圧巻のパフォーマンスを披露した。
7月5日に福島競馬場で行われたラジオNIKKEI賞(GIII/芝1800m)でディープインパクト産駒のアンビシャスが1番人気に応える差しきり勝ちを収めた。3馬身半差をつける圧勝劇によって自身の能力を示した格好となった。
もっとも、アンビシャスがGI級の力を示したのはこのレースが初めてではない。
今回は彼のキャリアを振り返り、GI戦線で活躍する可能性が高い理由を探っていこう。
GI級の戦い/共同通信杯
アンビシャスが最初に才能を示したのは共同通信杯だった。
なんといっても共同通信杯はメンバーレベルが超ハイレベルだった。
1着 リアルスティール→皐月賞2着、ダービー4着
2着 ドゥラメンテ→2冠馬
4着 ミュゼエイリアン→毎日杯1着
5着 アヴニールマルシェ→NHKマイルカップ4着
上位馬は例外なく重賞で好走している。特にドゥラメンテとリアルスティールの3着だったのだから、勝ちの高さは計り知れない。
しかもアンビシャスは外枠からスタートしてリアルスティールに比べるとロスのある競馬をしていた。それで0.3秒差しかついていないのだから、「負けて強し」と言っていい。
共同通信杯で上位に来た時点で「重賞級」もしくは「GI好走レベル」と言えたわけだ。
明らかな不利を乗り越えて/プリンシパルステークス
さらにプリンシパルステークスの走りも振り返りたい。
プリンシパルSは東京芝2000mで行われる。同コースといえばスタート直後のコーナーを迎えるため、外枠が不利なコースとして有名だ。
事実、過去10年のプリンシパルステークスで8枠に入った馬は(0−0−2−24)と全く振るっていなかった。そんな中、アンビシャスは8枠16番に入った。レース前から明確な不利があったわけだ。実際、アンビシャスはコーナーで終始ラチから4、5頭目を通り、距離を相当ロスしていた。
しかし、抜群の手応えで直線を迎えると、ルメール騎手のゲキに応えて豪快に差しきってみせた。結局、出走権を手にしながらダービーをパスしたものの、出ていれば「もしかすると」と思えるような秀逸な走りだった。
【次のページヘ】ラジオNIKKEI賞でアンビシャスが示した能力とは?