日経賞2018の競馬予想分析…ゼーヴィント復活を示唆する3つの要素とは?

得意の中山で復活なるか――。

2018年3月24日、中山競馬場で日経賞(GⅡ/芝2500m)が行われる。去年の菊花賞を制したキセキ、去年の札幌記念を快勝したサクラアンプルール、去年の香港ヴァーズで3着のトーセンバジルが出走を予定しているが、この他に人気を背負う馬がいる。それがゼーヴィントだ。ゼーヴィントは前走の七夕賞で快勝したが、その後骨折が判明し、秋競馬を棒に振ることになってしまった。これまでに10戦しかしていないが、その中身はかなり充実している。これまでの実績を見ても、このメンバーなら十分に通用することが言える。

ただ多くの競馬ファンが引っかかるのが長期の休み明けだ。本気で勝ちに行くのか、それともこの後を見据えて調整程度なのか。そのあたりに不安があるが、以前に経験した半年の休み明けのレースは見事に勝利している。その勝利こそ七夕賞の勝利だ。長期の休み明けの不安を払拭できるほどの要素がいくつもある。キタサンブラックが引退した今、中距離、それ以上の距離で活躍できる可能性があるゼーヴィントの復活を後押しするであろう部分に注目していきたい。


目次

要素① 中山競馬場での安定感

ゼーヴィントはこれまでに中山競馬場で4戦しているが、2勝2着2回の連対率100%をマークしている。この中にはセントライト記念2着、アメリカジョッキークラブカップ2着も含まれている。中山競馬場での重賞ではコース適性がかなり問われ、中山競馬場を得意とする馬が滅法強い。なので、重賞でも連対を果たすゼーヴィントは十分に立ち回れる。舞台となる2500メートルは有馬記念と同じだが、コーナーを何回も回る分、さほど距離適性は必要としない。その点もゼーヴィントには向くはずだ。

中山1800メートル、2000メートル、2200メートルで結果を出し、どの距離でも安定したパフォーマンスを披露している。内回りコースでも外回りコースでも結果を出している以上、コース適性は十分だ。枠順にもよるが、あとはうまく立ち回りを見せれば、最後の直線で他の馬をねじ伏せて勝利するということも十分に考えられる。

要素② 休み明けを克服した経験あり

ゼーヴィントのこれまでの戦績を見れば分かるが、使い詰めをできるほど丈夫な馬ではない。ほぼ2ヶ月おきにレースをする状態にあり、体質的にそこまで強くないことが言える。裏を返せば、常に休み明けのような状態でずっと戦ってきたようなものであり、それでいてそれなりの結果を残せたのはこの馬の実力であるとともに、状態を整えればいつでも最大限の実力を発揮できるということだ。半年の休み明けを克服した七夕賞もいわば必然の結果と言えなくもない。ラジオNIKKEI杯も勝ったように福島競馬場でも相性がいい。相手関係を見ても休み明けであったとしても問題はなかった。

今回のメンバーを見ると菊花賞馬のキセキこそいるが、その後の状況は不安定さが否めない。他のメンバーも実績に乏しい馬が多く、複数の重賞勝利をしている馬はゼーヴィントぐらいしかいない。体質に変わりがなければ、また2ヶ月後のレースになってしまうこともある。ゼーヴィントの場合は常に100%の調整を余儀なくされると考えれば8カ月程度の休みだったとしても問題ない走りをしてくれる可能性が高い。

要素③ 復調気配を見せる戸崎圭太騎手

これまでにゼーヴィントに多く騎乗してきたのが戸崎圭太騎手だ。5戦して3勝2着2回、連対率は100%であり、この中には重賞2勝なども含まれている。この馬を知り尽くしていると言っていい存在だ。ところが、今年に入ってからの戸崎騎手はスランプに陥った。多くの人気馬に乗せてもらいながらなかなか勝てないでいる。2018年の年初こそ重賞3連勝という偉業を成し遂げたが、それ以降が芳しくない。3月18日時点で勝率が1割を切っている。しかも3月に入ってわずか2勝しかしていない。これではスランプと言われても仕方がなく、当然ながら不安視されるべき状況だ。

しかし、3月に入りクラシック競走のトライアルレースでは一定の結果を残しているのも事実だ。アネモネステークス、スプリングステークスで2着を確保し、優先出走権を獲得している。固め打ちをするような状況まで復調していない可能性もあるが、間違いなく底は打った。それにゼーヴィントでの実績がある。その馬にとってのベストな騎乗を心がければ、たとえ不調でも結果を出す可能性が高い。しかも多くの競馬ファンは戸崎騎手が不振を極めていることを知っており、敬遠する可能性がある。馬券的な旨みは十分に存在する。

まとめ

春の天皇賞の前哨戦ではあるが、メンバーが少し手薄である。大阪杯の影響もあり、分散傾向が出始めた可能性もあるが、ゼーヴィントにとってはそれが追い風になる。キセキの復調具合にもよるが、中山競馬場で走ったことがなく、対応できるかは非常に未知数な部分だ。その点、ゼーヴィントは休み明けの克服も経験し、中山競馬場で抜群の安定感を誇る。コーナーを何個も回るような条件の方が合っているのは福島競馬場での実績を見ても明らかだ。

2500メートルという距離がどうかだが、タフさでいえば中山2200メートルの方がきつい。道中にかなりのアップダウンを繰り返す2200メートルコースに比べ、2500メートルはそれほどではない。休み明けを嫌い、実績重視で他の馬に人気が集まる今がゼーヴィントを狙える最大のチャンスだ。

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