そもそも“確執”はあったのか?
もっとも、ここでひとつの疑問が生じる。
そもそも本当に両者の関係は悪化していたのだろうか?
事実として故障後、武豊騎手への騎乗依頼は減った。悪いうわさがなかったわけでもないため、メディアは面白おかしく“確執”や“絶縁”と書きたてた。
しかし、前述のデータを見ると、社台グループから武豊騎手に対する騎乗依頼が全くなくなったわけではないことが分かる。半分程度に減ったとはいえ、しっかりと関係は続いていた。
そう考えると、こうは考えられないだろうか?
単純に武豊騎手が不調だったから素質馬への騎乗が減っただけの話、と。
今でこそエージェントの力が強くなっているが、基本的に騎手の世界は実力社会である。結果が出せなければいい馬は巡ってこない。それは武豊騎手自身が事あるごとに認めていることだ。
よって、復調を果たした武豊騎手に再び有力馬への騎乗依頼が舞い込んできたことは必然だといえる。武豊騎手と社台グループの関係が冷え込んだというのは、ある意味オカルト的な見方だったのだ。
結果を出し続けられれば……
まとめると、武豊騎手の復調に伴い、社台グループからの騎乗依頼は増えている。
しかもポルトフォイユのような素質馬に騎乗できる機会も多くなっている。今後も結果を出し続けられれば、有力馬に騎乗する機会は増えていく可能性が十分にあるわけだ。
そのポルトフォイユは新馬戦でGI馬レッドリヴェールの弟レッドヴェルサスに5馬身差をつける圧勝劇を演じた。余程のことがない限り、今後も武豊騎手が騎乗し続けることだろう。
そうなると再び、武豊騎手×社台グループでクラシックやGIを制する機会があるかもしれない。
さて、今度はどんな有力馬に騎乗するのだろうか。両者の関係性から目が離せない。
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