2019年6月1日、阪神競馬場で鳴尾記念(GⅢ/芝2000m)が行われる。今回は過去のデータやレース傾向を振り返り、当レースの危険な人気馬を予想していく。
馬券を買う上で特に重要なのは「どの馬を買うか」ではなく「どの馬が消しか」を見極めることだ。
人気馬を「買わない」と判断できれば、余った資金を軸馬の買い足しや穴馬の追加購入に回すことができる。そして人気馬が馬券圏外になれば配当が跳ね上がる。
「人気だから押さえようかな」と毎回人気馬を買ってしまうと回収率は落ちていく。だからこそ「買わない人気馬」を見つけることがカギになってくるのだ。
果たして、人気が想定されるステイフーリッシュ、ギベオン、メールドグラース、タニノフランケル、ノーブルマーズ、ブラックスピネルらの中で危険なのはどの馬なのか。しっかり考察していこう。
鳴尾記念は2012年からこの時期の開催となったため、過去7年間のデータを参考にする。
目次
鳴尾記念の人気馬成績
鳴尾記念過去7年のデータを見ると、1番人気が勝ったのは1回、2着は3回、3着はなしで平均的ではあるものの、やや勝ち切れなさを感じさせる。
アベレージ的には他の上位人気も同じだが、2番人気3番人気ともに2勝しており、上位人気の中での取捨選択が問われそうだ。
ではここからは注目のデータをピックアップして紹介していこう。
予想参考データ① 狙いどころは前走GⅠ組
前走GⅠ(2- 1- 0-5)
勝率 25.0% │ 複勝率 37.5%
サンプル数は少ないが、やはり上のクラスを使った組は無視できないということでいいだろう。
そのうち、天皇賞春を使った馬が2勝している。次の宝塚記念、天皇賞秋を制したラブリーデイ、重賞4勝のサトノノブレスだ。
サトノノブレスこそ菊花賞2着はあるが、本質は2頭とも中距離。そんな中でも1秒未満の差でまとめたのは地力であろう。おまけに2頭ともその年すでに重賞を制していた。
今年ステイフーリッシュが大阪杯以来の参戦だが、中距離で少し負けすぎている、しかも、今年重賞2着が2回あるが未勝利。傾向と異なるが果たして。
予想参考データ② すべては逃げ次第
鳴尾記念はなかなか頭数が集まらず、フルゲートになることは少ない。今年も登録だけで12頭、今年からのクラス分け表記で言うところの2勝クラス、3勝クラスの馬もいる。
そうなってくるとペースは落ち着きやすい。マイペースがハイペースのマルターズアポジーもおらず、おそらく前で決まりやすい形になる。
上がり3ハロンで1位をマークした馬の成績がいいが、どちらかといえば前目でそれが出せる馬が強く、内回りということもあり、直線だけでどうこうというのは考えない方がいい。
脚質的に展開の助けが必要な馬などは割り引いていいレースと言える。
予想参考データ③ 前走6着以下が勝利?!
面白いデータを紹介すると、グレードに関係なく、前走6着以下だった馬が過去7年すべて勝利している。
天皇賞春のように長距離からの距離短縮組、トウケイヘイローのように1400メートルではどうにもならなかった組もいる。ちなみにトウケイヘイローも中距離の馬であり、京王杯スプリングカップでは2番人気8着ながらコンマ3秒差、こちらも地力を見せた。
中山記念1番人気10着のトゥザグローリー、福島民報杯2番人気6着のステイインシアトル、都大路ステークス3番人気9着のストロングタイタンなどなど。
前走人気で負けた馬の巻き返しが目立つ。前走1着馬はここではなぜか勝てない。
2019年の危険な人気馬は?
ステイフーリッシュは人気になる見込みだが、大阪杯が負けすぎでどうにもならなかった。乗り慣れた騎手が再び手綱を握る分、チャンスはあるが、それにしても大阪杯でのレースがふがいない。鳴尾記念の好走条件に合致せず、危険な人気馬の一頭になりそうだ。
また、メールドグラースは3つ目の消しデータに合致している。54キロで新潟大賞典を勝利し、再びレーン騎手が乗るものの、前走はうまくハマった感があり、そのまま好走するかどうか、微妙。軸にするのは少し躊躇するか。
反対にタニノフランケルは危険なデータに一つも当てはまらない。条件的にはステイフーリッシュとほとんど変わらないが、今回武豊騎手が騎乗する。先行させて持たせる技術は日本競馬界ナンバー1といってもいい。開幕週は前が残りやすいし、今年亡くなった母ウオッカの弔いも合わせて行えれば大きな話題となるだろう。人気馬の中で最も不安要素が少ないのが、タニノフランケルと言えそうだ。