ドバイワールドカップ2018の予想オッズ・人気と出走予定馬は?ダート最強馬決定戦

2018年3月31日(日本時間4月1日)、UAE・メイダン競馬場でドバイワールドカップ(GⅠ/ダート2000m)が行われる。アメリカ最高峰のブリーダーズカップクラシックなどと並んで、ダートで世界トップレベルの評価を受けているレースで、総賞金1,000万ドル(約11億円)、優勝賞金600万ドル(約6億6000万円)と、世界で2番目の高額賞金で争われる。2017年にアメリカでペガサスワールドカップ(総賞金1,630万ドル)が創設されるまでは世界最高賞金レースだった。

創設は1996年。2010年にナドアルシバ競馬場から現在のメイダン競馬場へと開催場が移り、同時にダートからオールウェザーに変更となったが、2015年からは再びダートに戻った。歴代の優勝馬には、シガー、シングスピール、ドバイミレニアム、カーリンなど歴史的名馬が連なり、オールウェザー開催だった2011年には日本馬のヴィクトワールピサが優勝している。昨年はアメリカのアロゲートが制してGⅠ4連勝を飾り、アメリカの歴代賞金王の座に就いた。

ダートの本場であるアメリカの馬が強く、昨年は3着までを独占している。今年に入ってメイダン競馬場では、ドバイワールドCと同舞台で行われる前哨戦のアルマクトゥームチャレンジラウンド3がレコードタイムで決着するなど、3つのコースでレコードが更新されており、速いタイムが出やすい馬場状態。例年以上に、スピードとパワーに優れるアメリカ馬に向きそうだ。


出走予定馬・登録馬

中心になるのは、アメリカの4歳牡馬ウエストコースト。アメリカのクラシック競走は不出走だったが、3歳戦で3冠レースに次ぐ価値があるトラヴァーズS(ダート2000m)で、同期の3冠レース勝ち馬をまとめて下してGⅠ初制覇。さらに続くペンシルバニアダービー(ダート1800m)も制した。その後も、ブリーダーズCクラシック(ダート2000m)3着、ペガサスワールドC(ダート1800m)2着とアメリカ最高峰のレースで好勝負を演じている。

特に前走のペガサスワールドCは、昨年の年度代表馬でGⅠ5連勝を飾って引退したガンランナーの2着。相手が悪かっただけで、3着のガンナヴェラ(今回も出走)には10馬身3/4もの差をつけた。そのガンランナーと前述のアロゲートという2頭の怪物が引退した今、アメリカで現役No.1と言ってもいい実力馬だ。

昨年はペガサスワールドCの1、3着馬がドバイワールドCでも1、3着だったように、ペガサスワールドCは前身のドンHの時代から最重要ステップで、臨戦課程も理想的。ウィリアムヒルやラドブロークスなど、イギリスの大手ブックメーカーは2.0倍前後のオッズをつけている。また、管理するボブ・バファート調教師は、昨年のアロゲートに加え、1998年シルバーチャーム、2001年キャプテンスティーヴと、このレースを3勝している。

ウエストコーストに次ぐ存在と言えるのが、同じアメリカの6歳牝馬フォーエバーアンブライドルド。昨年の覇者アロゲートと同じアンブライドルズソング産駒で、母レモンズフォーエバーはケンタッキーオークス馬という良血だ。

本格化は遅かったが、3歳の11月に重賞ウイナーの仲間入りを果たすと、翌年4月のアップルブラッサムH(ダート1700m)でGⅠ初制覇。同年のブリーダーズCディスタフ(ダート1800m)では、ビホルダー(GⅠ11勝)、ソングバード(GⅠ9勝)という歴史的名牝2頭に次ぐ3着に入った。

5歳となった昨年はさらにパワーアップし、8月のパーソナルエンスンS(ダート1800m)では、GⅠ10勝目を狙ったソングバードを撃破。前年の雪辱を期して臨んだ続くブリーダーズCディスタフでは、直線入り口で先頭に立つ積極策で押し切ってGⅠ4勝目を飾り、エクリプス賞最優秀ダート古牝馬に輝いた。

