2019年3月24日、中京競馬場で高松宮記念(GⅠ/芝1200m)が行われる。今回は過去のデータやレース傾向を振り返り、当レースの危険な人気馬を予想していく。
馬券を買う上で特に重要なのは「どの馬を買うか」ではなく「どの馬が消しか」を見極めることだ。
人気馬を「買わない」と判断できれば、余った資金を軸馬の買い足しや穴馬の追加購入に回すことができる。そして人気馬が馬券圏外になれば配当が跳ね上がる。
「人気だから押さえようかな」と毎回人気馬を買ってしまうと回収率は落ちていく。だからこそ「買わない人気馬」を見つけることがカギになってくるのだ。
果たして、人気が想定されるダノンスマッシュ、モズスーパーフレア、レッツゴードンキ、ナックビーナス、ロジクライ、ミスターメロディらの中で危険なのはどの馬なのか。しっかり考察していこう。
中京競馬場は2012年に大幅な馬場改修が行われたため、過去7年のデータを参考にする。
目次
高松宮記念の人気馬成績
高松宮記念過去7年のデータを見ると、1番人気は2回勝っており、2着はなし、3着は2回と、信頼度は平均的な水準だ。
上位人気もまずまずの結果が出ており、比較的穏やかな傾向にあるものの、1番人気がすんなり勝てるわけではないレースとなっている。
ではここからは注目のデータをピックアップして紹介していこう。
予想参考データ① トライアルレースの取捨選択
高松宮記念のトライアルレースは大きく分けて3つある。3年連続勝ち馬を出しているシルクロードステークス、数年前まで主流のトライアルだった阪急杯、勝てはしないが2着3着馬が多いオーシャンステークスの3つだ。
まずシルクロードステークスで1着だった馬はこの7年で4頭が3着以内に入っている。他のケースではタイム差なし2着と前走1番人気。ここはクリアしておきたい。
阪急杯だが、この7年で5頭が絡み、3頭が前走1着、1頭がタイム差なし2着、もう1頭が1番人気。こちらもシルクロードステークスと同じような傾向だ。
オーシャンステークスは対照的に、6頭も絡みながら、1着馬は1頭も絡まず、オーシャンステークスで1秒近く負けた馬が絡んでいる。3番人気まで、もしくは2着。このいずれかが最低条件だ。
総合して言えることは、前走で人気を裏切った馬か、強い競馬で勝ったか、勝ちに等しい競馬をしたか、このいずれかに該当しないといけない。
予想参考データ② 直線だけの競馬ではダメ
上がり3ハロンで1位だった馬が馬券に絡んだのは実は2回しかなく、2013年1着のロードカナロア、2017年2着のレッツゴードンキしかいない。
後方から追い込みが決まる可能性は低く、あっても2着までというのが7年の傾向だ。直線が長く、前が潰れやすいので後ろが届きやすい感じがするが、実際はそこまでではない。
イメージとしてはやや前目から中団にいた馬が直線で向いたところで抜け出して、あとは後続の追い込みをしのぐような感じだ。
最後方にいて、追い込みに賭けるような馬はまず届かない。前が速くても中団の馬にとっては絶妙なペースであり、そうなると、意外と捕まえきれないものだ。
予想参考データ③ 7歳以上は不振
この7年で特徴的なのは、2015年に1着になった香港馬エアロヴェロシティ以外、1頭も7歳以上の馬が馬券に絡んでいないことだ。
5歳が強く、6歳は未勝利ながら2着率が高い。4歳馬はそこまで活躍しないが、それ以上に7歳以上の馬には厳しい。
これまでの高松宮記念は、小回りで平坦だったためそこまでパワーやスタミナを必要としなかったが、直線が長く急坂が出来て、スピードだけでは押し切れない。
総合力が問われるという点では、衰えが見られる7歳以上の馬にはしんどいというのが真実なのかもしれない。
2019年の危険な人気馬は?
レッツゴードンキは人気に支持される見込みだが、7歳馬で叩き2戦目があまりいい成績ではない。高松宮記念の好走条件に合致せず、危険な人気馬の一頭になりそうだ。
また、モズスーパーフレアは1つ目の消しデータに合致している。中山に良績が集まるなど中山巧者の可能性がある。中京では結果を出せておらず、割引でいいだろう。
反対にナックビーナスは危険なデータに一つも当てはまらない。リピーターレースでもある高松宮記念、去年3着だったことからもう1回激走する可能性はある。悲願の重賞制覇、3年連続オーシャンステークス2着など、充実度は今年が一番。人気馬の中で最も不安要素が少ないのが、ナックビーナスと言えそうだ。