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ゴールドシップはエンターテイナー
以前、以下の記事で「愛されたいならツンデレになれ」と書いた。
●詳細→彼女欲しけりゃペルーサになれ!稀代の愛され馬から学ぶ4つのモテテク
愛される馬は少なからず、ツンデレである。ゴールドシップもまた、例外ではない。
2年連続、天皇賞春で人気を裏切り、2年連続あっさりと宝塚記念で復活を遂げてみせた。天皇賞春で涙したファンは、初夏の阪神で違う意味で涙を流したことだろう。言うまでもなく、おしりが痛いからではない。
そして今年は2年連続で凡走していた天皇賞春で「ある意味期待を裏切る激走」を見せた。2年連続の凡走は宝塚記念への“前振り”のみならず、今年に向けた前振りでもあったのだ。2年、3年先を見越した前振り――。なんというエンターテイナーだろう。
そうであるなら、今年の大出遅れもまた、“壮大な前振り”に過ぎないのではないだろうか。
歴代のエンターテイナーに共通する4つの要素
事実、競馬ファンはもはやゴールドシップから目が離せなくなっている。
彼は歴代のエンターテイナーが使ってきたあらゆる手法を駆使して競馬ファンを釘付けにしている。具体的に見ていこう。
共通点① 白くてカワイイ ©オグリキャップ、チチカステナンゴ、ブチコetc
「え?」と思った諸君は考えなおしてほしい。
これ、めっちゃ大事だ。ビジュアルがかわいいのはどんな時代も正義なのだ。
「角野卓造じゃねぇよ!!」の人がいくら面白くても、いくら愛らしくても、新垣結衣には勝てないのだ。道明寺司が牧野つくしに殴られて「きゅん」とするのは牧野つくしが井上真央だからだ。もし角野卓造に似ていたら道明寺財閥の全資金を投じて地球上から消しにかかるだろう。
それくらい、かわいいというのは正義なのだ。
もうあんな白い馬体でクリクリした目で見つめられたら、男子も女子もイチコロなんだ。
共通点② 非優等生キャラ ©オルフェーヴル
ディープインパクトはカッコイイし強い。実力でファンを魅了する本格派であり、優等生だ。だが、“愛されキャラ”ではない。
エンターテイナーになるにはマジメさを排除する必要がある。端的にいうと、不良になる必要がある。
最近でいえばその筆頭株がオルフェーヴルだった。
・逸走して新聞の一面を飾った阪神大賞典
・圧倒的な瞬発力で抜け出してゴール前で差し返されるという“究極のツンデレレース”をやってのけた凱旋門賞
あんなことをされたら、愛さずにいられないじゃないか。好きか嫌いかなんて関係ない。気になっちゃう。
「ああ、ゲートでまた吠えないかな、大丈夫かな」なんて心配になっちゃう。そんなこと、他の馬には思わないはずだ。「好きなあの子は何してるかな」なんて心理と同じ。細江ちゃんなんて、気になりすぎて、心配になりすぎて悲鳴をあげちゃうくらいだ。
非優等生は愛される。嘘だと思うならジョージ・ベストやディエゴ・マラドーナやマリオ・バロテッリを見てくれ。なんだかんだ言って、みんな彼らのことが気になって仕方がない。一挙手一投足に注目しちゃう。みんな、大好きなんだ。
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