2021年2月20日、東京競馬場でダイヤモンドステークス(GⅢ/芝3400m)が行われる。今回は過去のデータやレース傾向を振り返り、当レースの危険な人気馬を予想していく。
馬券を買う上で特に重要なのは「どの馬を買うか」ではなく「どの馬が消しか」を見極めることだ。
人気馬を「買わない」と判断できれば、余った資金を軸馬の買い足しや穴馬の追加購入に回すことができる。そして人気馬が馬券圏外になれば配当が跳ね上がる。
「人気だから押さえようかな」と毎回人気馬を買ってしまうと回収率は落ちていく。だからこそ「買わない人気馬」を見つけることがカギになってくるのだ。
果たして、人気が想定されるオーソリティ、ポンデザール、メイショウテンゲン、タイセイトレイル、ボスジラらの中で危険なのはどの馬なのか。しっかり考察していこう。
過去10年のデータを参考にする。
目次
ダイヤモンドステークスの人気馬成績
過去10年のデータを見ると、1番人気は6勝、2着は1回、3着はなし。ハンデ戦だが、一番人気の信頼度は高く、あまり大胆な買い方はしない方がいいか。
その一方、10年で2回単勝万馬券が出るなど、非常に極端な動きを見せる。極端な馬券を買うか、手堅く買うか、それだけ結果は異なる。
ではここからは注目のデータをピックアップして紹介していこう。
予想参考データ① ステイヤーズステークス組の取捨選択
ステイヤーズステークス組(1- 2- 1-13)
勝率 5.9% │ 複勝率 23.5%
ダイヤモンドステークスを唯一距離短縮で臨めるのがステイヤーズステークス組、ただ複勝率で計算するとそこまで高いわけではなく、取捨選択が必要だ。
過去の傾向を見ると、前走3番人気までかコンマ4秒までの負けで抑えたか、この2つのどちらかに関係していればチャンスはありそうだ。
コンマ3秒負けだったポンデザール、3番人気だったボスジラがいる中、メイショウテンゲンはどちらにも当てはまらず。アルゼンチン共和国杯でも惨敗を喫したが、ここはどうか。
予想参考データ② 斤量増がアツい!
ハンデ戦のダイヤモンドステークスだが、前走と比較して斤量増だった馬が熱く、1キロ台の増加は過去10年で12頭中4勝、2キロ台の増加は過去10年で4頭中1勝。
斤量別成績では58キロや58.5キロがそれぞれ結果を残しており、決して悪い斤量ではない。ただ57キロだとすべて着外。58キロ台を背負える馬はそれだけ実力者ということか。その他だと54キロ、55キロ、56キロが狙い目か。
オーソリティは斤量1キロ増、一応2キロ増ではナムラドノヴァンがいるが、これは51キロから53キロ。他の有力馬は増減なしで、絞りにくいか。
予想参考データ③ 人気馬たちの前走レベル
オーソリティの前走は有馬記念だったが、過去10年ではかなり遅いタイム。ただ、有馬記念は前半のペースで決まるため、レベルとは関係ない部分もある。とはいえ、有馬記念は力負けだったと言わざるを得ない。
ステイヤーズステークスの結果を見ると、少々馬場は渋っており、やや遅め。2011年は不良馬場ながら1秒以上速かったし、97年は重馬場でメジロブライトが3分48秒7で勝っている。レベルがさほど高くないとすれば、ステイヤーズステークス組は絞っていいかもしれない。
中京開催の万葉ステークスは、馬場改修後初の長距離レースだったが、最初の5ハロンが60秒2と早め。途中明らかにペースが緩み、スパートがかかる展開に。上がり勝負の形になり、軽ハンデの馬の末脚につながったか。それを考えると番手で粘ったタイセイトレイルの評価を上げてもよさそうだ。
パフォーマプロミスの前走はジャパンカップだったが、前にいなければどうにもならないレースで、パフォーマプロミスの位置取りでは厳しかった。とはいえ、GⅢのここでどうか。
ブラックマジックの前走は迎春ステークスだったが、タイム的には平凡。しかし、迎春ステークスの勝ち馬はのちに重賞戦線で活躍し、距離の長いところでも健闘している馬が多い。スタミナを要するところに強いのがブラックマジックの特徴で、2021年追いかけても
いい馬の1頭だろう。
2021年の危険な人気馬は?
メイショウテンゲンは人気になる見込みだが、ここ2戦は大敗が続き、系統の違うコースでそれぞれ大敗となると厳しいか。確かに去年はダイヤモンドステークス2着だったが、その前のステイヤーズステークスは4着。状況が違うので、凡走も不思議ではない。ダイヤモンドステークスの好走条件に合致せず、危険な人気馬の一頭になりそうだ。
また、オーソリティは3つ目の消しデータに合致している。古馬と同じ斤量での戦いとなり、有馬記念でいいところがなかったところを見ると、まだ評価を定め切れない。人気が被るようだと敬遠したくなる。
反対にポンデザールは危険なデータに一つも当てはまらない。ステイヤーズステークスはまずまずの走りで、一定の力量は見せられた。外国人騎手は長距離で折り合いをつけるのがうまく、ルメール騎手とのコンビであれば十分勝負になるだろう。人気馬の中で最も不安要素が少ないのは、ポンデザールと言えそうだ。