2019年4月6日、阪神競馬場で阪神牝馬ステークス(GⅡ/芝1600m)が行われる。今回は過去のデータやレース傾向を振り返り、当レースの危険な人気馬を予想していく。
馬券を買う上で特に重要なのは「どの馬を買うか」ではなく「どの馬が消しか」を見極めることだ。
人気馬を「買わない」と判断できれば、余った資金を軸馬の買い足しや穴馬の追加購入に回すことができる。そして人気馬が馬券圏外になれば配当が跳ね上がる。
「人気だから押さえようかな」と毎回人気馬を買ってしまうと回収率は落ちていく。だからこそ「買わない人気馬」を見つけることがカギになってくるのだ。
果たして、人気が想定されるラッキーライラック、カンタービレ、ミッキーチャーム、サラキア、レッドオルガ、クロコスミアらの中で危険なのはどの馬なのか。しっかり考察していこう。
1600メートルでの開催は2016年からなので、過去3年のデータを参考にする。
目次
阪神牝馬ステークスの人気馬成績
マイル開催になった2016年以降で見ていくと、1番人気は1勝2着1回3着1回と複勝率はパーフェクト。過去10年だと成績は悪いため、距離延長で傾向は変わったようだ。
上位人気はチラホラといるが、去年のように11番人気の激走もある。ただ傾向的に以前より人気サイドで決まりやすいというのは覚えておきたい。
ではここからは注目のデータをピックアップして紹介していこう。
予想参考データ① 前は残りやすいが・・・
このレースの翌日に開催される桜花賞はとにかく末脚が大事で、あとは立ち位置不問。最後方からでも一気に差せる。
ところが、阪神牝馬ステークスは過去3年で2回逃げ馬が勝っており、同じ阪神マイルでも明らかに傾向は異なることが分かる。
注意したいのは逃げ切った2頭はいずれも前走で重賞を制していた。2016年のスマートレイアーも2018年のミスパンテールも重賞で勝利している。
牝馬は格より勢い、これが定説だが、格も勢いもあるとなれば、そこは素直に上位の馬を信じる。逃げれば何でもいいということではない。
前に行く馬に前走1着馬がいるような状況で、後ろから一気に差すとすれば、そこそこの末脚を見せなければならず、桜花賞とは違う発想が求められる。
予想参考データ② 下級条件組の下剋上
牝馬は格より勢い、本当によく出てくる言葉だが、過去3年の阪神牝馬ステークスを見ると、3頭が馬券圏内に入っており、無視はできない。
その中の3頭にアドマイヤリードやジュールポレールが含まれている。後にヴィクトリアマイルを制する2頭もここで結果を出していた。
3頭の共通点は1着だったこと、タイム差をつけて勝っていたこと。コースや距離は問わないが、マイル以上のところで走っているのがいいだろう。
今年は唯一1頭メイショウオワラだけが該当するが、10番人気での勝利。同型も多く果たしてどうか。
予想参考データ③ 斤量55キロ以上の馬の扱い
基本的に阪神牝馬ステークスの斤量のベースは54キロとなっている。別定戦なので、去年GⅠを勝てば2キロ、それ以前にGⅠ勝利、もしくは去年GⅡを制した馬は1キロ増える。
過去3年で55キロ以上で馬券圏内に入ったのはミッキークイーンただ1頭のみ。56キロを背負った2016年は2着、55キロになった2017年は1着だった。
ミッキークイーンの前走は2016年がジャパンカップでコンマ3秒差8着、2017年は有馬記念でコンマ4秒差5着、牡馬の一線級に大健闘を見せていた。
ちなみに去年はアドマイヤリード、ソウルスターリング、一昨年はクイーンズリング、3年前はストレイトガールが斤量の餌食となった。
たった1キロ増えるだけなのだが、この1キロが果てしなく重い1キロとなる。克服できそうかどうかも見ておきたい。
2019年の危険な人気馬は?
カンタービレは人気に支持される見込みだが、今回斤量55キロで、ラッキーライラックだけでなく古馬よりも重くなる。エリザベス女王杯が恵まれた斤量でコンマ6秒差の負け。これを挽回するのはちょっとしんどいか。阪神牝馬ステークスの好走条件に合致せず、危険な人気馬の一頭になりそうだ。
また、サラキアは1つ目の消しデータに合致している。3歳春から期待され続け、ここはチャンスかもしれないが、休み明けがさほど得意ではなく、実績自体それほどのものはない。割引でいいだろう。
反対にクロコスミアは危険なデータに一つも当てはまらない。前走の中山牝馬ステークスは6着だがコンマ1秒差。斤量は久々に54キロで2年ぶりのマイル。ちなみにその2年前というのが2017年の阪神牝馬ステークスだったが、逃げて4着。今年は有力馬がこれでもかと揃った。エリザベス女王杯の再現は可能だ。人気馬の中で最も不安要素が少ないのが、クロコスミアと言えそうだ。