピネルは少々分が悪い。その分、特殊なレースになった場合にはエアスピネルの堅実性が光る。
良馬場以外のレースは過去に3戦しているが2勝2着1回であり、この2着は去年のマイルチャンピオンシップだ。馬場が渋り、後ろの馬がなかなか末脚を爆発できない状態になればエアスピネルはチャンスだ。今週の京都競馬場は土曜に雨予報となっている。どれだけ降るか、そして回復の勢いはどうか、そこに注目だ。
期待② 京都マイルでの相性は抜群
エアスピネルが得意なのは戦績を見る限りでは京都ではないか。特にマイルで強く、京都マイルは5戦走り、2勝2着2回3着1回とすべて馬券圏内だ。5番手6番手で競馬をするのがこの馬のスタイルだが、今回のメンバーを見てもそれは何とか叶いそうだ。後は余力を残して回ってきてどこで抜け出すか。
得意な舞台ほど安心できるものはなく、アエロリットのように遠征に不安を残したり、モズアスコットのようにどうにも京都で差し切れなかったりしていると不安を抱えて乗ってしまう。その点、京都でより堅実に走ることが分かっていれば余計な力をいれずに勝負できる。その点ではエアスピネルは落ち着いて競馬ができるので安心だ。
不安① 熱発の影響
人間もそうだが、少しでも風邪を引くと普段通りの体調に戻すのに意外と時間がかかる。馬も当然風邪を引く動物だが、エアスピネルもどうやら熱があったようだ。11月6日に熱発があり、1週間前追い切りをずらして行うなどここまでの過程はパーフェクトではなく、順調さをやや欠いている。
それでも今週の調教は動きがよく、熱発の影響はそれほどなさそうという見方も出ている。少しでも順調さを欠くと気になるものだが、動き自体はそこまでではない。富士ステークスは展開が向かず、勝負所で動きたくても動けなかったというのがあった。万全を期すためにあえて休ませたのであれば、それが功を奏する方に期待したい。
まとめ
相手が揃った印象があり、エアスピネルには厳しいかもしれないが、ダービーでも菊花賞でも明らかに適鞍ではないのに頑張れたというのは大きい。どちらの意味でも相手なりに走れる馬であり、飛び抜けた強さはないもののスランプなく走れる。気持ちも常に前向きという見方もできる。
リスグラシューもなかなか勝てず、ようやくエリザベス女王杯で勝てた。今年のGⅠのテーマは悲願。春は騎手の悲願だったが、秋は馬の悲願。それならばマイルチャンピオンシップ、エアスピネルの悲願が叶う時ではないだろうか。