有馬記念2018の競馬予想分析!好走率約5割、軸馬発掘ファクターを公開

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2018年12月23日、中山競馬場で有馬記念(GⅠ/芝2500m)が行われる。シュヴァルグラン、サトノダイヤモンド、オジュウチョウサン、ブラストワンピース、キセキ、レイデオロらが出走するが、どんなレースが展開されるのか?台頭する可能性を秘めた伏兵とは?

今回は過去10年の有馬記念の傾向から、軸馬にふさわしい馬を導き出していく。

過去10年のデータを振り返っていくと、ある興味深い傾向が浮かび上がってくる。果たして信頼性の高い軸になりえる馬とは、どの出走馬なのだろうか?


目次

予想ポイント 11番人気以下は消し

まずは人気から。有馬記念は波乱のイメージが強いものの、大波乱が起こることはめったにない。

実際、過去10年で馬券に絡んだ11番人気以下の馬は3頭のみだ。

人気 着別度数 勝率 複勝率 単勝回収値 複勝回収値
1番人気 6- 2- 1- 1/ 10 60.0% 90.0% 136 116
2番人気 2- 1- 2- 5/ 10 20.0% 50.0% 124 78
3番人気 0- 0- 2- 8/ 10 0.0% 20.0% 0 38
4番人気 1- 1- 1- 7/ 10 10.0% 30.0% 87 87
5番人気 0- 1- 0- 9/ 10 0.0% 10.0% 0 29
6番人気 0- 0- 0- 10/ 10 0.0% 0.0% 0 0
7番人気 0- 1- 0- 9/ 10 0.0% 10.0% 0 49
8番人気 1- 1- 0- 8/ 10 10.0% 20.0% 170 96
9番人気 0- 1- 1- 8/ 10 0.0% 20.0% 0 124
10番人気 0- 1- 1- 8/ 10 0.0% 20.0% 0 113
11番人気 0- 0- 1- 9/ 10 0.0% 10.0% 0 38
12番人気 0- 0- 0- 10/ 10 0.0% 0.0% 0 0
13番人気 0- 0- 0- 10/ 10 0.0% 0.0% 0 0
14番人気 0- 1- 1- 7/ 9 0.0% 22.2% 0 393
15番人気 0- 0- 0- 8/ 8 0.0% 0.0% 0 0
16番人気 0- 0- 0- 7/ 7 0.0% 0.0% 0 0

なお、二桁人気馬が2頭好走した年が一度だけある。2008年、ダイワスカーレットが勝った年だ。

この年は一番人気のダイワスカーレットが逃げ、他の有力馬が追走するという流れだった。前は激戦となり、ダイワスカーレットに潰されてすべての有力馬が馬群に沈んだ。そして代わりに台頭したのがエアシェイディとアドマイヤモナークだった。

もっとも、前述の通りダイワスカーレットが有力馬をすべてなぎ倒したことによる漁夫の利的な結果だったと言える。普通の年であれば、ここまで荒れることは考えにくい。

よって、基本的に超大穴を狙いすぎないほうがいいだろう。

※以降は10番人気以内で集計

予想ポイント 6歳以上は消し

有馬記念のポイントは「余力があるかどうか」である。

古馬王道路線の最終戦という位置づけで、各馬は消耗しているケースが多い。特に天皇賞秋、ジャパンカップと歩んできた馬は目に見えない疲れを抱えていることも少なくない。

だからこそ、体力面で分がある若い馬たちが台頭する傾向にある。

年齢 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単勝回収値 複勝回収値
3歳 4- 2- 1-17/24 16.7% 25.0% 29.2% 66 65
4歳 2- 5- 2-19/28 7.1% 25.0% 32.1% 70 106
5歳 4- 2- 4-29/39 10.3% 15.4% 25.6% 41 54
6歳 0- 0- 0- 7/ 7 0.0% 0.0% 0.0% 0 0
7歳 0- 0- 1- 1/ 2 0.0% 0.0% 50.0% 0 300

6歳以上としてはエアシェイディが好走しているが、理由は前述の通りだ。

基本的に3、4、5歳を中心に考えていくのが得策だろう。

予想ポイント キャリア21戦以上は消し

馬齢と同じような理由でキャリアもポイントになる。

競走馬の脚は消耗品だ。走っていればいるほどすり減っていく。蓄積した疲労は、余力勝負の有馬記念においては致命傷になりかねない。

キャリア 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単勝回収値 複勝回収値
6~10戦 4- 2- 1- 15/ 22 18.2% 27.3% 31.8% 72 71
11~15戦 2- 5- 1- 14/ 22 9.1% 31.8% 36.4% 89 108
16~20戦 3- 2- 3- 20/ 28 10.7% 17.9% 28.6% 43 80
21~30戦 1- 0- 3- 22/ 26 3.8% 3.8% 15.4% 15 41
31戦~ 0- 0- 0- 2/ 2 0.0% 0.0% 0.0% 0 0

実際、21戦以上になると好走例は激減する。

なお、唯一の勝ち馬ドリームジャーニーは“中山マイスター”(朝日杯フューチュリティステークスの勝ち馬 ※当時中山開催)であり、春のグランプリ・宝塚記念の勝ち馬だった。

