東京競馬場で5月24日に行われた優駿牝馬オークス(GI/芝2400m)は、3番人気のミッキークイーンがルージュバック、クルミナルとの追い比べを制して優勝した。
浜中騎手の手綱に導かれ、桜花賞への出走が叶わなかった無念を晴らし、馬名の如く女王の座に輝いた。
ミッキークイーンの血統背景や将来性はどんなものなのだろうか? 徹底分析を行っていこう。
血統評価は?
ミッキークイーンは父ディープインパクト、母ミュージカルウェイ、その父ゴールドアウェイという血統。ディープインパクト産駒によるオークス制覇は、12年のジェンティルドンナ以来2頭目だ。
母ミュージカルウェイは仏国重賞を3勝し、香港カップで3着した実力馬だが、その父ゴールドアウェイはマイル前後の仏国重賞を4勝したものの、GⅠでは2着4回とここ一番で勝ちきれなかった。ゴールドアウェイは祖父がヌレイエフで、母系にヌレイエフの血を持つ馬はオークスに相性がいい。
14年1着ヌーヴォレコルト(母父スピニングワールド)
13年3着デニムアンドルビー(母母父ヌレイエフ)
12年2着ヴィルシーナ(母母父ヌレイエフ)
11年2着ピュアブリーゼ(母父パントレセレブル)
今回のミッキークイーン1着で、5年続けて母系にヌレイエフの血を持つ馬がオークスで馬券になったということになる。
母系にヌレイエフを持つ主なディープインパクト産駒は、先に挙げたデニムアンドルビーやヴィルシーナの他に、昨年の3歳マイル王者ミッキーアイル、2歳女王ショウナンアデラ、GIII2勝のマーティンボロなど活躍馬が多数いる。
樫の女王の課題
秋はもちろん、古馬になってからの活躍も期待したいところだが、今後は馬体の成長を望みたいところだ。ディープインパクト産駒は小柄な産駒の多い。しかし、GⅠ戦線で活躍したジェンティルドンナやヴィルシーナ、ハープスターは450~480キロと、立派な馬体を誇っていた。一方、ミッキークイーンは430キロと小柄なのだ。
GⅠの舞台で堂々と牡馬と渡り合う牝馬が増えた現代競馬は、それだけ消耗も大きい。銘品の仲間入りをするためには、馬体面の成長が求められる。
もっとも、ミッキークイーンは未勝利を勝った時、444キロだった。クイーンカップで輸送に失敗してマイナス20キロとなったが、本来はもう少し馬格のある馬なのだ。444キロだったのが2歳の12月。そこから成長していることを考えると、馬体が増えていく可能性は十分にあるはずだ。
今後、夏場は休養に当てて王道の秋華賞路線を歩むことになる。しっかりと休養して馬体重を増やし、450キロ前後で秋を迎えられたなら、“名牝への道”は確実に開けてくる。
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