2018年9月30日、中山競馬場でスプリンターズS(GⅠ/芝1200m)が行われる。ファインニードル、レッドファルクス、アレスバローズ、レッツゴードンキ、セイウンコウセイらが出走する。
実績的には春の高松宮記念を制したファインニードル、このGⅠ3連覇が掛かるレッドファルクスが一騎打ちの様相を呈している今回のスプリンターズS。
レッドファルクスは連覇をともにした主戦のデムーロが騎乗停止のアクシデントがあり、1番人気になるのはファインニードルだろう。その他にも上がり馬が虎視眈々の様相ではあるが、現状ではファインニードルの優位は揺るがない。その3つのポイントを解説していこう。
目次
ポイント① 鞍上相性は抜群、人気ならさらに良い
GⅠで1番人気を張るタイプの馬にしては、これまで色々な騎手が乗ってきているファインニードルだが、やはり川田騎手との相性の良さは抜けている。
川田騎手はこれまでファインニードルに5回騎乗しているが、古くから数えて4,3,1,1,1着と推移している。勝利はいずれも重賞、その中に春の高松宮記念(GⅠ)での勝利も含まれている。もちろん、前走のセントウルSも1番人気での快勝であった。
4着と3着は3歳時での条件戦だが1400m戦であり、今年の本格化以降、1200mのレースで川田騎手が騎乗すれば全て勝利しているという事実がある。
さらにファインニードル自身は、非常に人気に応えるタイプであるといえよう。
これまでファインニードルは1番人気に7回生涯で支持されているが、着度数は5-0-1-1となっている。馬券を外したのは1回、馬群で包まれて追えなかった昨年の北九州記念のみだ。
今回は1番人気に支持されることは確実で、鞍上も川田騎手ときている。勝利への第一条件は揃っている。
ポイント② パワー型のスプリンターで、坂のあるコース○
ファインニードルはアドマイヤムーン産駒であるが、母系のパワー志向が強く、平坦なスプリント戦よりは坂のあるコースの方が良い。
レースぶりが安定してきた2017年シーズン以降のレースを分析すると、その差は如実に現れる。
<坂のあるコース>
中山……2戦1勝
阪神……3戦3勝
中京……1戦1勝
<平坦コース>
京都……4戦1勝
小倉……1戦0勝
香港……1戦0勝
となっている。もちろん、レースの格などを含めて考えればそう単純な話ではないのはわかっているが、純然なスピード勝負よりは最後にグッと地力の求められる坂のあるコースが良いのは間違いないだろう。
平坦コースが今一つといっても、唯一の勝利は今年のシルクロードS(京都)であるし、そこから高松宮記念勝利を経て挑戦したチェアマンズスプリントプライズ(香港)は強い相手の中4着と健闘している。平坦コースのスピード勝負にも対応できるようになったのは、明らかな地力の強化とみて良いだろう。
ポイント③ 操縦性の向上で昨年のリベンジを
上記2つのポイントから、今回は「1番人気、川田騎手、坂のあるコース、スプリント戦」といったこれ以上ない勝利への条件が揃っている同馬であるが、唯一の懸念はこのスプリンターズSという舞台だろう。
単純に考えると、2017年以降、坂のあるコースで負けたのは去年のスプリンターズSだけである。それも12着という大敗であった。レースを振り返ってみると、外枠から中団の外目を走らされて追走で脚を失くしてしまったような印象を受ける。内田騎手も外枠で乗りづらそうにしていた。
そこから1年経って、川田騎手が今回のスプリンターズSの共同会見でコメントした「操縦性の高さが出てきた」という点に期待したい。中山の1200はスピード一辺倒や末脚一辺倒では頭を取りにくいレースでもある。
ファインニードル自身も器用さを身につけてきている印象で、前走のセントウルSは重馬場を早めに動いてトップハンデながらラブカンプー以下を突き放す完勝であった。頼りになる主戦の言葉を信じるならば、今年こそ戴冠は有力だ。
まとめ
以上、ファインニードルが春秋スプリントGⅠを連勝するであろう3つのポイントについて説明した。
最大のライバルであるレッドファルクスに、連覇をともにした相棒のデムーロ騎手がその背中に居ないのはファインニードルにとっては好都合だろう。器用さが出てきた今なら、たとえ外枠でもそのV確率は高いとみる。