5月6日に東京競馬場で行われた日本ダービートライアルのプリンシパルステークス(OP/芝2000m)で、1番人気のキングカメハメハ産駒ダイワキャグニー(牡3)が、2番人気のレッドローゼス(牡3)を押さえて勝利した。
ダイワキャグニーの血統や将来性はどういったものなのだろうか? 徹底的に検証していこう。
目次
プロフィール〜血統・誕生日・馬主・調教師・生産者〜
父 | キングカメハメハ |
---|---|
母 | トリプレックス |
母の父 | サンデーサイレンス |
母の母 | トリプルワウ |
性別 | 牡 |
馬齢 | 3 歳 |
生年月日 | 2014年2月25日 |
毛色 | 黒鹿毛 |
馬主 | 大城敬三 |
調教師 | 菊沢隆徳(美浦) |
生産牧場 | 社台ファーム |
産地 | 千歳市 |
馬名意味 | 冠名+人名より |
血統評価は?
ダイワキャグニーは父キングカメハメハ、母父サンデーサイレンスという血統だ。
キンカメ×サンデーというクラシック血統らしい素軽さのある馬で、プリンシパルステークスあたりを勝つのが“いかにも”といったところ。
ただし、キンカメ×サンデーサイレンスは大舞台で勝つには少々軽すぎる傾向にある。大成功したのはドゥラメンテとローズキングダム、あとはラブリーデイ(母父ダンスインザダーク)くらいで、後はGII、GIIIレベルに留まることが多い。
実際、キンカメ×サンデー系のクラス別の成績を見てみると……
クラス | 勝率 | 複勝率 | 単回値 | 複回値 |
---|---|---|---|---|
G3 | 10.3% | 30.8% | 82 | 103 |
G2 | 9.1% | 28.7% | 34 | 85 |
G1 | 6.0% | 22.6% | 38 | 73 |
集計期間:2009. 3.28 ~ 2017. 4.30
クラスが上がるごとに成績が落ちている。
さらにいえばサンデーサイレンスよりサンデーサイレンス系の母父との相性のほうがいい傾向にあり……
母父馬 | 勝率 | 複勝率 | 単回値 | 複回値 |
---|---|---|---|---|
サンデーサイレンス | 8.2% | 26.3% | 37 | 90 |
ダンスインザダーク | 19.1% | 36.2% | 223 | 111 |
スペシャルウィーク | 6.5% | 35.5% | 30 | 76 |
マーベラスサンデー | 11.1% | 55.6% | 73 | 132 |
アグネスタキオン | 0.0% | 22.2% | 0 | 105 |
フジキセキ | 0.0% | 7.7% | 0 | 21 |
バブルガムフェロー | 0.0% | 0.0% | 0 | 0 |
アドマイヤベガ | 0.0% | 0.0% | 0 | 0 |
集計期間:2009. 3.28 ~ 2017. 4.30
ご覧の通り、ダンスインザダークやスペシャルウィーク、マーベラスサンデーといった母父のほうが、優秀な産駒が生まれやすい傾向にある。
この3頭に共通しているのは、3000m以上のレースで好走していること。つまり、サンデーサイレンスが持つ軽さという欠点を、スタミナで補完しているわけだ。
ダイワキャグニーの血統構成を見ていくと、母系は米国血統で軽さが目立つ。また、近親を探っていってもめぼしい活躍馬はあまりおらず、活躍馬はミエノワンダーくらい。もっとさかのぼってもフサイチオーレが関の山……という状況にある。
配合的にも母系のスケール的にも、これ以上の舞台で勝つにはやや心もとないといったところなわけだ。
次走は?
日本ダービーへの優先出走権を獲得したため、順調にいけば東京優駿で走ることになるだろう。
●ダイワキャグニーの勝因、レッドローゼスの敗因は?プリンスパルS2017結果・動画
回顧で触れたように、プリンシパルSのパフォーマンスは優秀だった。次は相手が強くなるが、期待を寄せたくなる走りだったと言っていい。
ただし、前述の通り、血統背景を見るとダービーで勝ち負けをするようなスケール感は正直なところ感じられない。ダイワキャグニーにとって、血統背景を打ち破れるかどうかが一つのポイントになってきそうだ。