2021年10月10日、東京競馬場で毎日王冠(GⅡ/芝1800m)が行われる。今回は過去のデータやレース傾向を振り返り、当レースの危険な人気馬を予想していく。
馬券を買う上で特に重要なのは「どの馬を買うか」ではなく「どの馬が消しか」を見極めることだ。
人気馬を「買わない」と判断できれば、余った資金を軸馬の買い足しや穴馬の追加購入に回すことができる。そして人気馬が馬券圏外になれば配当が跳ね上がる。
「人気だから押さえようかな」と毎回人気馬を買ってしまうと回収率は落ちていく。だからこそ「買わない人気馬」を見つけることがカギになってくるのだ。
果たして、人気が想定されるシュネルマイスター、ダノンキングリー、ポタジェ、ヴァンドギャルド、ケイデンスコールらの中で危険なのはどの馬なのか。しっかり考察していこう。
過去10年のデータを参考にしていく。
目次
毎日王冠の人気馬成績
過去10年のデータを見ると、1番人気は7勝、2着はなし、3着もなし。1番人気は鉄板級の信頼度と行きたいところだが、どちらかといえば勝ち負けがはっきり分かれる。
意外と伏兵馬が飛んでくることが多く、3着のヒモ荒れなどもよくある。人気サイドで決まることもあるため、取捨選択が重要だ。
ではここからは注目のデータをピックアップして紹介していこう。
予想参考データ① 前走GⅠ出走組の取捨選択
前走GⅠ出走組(4- 6- 3-37)
勝率 8.0% │ 複勝率 26.0%
天皇賞秋のトライアルにもなっている毎日王冠。ここから天皇賞秋やマイルチャンピオンシップへと流れていく。一線級の馬は休み明けなことがほとんどだ。
3歳馬の活躍もあってか、前走ダービー組、NHKマイルカップ組で3勝、他は安田記念。宝塚記念組はこの中だと一枚落ちる。安田記念組はかなりハードルが高く、2着以内かコンマ1秒の負けまで。宝塚記念は3番人気までで、前走惨敗した馬が多い。
安田記念でコンマ1秒以内の負けに収まってるのはシュネルマイスター、そして勝ち馬ダノンキングリー。安田記念5着のトーラスジェミニやケイデンスコールは傾向から外れている。
予想参考データ② 夏に走った馬たちの取捨選択
基本的に夏は休んで、毎日王冠が休み明け初戦の馬が多くを占めるが、夏に走った馬たちも全くノーチャンスではない。ただ、その可能性は低いのが現実だ。
傾向を見ると、札幌記念、新潟記念、関屋記念の3つで、少なくとも掲示板は欲しいところ。できれば勝ち負けに絡んでおきたい。
トーラスジェミニは札幌記念で大敗、ヴェロックスは小倉記念で痛い目を見ている。マイネルファンロンは新潟記念を勝ったが、12番人気。かなり絞られそうだが。
予想参考データ③ それぞれの馬の前走レベル
シュネルマイスター、ダノンキングリー、ケイデンスコールの前走は安田記念。ダイワキャグニーが果敢に先行してハイペースで流れる。先行した馬たちが力尽きる中で、中団にいたのがダノンキングリー。それより後ろにいたグランアレグリアの追撃をかわし切った。シュネルマイスターは先行グループにいたものの、末脚を前に屈した。ただシュネルマイスターとダノンキングリーの斤量差が4キロから2キロに縮まるため、想像以上に力差はあるとみたい。
ポタジェの前走は新潟大賞典。マイスタイルらしい大逃げを放ったが、離された先行グループからすればマイペースに近く、本当なら先行馬で決まってもおかしくなかった。しかし、直線で突っ込んできたのは中団にいたサンレイポケット、ポタジェ。両者の差はクビだが、斤量ではポタジェの方が1キロ上だった。サンレイポケットも出走しているが斤量差がない。ポタジェはやれてもおかしくないが、かといって、安田記念組を上回るほどとは。
ヴァンドギャルドの前走はドバイターフ。前目につけて直線に入ると、進路がうまく空いてくれたこともあって、抜け出すことはできた。ただ勝ち馬がより上手だった。実績を考えれば2着でも十分。ただつかみどころがなく、本番はアメリカのブリーダーズカップマイルとなると、100%まで仕上げるものなのか。
2021年の危険な人気馬は?
ケイデンスコールは人気になる見込みだが、春先の勢いこそ認めても、去年の今頃はリステッド競走でも勝ちきれなかった。さすがに前走の安田記念で力負けしているところを見ると、この中ではどうか。毎日王冠の好走条件に合致せず、危険な人気馬の一頭になりそうだ。
また、ポタジェは3つ目の消しデータに合致している。さすがにこの中だとメンツ的に厳しそうか。
反対にダノンキングリーは危険なデータに一つも当てはまらない。シュネルマイスターはまだ距離の面で不安があるが、ダノンキングリーはダービー2着もあり、その心配はない。休み明けにも強く、安田記念でも存在感を見せた。人気馬の中で最も不安要素が少ないのが、ダノンキングリーと言えそうだ。