2019年7月14日、函館競馬場で函館記念(GⅢ/芝2000m)が行われる。今回は過去のデータやレース傾向を振り返り、当レースの危険な人気馬を予想していく。
馬券を買う上で特に重要なのは「どの馬を買うか」ではなく「どの馬が消しか」を見極めることだ。
人気馬を「買わない」と判断できれば、余った資金を軸馬の買い足しや穴馬の追加購入に回すことができる。そして人気馬が馬券圏外になれば配当が跳ね上がる。
「人気だから押さえようかな」と毎回人気馬を買ってしまうと回収率は落ちていく。だからこそ「買わない人気馬」を見つけることがカギになってくるのだ。
果たして、人気が想定されるエアスピネル、ステイフーリッシュ、レッドローゼス、マイスタイル、ポポカテペトル、ナイトオブナイツらの中で危険なのはどの馬なのか。しっかり考察していこう。
札幌で開催された2009年を除く、過去10回分のデータを参考にする。
目次
函館記念の人気馬成績
過去10年のデータを見ると、1番人気は1回も勝っておらず、2着2回だけ。信頼度は重賞の中ではかなり低いと見ていいだろう。
2番人気以降も同じだが、1番人気と違うのは2番人気から5番人気からすべて勝ち馬が出ている点。また7番人気が複勝率7割と不思議な傾向もある。
ではここからは注目のデータをピックアップして紹介していこう。
予想参考データ① 基本は前目から
脚質・逃げ(2- 0- 1-7)
勝率 20.0% │ 複勝率 30.0%
脚質・後方(0- 0- 1-46)
勝率 0.0% │ 複勝率 2.1%
小回りの平坦コースの宿命だが、基本は前が残りやすい。その傾向が強まると逃げた馬が残りやすくなるが、函館記念はその典型例。
それでいて後方にいた馬は壊滅的な戦績。4コーナー10番手以下で3着以内に来た例は過去10年でわずか1頭のみ。
3コーナーまでは10番手以下だった馬も3コーナーから4コーナーでポジションを上げている。中山でも同じような競馬が見られるが、小回りコースでの実績のある馬が狙いか。
予想参考データ② 巴賞組の取捨選択
前走・巴賞(1- 4- 3-41)
勝率 2.0% │ 複勝率 16.3%
函館記念のステップレースになっているのが巴賞。オープン特別で行われ中1週で臨めるので、たたき台にはふさわしいレースと言えるのだが、戦績は強調できない。
巴賞組で来た馬の傾向を見ると、巴賞を勝った馬はたった1頭しか2着に来ておらず、巴賞で馬券圏内だった馬はもう1頭来ているが、それも本番では3着。
巴賞で人気を背負いながら着外に終わった馬が狙い目だが、もう1つ巴賞組は複数で来る傾向にあり、巴賞組を狙うならセットで狙っておきたい。
予想参考データ③ 狙い目は56キロ
今回のトップハンデはエアスピネルの58キロだが、4頭中1頭しか馬券に絡んでおらず微妙。2014年2着のダークシャドウは前走エプソムカップを使っているが、エアスピネルは8か月の休み明け、果たして。
狙い目は56キロ、54キロ、55キロ。それぞれ4勝、3勝、2勝となっている。複勝率では55キロか。
重いハンデを背負うなら勢いを、軽いハンデなら前走人気を背負って敗れたような馬が狙いということになりそう。
2019年の危険な人気馬は?
エアスピネルは人気になる見込みだが、斤量58キロで8か月の休み明け、鉄砲はきかないとなれば無理に狙わなくていいか。実績はあるがいくらなんでも強調はしにくい。函館記念の好走条件に合致せず、危険な人気馬の一頭になりそうだ。
また、ナイトオブナイツは2つ目の消しデータに合致している。洋芝はハービンジャー産駒、今年もそれは健在だが、去年は巴賞1着で函館記念は8着。久しぶりの連対が翌年の巴賞では、ちょっと厳しいのではないか。
反対にマイスタイルは危険なデータに一つも当てはまらない。逃げれば強く、函館記念ともマッチする。巴賞は58キロで、ここでは56キロと斤量減も味方するはず。去年は条件馬だったが函館2000メートルで危なげなく2連勝。小回りコースでも一定の力は見せた。ここは勝負だろう。人気馬の中で最も不安要素が少ないのが、マイスタイルと言えそうだ。