2021年2月14日、東京競馬場で共同通信杯(GⅢ/芝1800m)が行われる。今回は過去のデータやレース傾向を振り返り、当レースの危険な人気馬を予想していく。
馬券を買う上で特に重要なのは「どの馬を買うか」ではなく「どの馬が消しか」を見極めることだ。
人気馬を「買わない」と判断できれば、余った資金を軸馬の買い足しや穴馬の追加購入に回すことができる。そして人気馬が馬券圏外になれば配当が跳ね上がる。
「人気だから押さえようかな」と毎回人気馬を買ってしまうと回収率は落ちていく。だからこそ「買わない人気馬」を見つけることがカギになってくるのだ。
果たして、人気が想定されるステラヴェローチェ、シャフリヤール、レフトゥバーズ、ディオスバリエンテ、エフフォーリアらの中で危険なのはどの馬なのか。しっかり考察していこう。
過去10年のデータを参考にしていく。
目次
共同通信杯の人気馬成績
過去10年のデータを見ると、1番人気は1勝、2着は3回、3着は1回。1倍台の馬は過去10年で6頭いるが未勝利。クラシックにつながりやすいレースなだけに生半可な人気では勝てないということか。
少頭数になりやすいが、意外とヒモ荒れ、伏兵馬の存在が大きい。面白さは十二分にあるといっていい。
ではここからは注目のデータをピックアップして紹介していこう。
予想参考データ① 新馬組の取捨選択
新馬組(1- 1- 1-4)
勝率 14.3% │ 複勝率 42.9%
ホープフルステークスや朝日杯、東スポ杯とクラシックの王道を歩みたい馬たちがやってくる中で、元々新馬組は少ない。取捨選択が重要になる。
新馬組の条件は前走1番人気1着であること。着差は問わないが、1015年1着のリアルスティールはコンマ6秒差の完勝だった。
レフトゥバーズはコンマ6秒差の圧勝だったが、3番人気。シャフリヤールは1番人気だったが着差なし、ディオスバリエンテも1番人気だったが、こちらはコンマ1秒の差。非常に微妙である。
予想参考データ② 先行馬の脚比べ
過去10年を見てると、4コーナー5番手までが勝ち負けのラインになりそう。これは5番手前後の馬が上がり1位や2位の記録をマークするためで、後ろからではよほど鬼脚でないと難しい。
かといって逃げ馬が来るわけではなく、2012年2着のディープブリランテみたいに逃げて33秒台の脚がないときつそうだ。大逃げを打って残すみたいな芸当はやりにくい。
レフトゥバーズは新馬戦で中団から、ステラヴェローチェは重賞になると中団からの競馬が多い。鬼脚を見せられるかどうか。
予想参考データ③ それぞれの馬の前走レベル
ステラヴェローチェの前走は朝日杯フューチュリティステークスだったが、タイムはモントライゼの暴走逃げもあって、タイムは速め。大逃げの2番手はマイペースになることが多く、意外と前残りが目立った中で2着に入ったのだから優秀とみていい。ただ同じことをここで再現できるかどうか。
シャフリヤールの前走は新馬戦だが、タイム的にはまずまず。2着馬は勝ち上がっており、新馬戦が低レベルだったとは言えない。レフトゥバーズの前走も新馬戦、こちらはとても優秀な勝ちタイム。同時期同条件の新馬戦では群を抜いてトップだった。ただ注意したいのは、ドスローになりやすい新馬戦で平均ペースまで流れ、他の馬たちはその後苦戦している。牝馬限定戦というのも引っかかる。
ディオスバリエンテの前走も新馬戦、こちらも大変優秀なタイムだった。レフトゥバーズと違うのはペースはスロー、勝ち上がりの馬が複数いる点だ。新馬戦組で一番狙えると言ってよさそうだ。
エフフォーリアの前走は百日草特別だが、この条件になってからだとやや遅め。典型的な上がり勝負で、切れ味が上回ったのがエフフォーリア。2着のレインフロムヘヴンが東スポ杯で大敗を喫し、3着だったヴェローチェオロも1勝クラスを抜け出せない。レベル的にどうだったか。
2020年の危険な人気馬は?
レフトゥバーズは人気になる見込みだが、前走は勝ち方やタイムを見れば優秀だが、中身をよく見ればブービートラップのように感じ、伴っていない。牝馬でいきなりこの中に入るのは厳しく、むしろここで勝ち負けになれば一躍クラシック候補だが、そこまでか。共同通信杯の好走条件に合致せず、危険な人気馬の一頭になりそうだ。
また、エフフォーリアは3つ目の消しデータに合致している。前走がやや低レベルだった可能性が高く、以前までの百日草特別のような出世レース感もあまり感じない。
反対にディオスバリエンテは危険なデータに一つも当てはまらない。新馬戦が時計も中身も非常に充実していた。1番枠なのですんなりと出られるのも大きい。この血統はなぜか非根幹距離に強く、1800もぴったり。人気馬の中で最も不安要素が少ないのが、ディオスバリエンテと言えそうだ。