2018年12月9日、阪神競馬場で阪神ジュベナイルフィリーズ(GⅠ/芝1600m)が行われる。グランアレグリアが朝日杯へ行くことになったが、アルテミスステークスを勝ったシェーングランツやファンタジーステークスを制したダノンファンタジーなどが出走予定だ。その中でビーチサンバも注目されている。
ビーチサンバの前走はアルテミスステークスだったが、ビーチサンバはやや出遅れ、9番手でレースを進める。ポジションをあげつつ最後の直線に入ると、外から抜け出しを図り、一旦は先頭に出るもシェーングランツの一段上の末脚を披露され結果は2着に終わったが、十分力量を見せた。
フサイチエアデールの子供は本当によく走る。一方であと一歩届かない部分もあり、そこは母親譲りか。シェーングランツとの差は逆転可能か、そのあたりを探りたい。
目次
期待① 阪神マイルで勝利経験あり
以前の阪神のマイルコースは展開に左右されることが多く、1枠の逃げ馬をとにかく買えばいいという予想の仕方もあるほどだ。ところが、改修が行われどの馬にもチャンスがあるような形態に変化し、強烈な末脚があればシンガリに位置しても直線だけで一気に逆転可能のコースになった。それだけスピードもパワーもスタミナもいる。そのコースで勝っていることは本当に大きいことだ。
ビーチサンバの場合は新馬戦が阪神マイルだったが、6番手からレースを進め徐々にポジションを上げると、最後は33秒4の末脚でコンマ3秒の差をつける完勝だった。タイムは平凡だが、新馬戦はまず勝ち上がる事、伸びシロを見せることが重要である。結果的にアルテミスステークスでもあわや1着もあったわけだから、距離やコースの心配はいらないだろう。
期待② コンマ1秒は逆転可能な差
グランアレグリアがいない今、ビーチサンバにとってライバルはシェーングランツやダノンファンタジーということになる。直接対決があったのはシェーングランツだが、アルテミスステークスでつけられた差は半馬身差、コンマ1秒である。競馬における半馬身はちょっとしたことで変化する。ただシェーングランツに乗るのは武豊騎手となると相手の騎乗ミスを願うことは少し厳しいか。
そこで注目したいのはシェーングランツが初めて輸送をする点だ。関西への遠征はこれが初めてで、なかなかの鬼門だ。例えば先週のレイエンダも初めての輸送で見事にやられた。もっと言えばアルテミスステークスはビーチサンバにとっては初輸送、シェーングランツはホームである。そこでコンマ1秒の差だ。藤沢和雄厩舎はそのあたりもこなすかもしれないが、輸送でやや調子落ちが見られれば十分に逆転できる。
期待③ 血統面は申し分なし
フサイチエアデールは2002年に初仔ライラプスを産み、これまでに15頭を産んだ。その中でクロフネ産駒はビーチサンバを入れると5頭いる。その中での最高傑作がフサイチリシャールだ。デビューは2005年なので13歳年の離れた兄妹である。朝日杯を勝ち、第1回阪神カップを勝つなど1400から1600で結果を出した。その時に乗っていたのが福永祐一騎手であり、今回のビーチサンバにも騎乗する。
フサイチエアデールの子供は2歳時からよく走る。裏を返せばなかなか3歳後半からの成長というものがあまり見られない傾向にあるので、狙うなら3歳春までという感じだ。ビーチサンバもその傾向にあり、桜花賞まではどうかと思うが、阪神ジュベナイルフィリーズであればチャンスはある。ここのワンチャンスを活かしたいところだ。
まとめ
可能性のある馬が多く、オッズ的には大混戦になるだろう。その中でビーチサンバも上位人気が予想される。今回はフサイチリシャールにも乗っていた福永祐一騎手がエスコートをするのでうまく馬群を交わして直線に向くことが出来ればチャンスはある。新馬戦のように切れ味はあり、多少ペースが流れても心配はいらない。
あとは枠順だが、多少出遅れても問題がなさそうな枠が良さそうだ。下手に内枠を引いて出遅れると馬群を縫うのが大変だ。どの枠順になるかも含めて確認をしておきたい。