5月31日に東京競馬場で行われた日本ダービー(GI/芝2400m)は、1番人気のドゥラメンテが期待に応える圧勝で皐月賞に続く2冠を手にした。
3着に食い込んだのは、皐月賞6着から巻き返したサトノクラウンだった。堀厩舎ワンツーとはならなかったものの、1番人気を裏切った皐月賞からしっかりと立て直され、ダービーの舞台で意地を見せることができた。
サトノクラウンの血統背景や将来性はどんなものなのだろうか? 徹底分析を行っていこう。
血統評価は?
サトノクラウンは父マルジュ、母ジョコンダ2、その父ロッシーニという血統。マルジュはラストタイクーン産駒で、現役時代はイギリスのマイルGIを1勝している。全姉のライトニングピールもスプリントGI馬と、短い距離での活躍が目立つため、距離不安の声もあった。
ただマルジュは欧州でフランスのヴェルメイユ賞(GI/芝2400m)を制したマイエマなど中距離GI馬を複数輩出している。
加えてマルジュの半姉サルサビルは現役時代、イギリスオークス(GI/芝2400m)とアイリッシュダービー(GI/芝2400m)、そしてヴェルメイユ賞を制した名牝である。クラシックディスタンスへの適性は決してないわけではなかったのだ。
秋のローテと不安材料
ただし、最後の直線でサトノラーゼンを交わし切れなかったあたり、2400mは少し長いのかもしれない。となれば秋は天皇賞あたりが有力か。血統表にサンデーサイレンスの血を一滴も持たずとも、ダービーレコードとなったこのレースで3着に来るのは能力がある証拠だ。古馬に混じっても有力馬の一頭であることは間違いない。
不安点を挙げるとすれば、早熟傾向にある血統ということか。サトノクラウンの全姉ライトニングピールはデビュー5戦目の2歳GIを圧勝したものの、その後は1戦もすることなく引退した。
父マルジュも3歳の6月にGIを勝ったが、その後の2戦は人気を大きく裏切り、そのまま引退している。サトノクラウン自身もデビュー2戦目で東スポ杯2歳ステークスを勝った馬だが、果たしてその成長力は――。そういった血統背景も考慮して、秋の走りに注目したい。
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