そして残りの3頭のうち、1頭は前述のエアシェイディ。もう1頭は有馬記念を勝った実績があったゴールドシップだった。

最後の1頭のシュヴァルグランは中山実績こそ乏しかったが、前走のジャパンカップでキタサンブラックを破って優勝した実力馬だった。

このレベルの馬でないと、激走は厳しいということだ。

予想ポイント 叩き4戦目以降は消し

まだまだ余力に関する項目は残っている。次に気にしたいのは「いつ休んだか」である。

やはり走り続けていると消耗は激しくなってしまう。よって、特に夏場にしっかり休みをとった馬のほうがいい成績を残す傾向にある。

反対に叩き4走目以降になると、好走率はガクッと落ちる。

間隔 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単勝回収値 複勝回収値
10~25週 1- 0- 1- 2/ 4 25.0% 25.0% 50.0% 40 67
半年以上 0- 0- 0- 1/ 1 0.0% 0.0% 0.0% 0 0
明け2戦 1- 1- 0- 11/ 13 7.7% 15.4% 15.4% 20 29
明け3戦 7- 6- 7- 36/ 56 12.5% 23.2% 35.7% 69 103
明け4戦 1- 1- 0- 15/ 17 5.9% 11.8% 11.8% 49 20
明け5戦 0- 0- 0- 1/ 1 0.0% 0.0% 0.0% 0 0
明け6~ 0- 1- 0- 7/ 8 0.0% 12.5% 12.5% 0 66

叩き4戦目以降で好走したのはわずかに3頭。

うち2頭はフレッシュな3歳馬だった。しかもブエナビスタとヴィクトワールピサ。いずれも歴史的名馬である。

また、もう一頭のオーシャンブルーは“有馬記念血統”のステイゴールド産駒だったことに加え、4歳ながらキャリア13戦と消耗が少なかった。

要するによほど余力を感じられる馬齢やキャリアでなければ、叩き4戦目以降での激走を臨むのは難しいわけだ。

予想ポイント 前走後方待機は消し

脚質にも触れておこう。

有馬記念は小回りコースで直線が短い。当然ながら最後の直線にかけるタイプより、先行してコーナーをそつなくこなして直線で脚をまとめられるタイプのほうが合っている。

実際、前走後方から競馬をした馬の成績は低い。

前走脚質 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単勝回収値 複勝回収値
平地・逃げ 2- 1- 0- 4/ 7 28.6% 42.9% 42.9% 64 52
平地・先行 3- 1- 3-20/27 11.1% 14.8% 25.9% 102 87
平地・中団 2- 6- 2-36/46 4.3% 17.4% 21.7% 24 77
平地・後方 1- 0- 2-10/13 7.7% 7.7% 23.1% 30 35
平地・マクリ 1- 1- 0- 0/ 2 50.0% 100.0% 100.0% 135 135

後方から競馬をして馬券に絡んだのは3頭。しかしうち2頭……ゴールドシップとルーラーシップはいずれも2番人気3着と人気を裏切っている。

唯一の勝ち馬、ドリームジャーニーは前述の通りグランプリホースだった。

基本的に後ろから行く馬は軽視したほうがいいだろう。

予想ポイント 7、8枠は消し

そして最後はベタに枠順について。有馬記念は極端な内枠有利というわけではないが、さすがに大外だと厳しい。

最初のコーナーまで距離がないため、どうしても外外を回らざるを得なくなってしまう状況になりがちだからだ。

枠番 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単勝回収値 複勝回収値
1枠 2- 2- 1- 8/13 15.4% 30.8% 38.5% 79 60
2枠 1- 2- 0- 9/12 8.3% 25.0% 25.0% 72 90
3枠 1- 2- 0- 5/ 8 12.5% 37.5% 37.5% 20 142
4枠 1- 2- 1-10/14 7.1% 21.4% 28.6% 121 115
5枠 1- 1- 3-11/16 6.3% 12.5% 31.3% 25 93
6枠 2- 0- 1- 8/11 18.2% 18.2% 27.3% 43 54
7枠 1- 0- 2-12/15 6.7% 6.7% 20.0% 18 30
8枠 1- 0- 0-10/11 9.1% 9.1% 9.1% 23 11

8枠から唯一好走したのはダイワスカーレット。同馬は抜群のスタートから最初のコーナー地点で先頭に立っていた。つまり、距離ロスがほとんどなく、枠順の影響を受けなかったわけだ。

そして7枠から好走した3頭は……なんといずれもゴールドシップだった。このクラスの馬でないと好走は厳しい。しかもゴールドシップにしても、2番人気3着、1番人気3着と、人気より走っていない。

消しデータまとめ

これらのデータに加え、半年以上の休み明けや前走GIII以下に出走していた明らかな格下馬を除外すると、以下のデータが残る。

着別度数 勝率 連対率 複勝率 単勝回収値 複勝回収値
6- 7- 3-15/31 19.4% 41.9% 51.6% 109 153

好走率は50%を超え、単複回収値も100オーバーと優秀な成績となっている。

今年の該当馬は?

今年、このデータに該当する馬を見ていくと……

クリンチャー
モズカッチャン
サトノダイヤモンド
ブラストワンピース
レイデオロ

軸にするもよし、相手にするもよし。一つだけ言えることは、これらすべての馬を馬券から外すことは的中よりも外れに近づいてしまう可能性が高そう、ということだ。

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