藤田騎手の“相棒”が……
勝ち鞍が減った大きな理由の一つとして植木靖雄氏の死去が挙げられる。同氏は長年、藤田騎手のエージェントを務めていた。敏腕エージェントとして藤田騎手らに有力馬を確保する重要な役割を担っていた。言ってみれば藤田騎手にとって“右腕”だったのだ。
藤田騎手はマスコミの前で「ユタカさんが勝っているのはいい馬に乗っているから」と言って憚らない(もちろん、この発言は「騎乗技術があった上でいい馬に乗っている」という趣旨で武豊騎手をやゆするものではない)ように、誰よりも騎乗馬の質が競技成績に影響することを分かっている。
だからこそ、12年に“右腕”を失ったことが大きな影響を及ぼしているのだろう。
13年は50勝と若干持ち直したものの、14年は再び33勝とデビュー以来2番目に悪い成績に低迷した。そして15年は7月終了時点で12勝にとどまっている。
特に重賞成績は散々なものとなっている。
2015年(0- 0- 1-11)
2014年(0- 1- 0-26)
2013年(0- 1- 0-25)
2012年(0- 1- 5-31)
2011年(5- 1- 3-40)
2010年(5- 6- 1-34)
ご覧のとおり、11年を境にくっきりと悪くなっていることが分かる。
しかも、成績低迷の原因はエージェントの問題だけではない。なぜなら、近年は騎乗内容にも限りが見られるようになっているのだ。
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