高松宮記念2018の競馬予想分析…ダンスディレクターが激走する3つのサインとは?

悲願のGⅠタイトルへ――。

2018年3月25日、中京競馬場で高松宮記念(GⅠ/芝1200m)が行われる。高松宮記念の連覇を目指すセイウンコウセイ、スプリンターズステークスを連覇したレッドファルクス、今年のオーシャンステークスを勝ったキングハートなどが参戦を予定している。その中で忘れてはならない存在がダンスディレクターだ。意外にも高松宮記念には初出走となるが、いずれもアクシデントによる断念だった。今年は順調に乗り込み、本番に臨める。これまでの実績は申し分なくセイウンコウセイやレッドファルクスとも力関係を見れば互角だ。

スプリンターズステークスではさほど実績を残していないが、その差は致命的なものではない。ダンスディレクターが高松宮記念で激走する可能性を示唆するサインがいくつもある。短距離界の勢力図はさほど変わっていない分、力量差にも変化は見られない。元々実力のあるダンスディレクターがどこまでやれるか。今回はそうした部分にスポットを当てていく。


目次

サイン① 1200メートル戦での安定感

ダンスディレクターはこれまでに1200メートル戦を10戦し、3勝2着3回をマークしている。この中にはシルクロードステークスを連覇した実績も加味されている。特に2017年のシルクロードステークスはトップハンデの57.5キロを背負いクビ差しのいで勝った。ちなみにこの時の2着馬が2017年の高松宮記念の覇者であるセイウンコウセイだ。しかも斤量差2.5キロがあったことから、本来はもっと実力差があっていい力関係である。過去2回のスプリンターズステークスでは15着、8着といずれも惨敗しているが、あくまでも着順上もので、実際のタイム差はコンマ5秒差とコンマ3秒差となっている。スプリンターズステークスでの成績だけを見て、この馬では足りないと思っていると痛い目を見る。

本来はシルクロードステークスから参戦予定だったが、高松宮記念の出走を最優先した形だ。トップハンデを背負ってもその年の高松宮記念の覇者に勝つということは、それだけの力量がある。阪神カップからのぶっつけ本番は確かに気になるが、この馬の体調を最優先してのこと。1200メートルにおける実績、安定感を考えれば決して無視はできない。

サイン② 8歳ながら24戦のみのフレッシュさ

ダンスディレクターを語る際に年齢を疑問視する声はあるかもしれないが、少なくともダンスディレクターに関してはそれは問題ない。故障がちという側面はあるにせよ、これまでに24戦しかしていない。特にこの2年は春先から夏場を全休しており、冬場のレースしか走ってらず、そうしたことも24戦にとどまった要因だ。年齢を重ねてズブくなる馬は多いが、多くのレースを経験したからこそだろう。その点、ダンスディレクターに年齢の衰えは感じさせない。前走の阪神カップもハナ差2着。明らかに限界という言葉が当てはまらないことは明らかだ。

この24戦の中には中京競馬場での出走歴も含まれ、勝利こそないが3戦2着2回3着1回と馬券圏内を外していない。その中にはCBC賞2着も含まれている。コース実績もあることから、ダンスディレクターに関する死角はあまり見られないと言っても過言ではないだろう。

サイン③ 大舞台に武豊騎手を確保

スプリンターズステークスで騎乗したのは浜中俊騎手で、これまでに多くのレースに乗ってきたが微妙な結果にとどまり、ファンからも疑問の声が上がっていた。ダンスディレクターを管理するのは笹田和秀調教師でエアスピネルも管理している。そうした縁もあってか、2016年阪神カップで初めて騎乗したのが武豊騎手だ。武豊騎手とのコンビではトップハンデで勝ったシルクロードステークス、去年惜しくもハナ差で敗れた阪神カップでの実績がある。

しかも、今回特筆すべきは高松宮記念の前哨戦である阪急杯を制したダイアナヘイローではなく、ダンスディレクターを武豊騎手が選んだという事実だ。もちろん事前の先約だったのかもしれないが、選べる立場にあった中でダンスディレクターを選んだ事実は大きい。

武豊騎手の好調ぶりは誰もが知るところである。先行させても中団待機でもその馬にとってのベストの競馬が出来る。この臨機応変さが武豊騎手を長年日本のトップジョッキーとして君臨させる原動力だ。ダンスディレクターにとっては鬼に金棒といったところだ。

まとめ

レッドファルクスもセイウンコウセイも復帰初戦は負けるなど、高松宮記念に向けた叩き台になったという見方も出来る一方で、確固たる差があれば簡単にそれを乗り越えるパフォーマンスが見せられるのも競馬であり、度外視するようなことはできない。これならダンスディレクターにも付け入る隙はあるのではないか。それでいて人気はさほど上がらないとなれば、狙わない手はない。

守備範囲が1400メートルまでということは、多少タフな流れになってもそこまで問題にはならない。高松宮記念は流れが速くなろうと遅くなろうと前で競馬をした馬が結果を残し、後ろは届かない傾向にある。ダンスディレクターの枠順にもよるが、前目ですんなり走れればかなりチャンスは広がる。枠順やどの馬が先行するかも含めて見ていきたい。ベテラン勢がどこまで食い込めるか、そのあたりにも注目する。

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