牡馬との対戦は初めてになるが、アメリカの現役牝馬No.1であることは疑う余地がない。大手ブックメーカーも、8~10倍のオッズをつけている。

アメリカ勢では、4歳牡馬ガンナウェラも実力がある。GⅠは未勝利ながら、重賞3勝&GⅠ3着2回の実績がある。前述の通り、前走のペガサスワールドCでは2着のウエストコーストから10馬身以上離された3着だったが、陣営は停留精巣が原因で本来の状態ではなかったと話しており、巻き返しの可能性を秘めている。

ほかでは、6歳牡馬ムブタヒージも実績上位。このレースで一昨年2着、昨年4着と2年連続で好走し、南アフリカからアメリカに移籍して昨秋にオーサムアゲインS(ダート1800m)を勝っている。4歳牡馬パブルはまだキャリア7戦と若く、上がり目に期待できそうだ。

アメリカ以外では、フランスの5歳牡馬タリスマニックの評価が高く、大手ブックメーカーは8~9倍のオッズをつけている。昨年の仏GⅡモーリスドニュイユ賞(芝2800m)で重賞初制覇を飾ると、秋にアメリカへ遠征してブリーダーズCターフ(芝2400m)を制覇。続く香港ヴァーズでも、GⅠを7勝したハイランドリールに迫る2着と力を示した。

前走のダルシャーン賞(AW1900m)では、凱旋門賞2着のクロスオブスターズ(ドバイシーマクラシックに出走)を撃破。ダートの出走経験はないものの、フランスで20年連続のリーディングトレーナーに輝き、凱旋門賞を7勝しているアンドレ・ファーブル調教師の管理馬という点が不気味だ。母系は世界的名門で、ディープインパクトと同じ一族でもある。

地元UAEの6歳騸馬ノースアメリカも有力馬の1頭。今年はアルマクトゥームチャレンジラウンド1、アルマクトゥームチャレンジラウンド2でともに2着に入ると、アルマクトゥームチャレンジラウンド3をレコードタイムで逃げ切ってGⅠ初制覇。今回も対戦するサンダースノーに5馬身1/4差をつけた。コース適性と勢いは魅力で、大手ブックメーカーは8~11倍のオッズをつけている。

アルマクトゥームチャレンジラウンド3で2着だったサンダースノーは、UAEの4歳牡馬。フランスでクリテリウムアンテルナシオナル(芝1400m)、ジャンプラ賞(芝1600m)とGⅠを2勝している。昨年のUAEダービーでエピカリスとのマッチレースを制して優勝したように、コース実績も強調材料だ。

管理するサイード・ビン・スルール調教師は、2000年のドバイミレニアムをはじめ、1999年アルムタワケル、2002年ストリートクライ、2003年ムーンバラッド、2006年エレクトロキューショニスト、2014年アフリカンストーリー、2015年プリンスビショップと、このレースを7勝している。

日本から参戦するアウォーディーは、昨年もこのレースに出走して5着だったが、勝ち馬からは10馬身以上の差をつけられた。ダートで連対を外していなかった昨年でさえ歯が立たなかっただけに、8歳となって勢いに陰りが見えている今年は、昨年より厳しい戦いを強いられそうだ。

アウォーディー牡8武豊騎手松永幹厩舎
ウエストコースト牡4カステリ騎手バファー厩舎
ガンナヴェラ牡4ロザリオ騎手サノ厩舎
サンダースノー牡4スミヨン騎手スルール厩舎
タリスマニック牡5バルザロ騎手ファーブ厩舎
ノースアメリカセ6マレン騎手シーマー厩舎
パブル牡4グティエ騎手オニール厩舎
フォーエバーアンブライドルド牝6スミス騎手スチュワ厩舎
フリアクルサーダ牝6フレス騎手小林智厩舎
ムブタヒージ牡6エスピノ騎手バファー厩舎

想定・予想オッズ

5番人気アウォーディー8.1倍
1番人気ウエストコースト2.2倍
8番人気ガンナヴェラ42倍
4番人気サンダースノー6.2倍
2番人気タリスマニック3倍
7番人気ノースアメリカ18.7倍
9番人気パブル60.8倍
6番人気フォーエバーアンブライドルド16.7倍
10番人気フリアクルサーダ99.6倍
3番人気ムブタヒージ5.1倍
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